僕は、すすんで電車に乗るようにしています。なぜなら通勤電車は、ファッションリサーチの格好のステージでもあるからです。感動させられることがしばしばですし、逆もあります。
全体に少々残念におもうのは、ほとんどのビジネスマンたちが、単なるマナーとしてネクタイをしているように見えることです。彼らにとっては、首を締めつけられて疲れるもの、朝の色柄選びがとにかく面倒なだけの存在なのかもしれません。
おそらくは、あの、145センチ程度の細いひもがもたらす素晴らしい効果にお気づきでないのでしょう。

ところで、ディンプルマーキングを、ご存じですか。人が笑ったときにできる、美しいえくぼのことです。
ネクタイを結ぶとき、その結び目に美しいシワ、すなわちディンプルをつくってください。えくぼがもたらす立体感こそが、スーツスタイル全体をじつに知的にしてくれるのです。
会議のとき、部屋の照明で、その流れるような柔らかいラインが浮かびあがってきます。コーヒーショップでは、窓から差しこむ自然光によって、シルクの優雅なつやが生きてきます。
そして何より大切なことは、そんな小さな小さな心配りに、周囲の方たちは驚き、貴方の人柄を想い、心に刻みこんでくれることでしょう。
どうぞ、ディンプルマークを大切にしてください。