【専門家監修】内定式とは?目的や一日の流れ、持ち物、服装などを徹底解説

【専門家監修】内定式とは?目的や一日の流れ、
持ち物、服装などを徹底解説

内定式とは、企業への入社前に「採用内定」を通知・授与する式典のことをいいます。
内定式は社会人としての一歩を踏み出す大切なイベントですが、その目的や当日の服装マナーなどを正しく理解している就活生は意外と少ないかもしれません。

この記事では、内定式の基本から準備のポイント、服装までをキャリアコンサルタント監修のもとわかりやすく解説します。

内定式とは

ここでは、内定式の目的や開催される時期など、基本的な情報を解説します。

内定式とは「内定者に正式な内定を出すための式典」

内定式とは、企業が内定者に正式な内定通知を渡して、内定者の入社への決意を確認するための公式行事です。
内定式では基本的に、内々定を出している学生に対して「採用通知書」を渡すほか、学生に「入社承諾書」の提出を求める企業もあります。
正式な内定通知を交わすことで、企業と就活生の間で書面による労働契約が成立するため、双方にとって重要な節目の式典といえるでしょう。

内定式と入社式の違い

内定式と入社式の大きな違いは、「出席するときの立場」と「目的」の2つです。
内定式は「学生」として出席するのに対し、入社式では「社員」として出席します。
また、内定式の目的は、企業が内定者を歓迎するとともに、入社意欲の確認や向上を図ることにあります。一方、入社式は正式に雇用関係が始まる節目の行事であるため、新入社員を迎えるとともに、社会人としての自覚を促すことを目的としています。

ほかにも、内定式では内定証書の授与や懇親会が行われることが多いのに対し、入社式では辞令の交付や研修の実施など実際の業務に直結する内容を行うのが一般的です。

内定式はいつ開催される?

内定式は10月1日に開催されるのが一般的です。10月1日が土日の場合は、翌営業日に行われることもあります。
正式な内定は10月1日以降とするよう政府からの要請があるため、それ以前に開催されることは基本的にありません。ただし、繁忙期を避けるなど、採用スケジュールの都合によっては11月以降に実施する企業もあります。

なお、内定式の開催は必須ではないため、内定式自体を行わない企業もあります。

内定式には主に4つの目的がある

内定式には学生の入社意識を高めたり、企業を知る機会を設けたりするなどの目的があります。
ここでは、内定式の主な目的4つを解説します。こうした背景を踏まえて参加することで、内定式をより意義のあるものにできるでしょう。

1.正式な内定通知を行う

内定式を行う大きな目的のひとつとして、正式な内定を通知することが挙げられます。
正式な内定を受けた学生がこれを承諾すると、企業と学生の間で労働契約が成立します。就活生にとっては、長く続いた就活のひとつの区切りとなるタイミングです。

2.内定者に企業への理解を深めてもらう

企業側が学生に会社の理念や将来のビジョンなどを共有し、企業への理解を深めてもらうことも、内定式の目的のひとつです。
一方で、学生にとっては社長や役員の話を聞くことで企業風土を知る機会となり、将来のキャリアビジョンを描きやすくなるという側面もあります。

3.内定者の入社意欲を高め、内定辞退を防止する

内定式は、内定者の入社意欲を高め、内定辞退の防止につなげる役割もあります。また、働くことなどに対する漠然とした不安を和らげる効果も期待できます。
実際の職場を見学することで入社後のイメージが具体化し、入社への期待感が向上することも考えられます。

4.内定者同士や先輩社員の交流を促進する

内定式では、内定者同士や先輩社員と交流する場を設けている企業も多くあります。
先輩社員の体験談を聞くことで有益な情報を得られるほか、同期との関係を築くチャンスにもなるため、入社前の不安解消や内定者の入社への意欲を高めることにもつながります。

内定式のプログラムとは?一般的な当日の流れ

内定式のプログラムとは?一般的な当日の流れ

企業ごとに異なりますが、内定式はおおむね以下のような流れで進行します。

1.社長や役員からの祝辞・挨拶

まず、多くの企業では社長や役員から挨拶や内定者への祝辞が述べられ、今後のビジョンや内定者への期待などが語られます。
企業のトップからの言葉を直接受けることで、内定者の入社へのモチベーションもアップするでしょう。

2.内定者への内定証書授与

内定証書の授与は、内定式のメインイベントです。

社長から内定者一人ひとりに手渡すのが一般的ですが、人数が多い企業では代表者のみに渡されることもあります。近年ではオンラインでの内定式も増えており、その場合は内定証書が自宅へ送付されたり、PDFで配布されたりします。

