ツイードとは?生地のメリットやデメリット、種類、お手入れ方法を解説
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ツイードはスコットランド地方を発祥とする太い羊毛の紡毛糸を用いた厚手の織物で、ざっくりとした質感が魅力の秋冬の定番素材です。防寒性の高さや長く着込める耐久性といった実用面を備える一方で、デリケートな一面も持ち合わせています。本記事では、ツイード生地の基本的な定義や代表的な種類、具体的なお手入れ方法をわかりやすく解説します。
目次
ツイードとは?生地の定義と由来

ツイードは、イギリスのスコットランド地方を発祥とする、厚手の紡毛織物です。羊毛の長さを揃えない短繊維(落綿や梳毛屑など)を主原料として紡ぐ、太くて粗い「紡毛糸」を使用し、平織りや綾織りで仕上げています。
ツイードの名前の由来には、主に2つの有力な説が存在します。一つはスコットランド南東部を流れるツイード川の名称からとったという説です。もう一つは、綾織りを意味する「ツイール」という言葉をロンドンの商人が誤読したという説があります。
ツイード生地の6つの特徴・メリット
ツイード生地は、優れた保温性や長く愛用できる耐久性など、実用性とデザイン性を兼ね備えた多くの魅力を持っています。ここでは、ツイード生地が持つ6つの特徴・メリットを紹介します。
優れた保温性
ツイードの魅力は、冬場の寒さをしのぐ高い保温性です。ツイード生地の原料となる紡毛糸は、短い羊毛を紡いで作られます。糸と糸の間に空気を多く含む構造で、体温で温まった空気を外に逃がしにくいのが特徴です。
しっかりとした厚手の生地で風を通しにくい構造のため、寒い冬も暖かく過ごせます。
長く愛用できる耐久性
ツイードは太い紡毛糸を密に織り込んでいるため、耐久性に優れています。摩擦に強くシワにもなりにくいため、日常的な着用でも生地が傷みにくい構造です。
適切なお手入れを続ければ長持ちし、世代を超えて受け継いで着られるともいわれています。お気に入りのジャケットやコートを長く着続けたい方におすすめです。
表情豊かで美しい色柄
ツイードは、糸を染めてから織る先染めの手法や、複数の異なる色の糸を組み合わせて織り上げるものが多く見られます。ヘリンボーンやチェックといった伝統的な柄をはじめ、複雑で深みのある色柄を楽しめる点が魅力です。
プリント生地にはない立体感があり、上品でありながら温かみのある印象を味わえます。
身体になじむやわらかさ
ツイードは、着込むほどに身体へしなやかになじむやわらかさが魅力です。新品のうちは硬さやゴワつきを感じる場合がありますが、着用を繰り返すうちに少しずつ繊維がほぐれ、身体のラインに沿ってしなやかになじんでいきます。
この経年変化はエイジングとも呼ばれ、長く着込むほどに愛着が湧く理由の一つです。着るたびにやわらかさを増していくため、最終的には自分だけの特別な一着として育てる楽しみを味わえます。
ざっくりとした独特の質感
ツイードは、短い羊毛を紡いだ太い糸を織り上げて作られるため、表面がざっくりとした独特の質感に仕上がります。織り目がはっきりと見える素朴な風合いが特徴です。
この粗削りな手触りが、他の生地にはない奥深い魅力を引き出しています。上品さの中にもカジュアルな雰囲気を持ち合わせており、ジャケットやコートなどに仕立てると、温かみのある印象を演出できるでしょう。
程よい重みのある重量
ツイードは、太く短い羊毛を密集させて織り上げるため、一般的なウール生地よりも重みがあります。このしっかりとした重量が、ツイードならではの重厚感や高級感を生み出す理由です。
適度な重さは美しいシルエットを保ち、風を通しにくいというメリットにつながります。一方で、アウターとして長時間着用すると疲れを感じる場合も。購入時は実際に試着し、身体への負担がないか重さを確かめてから選びましょう。
ツイード生地の4つのデメリット
ツイード生地は魅力的な特徴を持つ一方で、日常的な取り扱いや保管において注意すべきデメリットもあります。ここでは、事前に知っておきたい注意点を紹介します。
保管中に虫食いの被害が起こりやすい
ツイード生地の多くはウールなどの動物性繊維で作られています。動物性繊維は衣類害虫のエサになりやすいため、長期間保管する際は虫食い被害に注意しましょう。
表面の凹凸に食べこぼしや皮脂などの見えない汚れが残っていると、虫が寄り付く原因となります。
