【専門家監修】内定辞退とは?メールや電話での断り方の例文・マナーを解説

【専門家監修】内定辞退とは?メールや電話での断り方の例文・マナーを解説

内定辞退の対応方法について、「内定を辞退したいけど、どのように伝えれば失礼にならない?」 「電話とメール、どちらで連絡すれば良い?」など、就活の終盤で悩む人も多いでしょう。
この記事では、内定辞退の基本的な考え方から、電話・メールでの例文、マナーや注意点まで、キャリアコンサルタント監修のもと詳しく解説します。

内定辞退とは

内定辞退とは、企業からの内定を学生側から断ることをいいます。

複数の企業から内定を得た場合や、より志望度の高い企業への入社を決めたときに行われる正当な手続きです。辞退の理由としては進路変更や他社との比較、就職活動の継続など様々考えられますが、辞退する場合はできるだけ早く連絡することが大切です。

内定承諾後辞退との違い

内定辞退と内定承諾後辞退の大きな違いは、「辞退するタイミング」と「企業への負担の大きさ」です。

内定辞退は内定通知を受けた後の『承諾前』に行うもので、企業側も断られる可能性があることを想定しているため、事務的な手続きで済むことが多い傾向にあります。

一方、内定承諾後辞退は、一度内定を承諾し『入社するという意思を見せたあと』での辞退を指します。

企業はすでに入社に向けた準備を進めている場合が多く、影響が大きくなりやすい点が特徴です。そのため、内定承諾後辞退を行うときは、内定辞退よりも丁寧かつ誠実な対応を心掛けましょう。

内定辞退するときのポイント4つ

内定辞退するときのポイント4つ

内定を辞退するときは、次の4つのポイントを押さえましょう。

1.丁寧な対応を心掛ける

内定をもらったことへの感謝と辞退することへの謝罪を併せて、丁寧に対応しましょう。

採用担当者をはじめ、企業は時間をかけて面接や選考を行っています。こうした背景から、内定辞退の連絡は電話とメールをセットで行うのが望ましいです。

2.内定辞退を決めたらなるべく早く連絡する

内定辞退を決めたら、速やかに連絡してください。

企業は就活生の入社に向けて、他の候補者への不採用通知や備品の手配、配属先の調整などを進めています。企業の負担を少しでも軽くするためにも、辞退の意思を固めたらすぐに連絡しましょう。

3.内定辞退の理由は簡潔に伝える

内定辞退の理由は簡潔に伝えればよく、詳細に説明する必要はありません。

他の企業への入社を決めた場合は「他社への入社を決めた」という結論を伝えれば十分で、具体的な企業名など深い内容まで話す必要はありません。

ただし、「残業が多そうだから」や「もっと待遇の良いところを選んだ」など辞退する企業に対するネガティブな理由を伝えるのはNGです。「自分の適性を検討した結果、別の企業を選ぶ」という、自分自身の決断である旨を伝えれば、相手に配慮した印象になります。

4.相手の状況に配慮した時間に連絡する

採用担当者は複数の就活生を相手にしているため、非常に多忙であることが考えられます。したがって、連絡する時間帯は落ち着いて話を聞いてもらえるタイミングを選ぶのがマナーです。

直接電話する場合は就業時間内であるのはもちろんのこと、始業直後と昼休み前後、終業間際など業務が立て込みやすい時間は避けてください。

具体的には、午前なら10時半~11時半頃、午後なら14時~16時頃に電話するのが適しています。9時~18時が就業時間の企業に連絡する場合、昼休憩の12時~13時頃を除いた、10時~17時頃に連絡するとよいでしょう。

辞退の電話をした後にメールを送る場合は、基本的に電話の後、すぐにメールをしてください。ただし、電話後すぐにメールを送れない場合は、当日の就業時間内に送りましょう。

【電話の場合】内定辞退するときの
例文・ポイント

電話での連絡は誠意が伝わりやすく、相手の反応も確認できるため、内定辞退の連絡方法として適しています。

電話で内定辞退するときの例文

就活生:お世話になっております。わたくし、内定をいただいております、〇〇大学の〇〇〇〇(氏名)と申します。採用担当の△△様はお手すきでしょうか?

企業側:少々お待ちください。

就活生:よろしくお願いします。

-採用担当者に電話が変わったら-
就活生:お忙しいところ申し訳ございません。〇〇大学の〇〇〇〇(氏名)です。△△様、ただいまお時間よろしいでしょうか?

担当者:はい、大丈夫ですよ。どうされました?