3.内定者の自己紹介

内定式では、内定者の自己紹介が求められることもあります。

内容は就活の面接時と同様で問題ありませんが、さらに一歩進んで入社への意気込みや卒業までの期間をどう過ごしているかなどを付け加えると、交流会などで話題が広がりやすくなります。

自己紹介を求められた場合、話す時間は1~2分程度を目安とし、名前や大学、意気込みなどを簡潔に伝えます。入社後に関わる人たちからの第一印象を決める場となるため、丁寧な言葉遣いや態度を心がけましょう。

4.内定式後のスケジュールや連絡事項の共有

内定式の終盤には、内定式以降のスケジュールや連絡事項が共有されます。

内定者研修や入社準備のスケジュールが説明されることもあるため、聞き漏らしがないように必要に応じてメモを取りましょう。

5.入社承諾書など必要な書類の提出

内定式では、入社承諾書など、必要な書類を提出することもあります。

入社に必要な重要な書類となるため、忘れたり記入ミスをしたりしないよう事前によく確認しましょう。書類によっては印鑑が必要な場合もあるため、あらかじめ準備しておくと安心です。

6.内定者懇親会

内定式の終了後は、懇親会が行われることがあります。

軽い食事や飲み物が用意される立食形式のものや、飲食店を貸し切る形式など、企業や参加人数によってさまざまです。実際に一緒に働く同期や先輩、上司とつながる貴重な機会であるため、会話を楽しみつつ、実りのある懇親会にできると良いでしょう。

内定式に向けて準備しておきたいこと3選

内定式に向けて準備しておきたいこと3選

内定式前には、いくつか準備しておいた方が良いことがあります。事前に確認しておくことで、当日は安心して内定式に参加できるでしょう。

1.自己紹介を考える

内定式での自己紹介は、1~2分程度で話せる内容が好ましいです。以下のような内容を盛り込みつつ、簡潔にまとめましょう。

・名前
・大学/学部
・入社理由
・学生時代に力を入れたこと(ガクチカ)
・入社後の意気込み

不安な方は実際に声を出して何度か練習しておくと、緊張する場面でもスムーズに話せるようになるでしょう。

2.企業についての知識を深める

会社の沿革や事業内容、経営理念など、企業についての知識を再確認しておくことも大切です。

すでに就活時に調べて理解している内容もあるかもしれませんが、時間をおいてから再度確認することで、より理解が深まります。
また、企業に関する知識を増やしておくことで、内定式で社長や役員などが話す内容も理解しやすくなり、交流会の場でも先輩社員との会話がスムーズになることも期待できます。

3.必要な持ち物を揃える

内定式では、書類や記念品を受け取ることもあります。
事前に企業から提示されている持ち物があれば忘れないようにしましょう。企業から特に指示がなければ、以下のようなものを前日までに準備しておくと安心です。

・筆記用具
・メモ帳やスケジュール帳
・クリアファイル
・印鑑
・エコバッグ(A4サイズの書類が入るバッグ)

内定式当日に気をつけるべきこと3選

内定式当日は、以下のようなことに気を付けましょう。

1.時間を厳守する

社会人として、時間を守るのは当然のマナーです。

就活と同様、遅刻しないよう10~15分前までに余裕をもって到着しましょう。周辺のカフェなどで時間調整する場合は、先輩社員や他の内定者に見られている可能性を想定し、社会人として恥ずかしくない行動を心がけてください。

2.挨拶や言葉遣いに気を付ける

新社会人らしい、元気ではっきりとした挨拶や丁寧な言葉遣いで話しましょう。

式典の最中だけでなく、会場内ですれ違う社員には軽くお辞儀をする、話すときは相手の目を見るなど、一般的なビジネスマナーが自然にできるよう、意識して行動することも大切です。

3.身だしなみを整える

内定式は、社長や役員も出席する厳粛な場です。その場にふさわしい服装を選び、身だしなみを整えましょう。

スーツにシワや汚れ、ヨレはないかを確認し、気になる場合はクリーニングに出しておきましょう。クリーニングに出す可能性を考えて、内定式の2週間前にはチェックしておくと安心です。

だらしのない服装や身だしなみは、入社意欲を疑われる可能性も考えられます。就活時と同様、髪型やメイクは清潔感を意識してください。身だしなみは社会人として最低限のマナーのため、きちんと整えるようにしましょう。