摩擦や引っ掛けにより糸が飛び出しやすい
ツイードは太い羊毛の糸を使ってざっくりと織り上げられているため、摩擦や引っ掛けに弱い一面を持ちます。着用中にバッグの金具やアクセサリーなどに引っかかると、糸が表面に飛び出す原因となるため、取り扱いに注意が必要です。
長くきれいな状態をキープするために、突起物との接触を避け、着用後はブラシを使って丁寧にお手入れすることを心がけましょう。
ニオイやホコリが繊維の奥に溜まりやすい
ツイードは太い羊毛をざっくりと織り上げるため、繊維の隙間にホコリや汚れが入り込みやすい構造です。タバコや食べ物のニオイなどを吸着してしまう場合もあり、奥に入り込むとニオイが残る可能性があります。
溜まった汚れを放置すると、生地の劣化や虫食いを引き起こす原因となるため、着用後はしっかりとお手入れすることが大切です。
厚みのある生地が収納スペースを圧迫しやすい
ツイードは太い紡毛糸を織り上げて作られるため、一般的なウール素材よりも厚みが出やすい特徴を持ちます。その結果、ジャケットやコートなどのアイテムはクローゼット内でかさばりやすく、収納スペースを圧迫することもあるでしょう。
収納時は風通しをよくしつつ、十分なスペースを確保して型崩れや湿気を防ぐ環境づくりが大切です。
主なツイード生地の種類

ツイード生地は、発祥の地であるスコットランドやアイルランドの各地域を中心に独自の広がりを見せてきました。ここでは、代表的な4種類の特徴を紹介します。
ハリスツイード
ハリスツイードは、スコットランド北西部の島々で職人が羊毛を手織りして作られる伝統的な生地です。英国のハリスツイード協会が定める厳しい品質基準を満たしたものだけが、ハリスツイードと呼ばれます。
基準をクリアした製品には、本物の証として王冠と十字架をモチーフにしたオーブのマークが付与されます。肉厚でざっくりとした独特の風合いが特徴です。高い保温性と耐久性を備えているため、冬物のアウターとして活躍するでしょう。
ドニゴールツイード(ドネガルツイード)
ドニゴールツイードは、アイルランド北西部のドニゴール地方で生産されるツイード生地です。生地の表面に不規則にあらわれる、「カラーネップ」という色付きの繊維の塊が独特の表情を演出します。
ネップが織り込まれることで、素朴で温かみのあるカントリー調の風合いを味わえるのが特徴です。カジュアルからビジネスまで、幅広いシーンで楽しめます。
シェットランドツイード
スコットランド北部に位置するシェットランド諸島産の羊毛で作られるツイードです。過酷な寒冷地で育った羊の毛を使用しており、高い保温性とスポンジのような弾力性を持っています。
他の代表的なツイード生地と比較して、繊維が細くやわらかい点が特徴です。そのため、肌触りがよくチクチクした感覚が少ない生地を探している方に向いています。
チェビオットツイード
チェビオットツイードは、スコットランドとイングランドの境界に位置するチェビオット丘陵で育つ羊の毛から作られます。過酷な自然環境を生き抜くチェビオットシープの毛が、この生地の原料です。
そのため、生地は太くしっかりとしたハリとコシを備えています。他のツイードと比較して上品な光沢感があり、鮮やかな発色が特徴です。
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【悩み別】ツイード生地のお手入れ・取り扱い方法
| 悩み | お手入れ・取り扱い方法 |
|---|---|
| 虫食い | クリーニングで汚れを落としてから収納する |
| 糸の飛び出し | 着用時は周囲の突起物に注意する |
| ニオイ | 風通しのよい日陰に干す |
| ホコリのつまり | 着用後はこまめにブラッシングする |
ツイード生地を長く愛用できるかどうかは、日々のお手入れや保管方法によって左右されます。ここでは、ツイード生地のアイテムを長く楽しむための、お手入れ・取り扱いのポイントを紹介します。
【虫食い】クリーニングで汚れを落としてから収納する
ツイードはウールなどの動物性繊維でできており、衣類害虫の被害を受けやすい生地です。シーズンオフで長期間保管する前には、必ずクリーニングに出して皮脂や汗などの見えない汚れをしっかり落としましょう。