就活生:先日は、内定のご連絡をいただき、誠にありがとうございました。
大変申し訳ないのですが、検討を重ねた末、この度の内定を辞退させていただきたくお電話を差し上げました。

担当者:そうなんですね。差し支えなければ、理由をお伺いしてもよろしいですか?

就活生:自身の適性やキャリアについて改めて慎重に検討いたしました結果、別の企業とのご縁を感じ、そちらへの入社を決意いたしました。
御社には多大なるご期待をいただいたにもかかわらず、このような形となり大変申し訳ございません。

担当者:分かりました。大変残念ですが、辞退ということで承知いたしました。

就活生:お時間頂戴いたしまして、ありがとうございました。本来であれば直接お伺いしてお伝えすべきところ、お電話でのご連絡となり申し訳ございません。

担当者:大丈夫ですよ。今後も頑張ってください。

就活生:ありがとうございます。
最後になりますが、貴社の益々のご発展を心よりお祈り申し上げます。それでは、失礼いたします。

電話で内定辞退するときのポイント

電話で内定を辞退するときは、以下の3つのポイントを覚えておきましょう。

メモを用意し、慌てずゆっくり話す

電話するときは、事前に話したい内容をメモしてから掛けましょう。
メモには「大学名・氏名」「辞退の結論」「お詫びの言葉」などを箇条書きにしておくと良いです。
電話をかける前に深呼吸し、焦らず、落ち着いた声で丁寧に伝えることを意識してください。
通話中も手元にメモを置き、話したことや時間をメモしておくと、フォローメールを送るときに役立ちます。

内定辞退の旨をはっきりと伝える

内定を辞退するときは、曖昧な表現は避け、「辞退させていただきます」と明確に伝えましょう。
曖昧な言い方をすると「まだ迷っている」と判断され、引き止められたり、話し合いの場を設けられたりなど、双方の負担が増えてしまう可能性があります。
はっきりとした意思と結論を伝えることで、誤解を防ぎ、手続きをスムーズに進めやすくなります。

内定辞退の理由を詳細に述べる必要はない

内定辞退する理由を深掘りする必要はありません。
「自身の適性を再検討した結果、別の企業とのご縁を感じた」程度の伝え方でOKです。
他社への入社を決めた場合は具体的な社名等も出さず、端的に結論を伝えましょう。

【メールの場合】内定辞退するときの
例文・ポイント

担当者と電話がつながらないなど、どうしても電話が難しい場合や、連絡後の確認としてメールを使う場合は、形式を守って丁寧に送りましょう。

メールで内定辞退するときの例文

件名:【内定辞退のご連絡】○○大学 △△学部△△学科 ○○○○

株式会社○○ 人事部 □□様

いつも大変お世話になっております。

○○大学 △△学部△△学科 ○○○○です。

先日は採用内定のご連絡をいただき、誠にありがとうございました。
また、選考に際して貴重なお時間を割いていただきましたこと、重ねて御礼申し上げます。

光栄なお知らせをいただいたにもかかわらず誠に恐縮ですが、慎重に検討いたしました結果、内定を辞退させていただきたくご連絡を差し上げました。

貴社より素晴らしいご縁をいただきながら、このような形となり大変申し訳ございません。

本来であれば直接お伺いしてお伝えすべきところですが、メールでのご連絡となりますこと、何卒ご容赦いただければと存じます。

ご担当様はじめ、採用に関わってくださった皆さまには、心より感謝しております。
最後になりますが、貴社の益々のご発展を心よりお祈り申し上げます。

○○大学△△学部
○○○○
電話番号
メールアドレス

メールで内定辞退するときのポイント

メールで内定辞退をするときは、以下の点に注意しましょう。

件名で要件が一目で分かるようにする

採用担当者は毎日膨大な数のメールを受信しています。
メールを開封しなくても件名を見ただけで「誰から、何の用件か」が分かるようにすることが大切です。
「内定辞退のご連絡」+大学名・氏名で作成すると、採用担当者が確認しやすくなります。

電話がつながらずメールした場合は、一言添える

本来、内定辞退は電話で伝えるのがマナーです。
もし電話をしても担当者につながらなかった場合には、メール冒頭にその旨を一言添えてください。
例文:
「お電話を差し上げましたがご不在のようでしたので、メールにて失礼いたします」

返信が1日以上ない場合は、電話で連絡する

メールを送信した後、1日以上返信がない場合はメールを確認していない、もしくは届いていないことが考えられます。
内定辞退の電話に適した時間に、再度担当者あてに電話をかけ「昨日メールをお送りしたのですが、届いておりますでしょうか」と確認しましょう。

内定辞退に関するよくある質問

内定辞退に関するよくある質問

最後に、内定辞退に関するよくある質問についてまとめました。

Q1.内定辞退の連絡はメールのみでも良い?