内定式での服装のマナー

ここでは、内定式での服装のマナーを紹介します。コーディネート例も紹介しているため、参考にしてみてください。

服装の指定がない場合

特に企業側から服装の指定がない場合、内定式ではリクルートスーツを着用するのが望ましいです。基本的には、就活の面接と同じ服装で問題ありません。

スーツの色は男女ともに黒や紺、シャツは白無地を選びましょう。また、男性のネクタイは無地や小紋、ストライプなど派手すぎないものを身につけてください。

服装の指定が「平服指定」や「私服指定」の場合

平服指定の場合

平服を指定された場合は、オフィスカジュアルで参加します。なお、オフィスカジュアルであっても、ジャケットは必須です。

「オフィスカジュアル」に似た用語として「ビジネスカジュアル」がありますが、これらは想定される着用シーンに違いがあります。一般的に、ビジネスカジュアルは取引先の訪問や来客対応など、「社外の人と会う場面でも失礼のない服装」を指し、オフィスカジュアルは、社内業務やデスクワークなど、「社外の人への対応を想定しないリラックスした服装」を指します。

オフィスカジュアルでは、ジャケットとパンツは必ずしも同じ色にする必要はありませんが、統一感のある落ち着いた色を選ぶことを意識してください。
男性の場合、靴下を履いていないように見えるスタイルは式典としてはふさわしくないと言われているため、注意しましょう。また女性の場合、トップスはノースリーブなどの露出の多いデザインは避け、ストッキングは必ず着用するようにしましょう。

<男性のコーディネート例>

男性のコーディネート例

<女性のコーディネート例>

女性のコーディネート例

私服指定の場合

私服が指定された場合でも、普段着ではなくオフィスカジュアルで参加してください。私服指定の場合は“気軽に親睦を深めてほしい”という企業の意図が含まれているため、リクルートスーツの着用はかえって失礼に当たる可能性があります。

派手なものや露出が多いものは避け、清潔感のある落ち着いた色味でコーディネートすると印象の良い服装になるでしょう。

<男性のコーディネート例>

男性のコーディネート例

<女性のコーディネート例>

女性のコーディネート例

内定式に関するよくある質問

最後に、内定式に関するよくある質問についてまとめました。

Q1.内定式は行かないとだめ?

内定式は、基本的に出席することが望ましいです。

大学の授業や試験などで参加できない事情がある場合は、できるだけ早く人事担当に電話で連絡しましょう。体調不良等で急遽欠席しなければならない場合は、担当者に速やかに連絡し、後日改めて謝罪のメールを送っておくと安心です。

内定式を欠席しただけで内定が取り消されることはないので、やむを得ない事情がある場合は企業に相談しましょう。

Q2.内定式の連絡はいつ頃来る?

内定式の連絡は、約1カ月前に来るのが一般的です。

そのため、10月1日に内定式が開催される場合、8月中旬~9月中旬頃に案内が届くと考えましょう。

もし、例年10月に内定式を行っている企業から、9月中旬になっても内定式の連絡が来ない場合は、企業側に確認のメールや電話をしてみても良いでしょう。

Q3.内定を辞退する場合はどうしたら良い?

内定を辞退する場合は、意思が固まり次第、できるだけ早く連絡しましょう。

連絡手段は、電話が好ましいです。連絡の際は「内定への感謝」「謝罪」「辞退の意思」を、簡潔かつ丁寧に伝えます。理由を尋ねられたら、「他社への入社を決めた」など、正直に答えるようにしましょう。

なお、メールのみでの連絡は誠意に欠けるため、電話で伝えたうえで、後日フォローとしてメールを送るのが望ましいです。

Q4.オンライン形式での内定式で気をつけることは?

オンラインでの内定式では、事前の準備を整えることが大切です。
以下のポイントを押さえて、余裕をもって準備しておきましょう。

・安定した通信環境の確保
・カメラ・マイクの動作確認
・部屋の明るさ
・周囲の雑音が入らないか
・背景への配慮
・清潔感のある身だしなみ(スーツが望ましい)

オンラインで発言するときは、普段より大きめの声でハキハキと話すことを心がけてください。
事前に通信環境、カメラ映りなどをチェックするために、開催する時刻と同じ時間にリハーサルをしておくと安心です。

【記事まとめ】内定式は貴重な交流を持てるチャンス!可能な限り出席しよう

内定式は、「企業と学生をつなぐ就職活動の最後の橋渡し」の場です。それと同時に、社会人としての意識・意欲を高め、同期や社員と良い関係を築くチャンスでもあります。清潔感のある身だしなみで笑顔を忘れず、自信を持って内定式に臨みましょう。

深澤絢さん

監修:深澤絢さん

国家資格キャリアコンサルタント・1級キャリアコンサルティング技能士。
企業にて18年間にわたり、採用・教育・人事制度構築など経営に直結した人材開発に従事した後、独立。
現在は企業における社員のキャリア開発に携わるかたわら、これまでの経験から企業がどんな学生を欲しがるか、活躍し続ける社員に共通することは何かを分析し、各種セミナーや大学での講座などで就活生にポイントを伝授し続けている。学生面接4万人以上、就職相談2万人以上の実績あり。