食べこぼしや皮脂が繊維に残っていると、それが害虫のエサとなり、虫食いを引き起こす原因となります。クリーニングした後はビニールカバーを外して陰干しし、完全に乾かしてから防虫剤や除湿剤と一緒にクローゼットへ収納しましょう。
【糸の飛び出し】着用時は周囲の突起物に注意する
ツイード生地は太い糸を粗く織り込んでいるため、摩擦や引っ掛けに弱いという特性があります。着用時は、バッグの金具や時計などに引っ掛けないように注意が必要です。
万が一、糸が飛び出してしまった場合は、無理に引っ張ったり切ったりしてはいけません。飛び出た糸は、爪楊枝などを使って生地の裏側へ丁寧に押し込むことで目立たなくできます。自身での対処が難しい場合は、洋服のお直し専門店へ相談しましょう。
【ニオイ】風通しのよい日陰に干す
ツイード生地は繊維が太く隙間が多いため、タバコや飲食店のニオイを吸収しやすい素材です。着用後はすぐにクローゼットへしまわず、風通しのよい日陰に半日ほど干してニオイを飛ばします。直射日光に当てるとウールが傷み、変色するおそれがあるため注意しましょう。
また、消臭スプレーを直接かけるとシミの原因になる場合があります。どうしてもニオイが取れないときは、アイロンを生地から少し浮かせてスチーム(蒸気)をあてるか、お風呂上がりの浴室にしばらく吊るして対処しましょう。
【ホコリのつまり】着用後はこまめにブラッシングする
ツイード特有の凹凸や太い糸の隙間には、ホコリや花粉などの汚れが入り込みやすいです。そのため、ツイード生地の衣服を着用した後は、洋服ブラシを使ってこまめにホコリを落としましょう。
ホコリを放置すると生地のくすみに加え、虫食いやカビの原因につながる可能性があります。繊維の流れに沿って、優しくブラッシングをしましょう。
ツイードに関するよくある質問
ツイード生地に関する気になる疑問点をQ&A形式でまとめました。
Q.ツイードとヘリンボーンの違いは?
A.ツイードはイギリス発祥の織物(生地)、ヘリンボーンは生地の模様(柄)です。
ヘリンボーンとは、魚の骨のように見えるV字が連続した織り柄です。ツイード生地の代表的なデザインとしてヘリンボーン柄がよく用いられるため、混同されることもあります。
なお、両者が組み合わさった生地はヘリンボーンツイードと呼ばれます。重厚感のある秋冬の定番素材として人気です。
Q.ツイード生地のジャケットやスーツを着るのに適した季節はいつ?
A.肌寒くなる秋から冬にかけての10月から3月頃が適しています。
この時期に着用することで、防寒対策をしながら見た目にも温かい印象を与えられます。一方で、春から初夏にかけて着こなしたい場合は、通気性に優れたコットンやリネン混紡のサマーツイードがおすすめです。
着用する時期の気温に合わせて生地の素材を使い分け、季節感のある装いを楽しみましょう。
Q.服やネイルで聞く「ツイード柄」とはどんなデザインのこと?
A.複数の異なる色の線を格子状に細かく重ね合わせ、糸が織り込まれたような質感を表現したデザインです。
ツイード柄は、本来のツイード生地が持つ、温かみのある雰囲気を視覚的に再現しています。とくにネイルアートでは秋冬の定番として人気があり、ジェルを重ねて立体感を持たせる手法が一般的です。
服や小物にツイード柄を取り入れることで、上品でクラシカルな印象を演出できます。
Q.「ツイード風(テックツイード)」とは本物のツイードとどう違う?
A.主にポリエステルなどの化学繊維から作られた新素材です。
本物のウールを用いたツイード生地特有の起毛感や、温かみのある風合いを人工的に再現しています。大きな違いは、軽さと扱いやすさの2点です。
テックツイードはウールに比べて非常に軽量で、ストレッチ性を備えるものが多くあります。家庭で手洗いできる製品もあり、手軽に日常使いしやすい点が魅力です。
温かく長く愛用できるツイード生地のアイテムを取り入れよう
ツイードは優れた保温性と高い耐久性を兼ね備えた秋冬の代表的な生地です。ハリスツイードをはじめとする豊かな色柄や独特の質感が、ファッションに重厚感と温かみをもたらします。長く愛用するためには、着用後のこまめなブラッシングや、収納前のクリーニングによる虫食い対策が欠かせません。お手入れの基本を押さえ、経年変化による生地のやわらかさを楽しみながら、日々のコーディネートに取り入れてみましょう。
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