基本的には電話で伝えるのがマナーですが、以下のような場合にはメールでも良いでしょう。
・企業から連絡はメールで、という指示がある
・何度かけても電話がつながらず、取り急ぎ早く伝えたい場合

あらかじめ、企業からメールでの連絡を求められているなら、メールで対応してください。

一方、担当者と電話がつながらずに内定辞退の旨をメールするときには、メールを送った後、再度電話を入れましょう。

Q2.内定承諾するか迷っているため、回答期限を延ばしてほしい。どうすれば良い?

回答期限を延長してほしい場合は、承諾期限の遅くとも1週間前くらいには、延長したい旨を相談した方が良いでしょう。

承諾期限の前日などに、期限を延長してほしい旨を連絡しようとしても、電話が繋がらないなどのトラブルが起こることも考えられるからです。

また、他社選考中の場合は、具体的な企業名は言わずとも、進捗状況(何次面接中か、最終結果がいつ出るか)などの目安日程も聞かれることが多いため、事前に整理してから相談の連絡をするのが良いでしょう。

Q3.内定承諾期限の日付を過ぎたら、そのままにしておいても良い?

内定通知に対しては、必ず返事をするのが基本。「承諾」なのか「辞退」なのか「延長希望」なのかを伝えるのが基本的なマナーです。

内定承諾期限までそのまま放置しておいて、期限が切れたら無効になるだろう、という無責任な行動は控えましょう。原則、承諾期限として設定されている日が過ぎる前に、自ら意思を伝えるようにしましょう。期限が過ぎたらそのまま取り消しになると書かれている場合でも、連絡は入れたほうが良いでしょう。

Q4.内定辞退を引き止められたら?

自分の意思が固まっているなら、内定への感謝を伝えたうえで、意思は変わらないことをはっきりと伝えましょう。

曖昧な返答をすると「まだ交渉の余地がある」と誤解させ、トラブルを招く可能性があります。以下のように、感謝の気持ちを示しつつ、結論を明確に伝えることが大切です。

例:
「身に余るお言葉をいただき、心より感謝しております。ご期待に添えず、私自身も大変心苦しく思っておりますが、意思が変わることはございません。」
「自分なりに悩み抜いて出した結論ですので、結論が変わることはございません。」

Q5.内々定の場合の辞退方法は?

内定の場合と同様に、電話とメールで連絡するのが基本です。

内々定は内定よりも早い時期に出されるため、他の就活生のチャンスを広げる意味でも早めに連絡するのが望ましいです。辞退を決意したら、速やかに連絡するようにしましょう。

Q6.内定承諾後の辞退はできる?

内定承諾後であっても、法律上、民法第627条により入社日の2週間前まで内定の辞退が可能です。

ただし、辞退するのであれば、気持ちが固まり次第すぐに電話で連絡をするのが最低限のマナーです。一度内定を承諾したら企業側は入社に向けての準備を進めているため、承諾前よりも影響が大きいことを理解しておく必要があります。

「家庭の事情」など、やむを得ない事情がある場合には正直に伝えることが大切です。「一度承諾したのに申し訳ない…」と感じるかもしれませんが、入社しない人材の席を確保し続けることは企業にとっても負担となってしまうため、早めに対応するようにしましょう。

【記事まとめ】内定辞退は慎重に考えて、誠意をもって対応しよう

内定辞退は誰にでもあり得る正当な手続きですが、対応には社会人としてのマナーが求められます。
感謝の気持ちと丁寧な謝罪を忘れず、なるべく早急に電話とメールのセットで連絡することが大切です。
内定承諾後でも法律上は辞退できますが、企業の影響が大きくなるため、より誠実かつ迅速な対応が求められます。
辞退は慎重に判断したうえで、自分の意思を明確に伝えることが重要です。

深澤絢さん

監修:深澤絢さん

国家資格キャリアコンサルタント・1級キャリアコンサルティング技能士。
企業にて18年間にわたり、採用・教育・人事制度構築など経営に直結した人材開発に従事した後、独立。
現在は企業における社員のキャリア開発に携わるかたわら、これまでの経験から企業がどんな学生を欲しがるか、活躍し続ける社員に共通することは何かを分析し、各種セミナーや大学での講座などで就活生にポイントを伝授し続けている。学生面接4万人以上、就職相談2万人以上の実績あり。