スーツの種類と違いは?シーンに合った選び方と与える印象を徹底解説
ビジネス メンズ
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一口に「スーツ」と言っても、スタイルやディテールによって多くの種類に分かれます。
着こなしの幅を広げるためには、それぞれの特徴を理解しておくとよいでしょう。
そこで本記事では、スーツスタイルの種類から、与える印象を左右するディテールの違いまでを解説していきます。
また、年代別のスーツの選び方もご紹介していますので、ぜひ最後までご覧ください。
スーツの主な種類【セット内容とスタイル】
まずは、スーツのセット内容と、国によるデザインの系統(スタイル)で分類できるスーツの種類を解説していきます。
ツーピーススーツ
ツーピーススーツとは、ジャケットとスラックスの2点で構成される、もっとも標準的なスーツの形式です。
ビジネスシーンで着用されるスーツの多くがこのタイプであり、その汎用性の高さから、就職活動や新社会人の最初の一着としても多く選ばれています。
スリーピーススーツ
スリーピーススーツとは、ツーピースの構成にベストを加えた3点セットのスーツを指します。
ベストが加わることで、Vゾーン(ジャケットの襟からシャツが覗く部分)が立体的になり、より重厚でクラシックな雰囲気を演出できるセットです。
イタリアンスタイル
イタリアンスタイルは、その名のとおりイタリアで発展したスーツスタイルで、軽やかで優雅なシルエットが特徴です。
肩パッドを極力薄くする仕様が多く、体のラインに沿った曲線的なデザインが魅力を感じさせます。
開放的でファッション性を楽しむ文化から生まれた、エレガントなスタイルです。
ブリティッシュスタイル
ブリティッシュスタイルとは、英国紳士の伝統的なスーツスタイルです。
厚めの肩パッドで構築されたショルダーラインと、絞られたウエストが特徴で、胸板を厚く見せるような力強く堂々としたシルエットを形成します。
生地は厚手で耐久性の高いものが多く、控えめながらも威厳と品格を感じさせるスタイルです。
アメリカントラッドスタイル
アメリカントラッドスタイルとは、合理的で機能性を重視するアメリカの国民性を反映したスーツスタイルです。
肩パッドは自然で、ウエストの絞りも少なく、ゆったりとしたボックス型のシルエットをしています。
動きやすさを考慮しており、窮屈さを感じさせない着心地のよさがあるスタイルです。
スーツの主な種類【ディテールによる区分】
スーツの主な種類は、ボタンの配列や襟の形など、細かなディテールによっても区分されます。
ボタンの違い
ジャケットは、フロントボタンの配列や数により、それぞれ名称と特徴が異なります。
シングルブレスト
シングルブレストとは、ジャケットのボタンが縦一列に並んだデザインのスーツを指します。
ボタンの数によってさらに細かく分類され、着用シーンや好みに合わせて選ぶことが可能です。
現代のビジネススーツにおいては、もっとも主流の形式であり、すっきりと洗練された印象を与えます。
ダブルブレスト
ダブルブレストとは、ジャケットのボタンが縦二列に並んだデザインのスーツです。
ボタンの配列が重なるため、重厚でクラシックな印象が強まります。
もともとは軍服に由来するともいわれており、威厳や貫禄を感じさせるスタイルです。
1つボタン
フロントが1つボタンのジャケットは、Vゾーンが深くシャープに見えるため、ドレッシーでモードな印象を与えます。
タキシードのような格式ある衣装や、パーティーシーン向けのスーツに採用されることが多いデザインです。
2つボタン
シングルブレストの中でも、標準的とされているのが2つボタンのスーツです。
ビジネスシーンをはじめ、あらゆるシーンに対応できる万能なデザインといえます。
着こなしの基本として、下のボタンは留めずに開けておく「アンボタンマナー」があります。
3つボタン
3つボタンのジャケットは、2つボタンに比べてVゾーンが狭くなり、よりクラシックで堅実な印象を与えます。
段返り3つボタンと呼ばれる、一番上のボタンがラペル(下襟)の裏に隠れているデザインも人気です。
上2つのボタンを留め、下のボタンは留めないのがマナーですが、段返りの場合は真ん中だけを留めます。
ラペルの違い
ラペルとは、ジャケットの下襟の部分を指し、その形状によってもスーツは分類されます。
ノッチドラペル
ノッチドラペルの「ノッチ」は、V字の切り込みを意味し、上襟と下襟の縫い合わせ部分が直線になっている襟を指します。
標準的で馴染み深い形状のため、ビジネスからカジュアルまで幅広く対応可能な、定番のラペルデザインです。
ピークドラペル
「ピークド」とは「尖った」という意味で、下襟の先が鋭く上向きに尖っているデザインを指します。
華やかでドレッシーな印象が強く、パーティーシーンや格式の高い場面にふさわしいデザインです。
また、力強さや権威性を感じさせる効果もあります。
ノーカラー
ノーカラーとは、ラペル(襟)がないデザインのジャケットのことです。
襟がないことにより、首周りがすっきりとして見え、カジュアルでモダンな印象を与えます。
そのため、インナーとの組み合わせを楽しめるデザインです。
ラペル幅
ラペルの幅もいくつかの種類があり、スーツの印象を左右します。
一般的に、ラペル幅が広いとクラシックで重厚な印象が強まり、狭いとモードでシャープな印象を与えます。
与えたい印象や自分の体型、胸の厚みとのバランスを考えて選択しましょう。
ベント(後ろ割れ)の違い
ベントとは、ジャケットの裾に入った切れ込みのことです。
種類により、機能性や見た目の印象が異なります。
センターベント
センターベントとは、ジャケットの背中中央に切れ込みが1本入った仕様を指します。
機能的で動きやすいのが特徴で、シングルスーツでは定番とされるディテールです。
ヒップ周りが標準であれば、スポーティーで軽快な印象を与えてくれます。
サイドベンツ
サイドベンツは、ジャケットの左右両サイドに切れ込みが入った仕様です。
英国式のスーツに多く見られ、エレガントで優雅な後ろ姿を演出してくれます。
センターベントに比べると、クラシックで重厚な印象があり、腰回りにゆとりが生まれるスタイルです。
ノーベント
ノーベントは、ジャケットの裾に一切の切れ込みがない仕様です。
ベントがない分、ウエストから裾にかけてのラインがすっきりと見えます。
タキシードのような礼服に用いられるのが基本で、ビジネスシーンではあまり一般的ではないデザインです。
ポケット形状の違い
ジャケットにある腰ポケットにもさまざまなデザインがあり、種類によって与える印象も異なります。
それぞれの特徴を知っておくと、スーツ選びの参考となるでしょう。
フラップポケット
フラップとは「雨蓋(あまぶた)」のことを言い、ポケットの口に蓋が付いたデザインを指します。
屋外で雨や塵がポケットに入るのを防ぐためのディテールで、現在のスーツではもっとも標準的なポケット形状です。
スラントポケット
スラントポケットは、ポケットの口が水平ではなく、斜め(=slant)にカットされたデザインを指します。
英国の乗馬用ジャケットに見られるディテールで、馬に乗りながらでも手を入れやすいように工夫されたものです。
シャープでスポーティーな印象を与え、ウエストを細く見せる視覚効果に期待できます。
チェンジポケット
チェンジポケットとは、メインの腰ポケットの少し上にもう一つ小さなポケットが付いたデザインを指します。
もともとは小銭(チェンジ)やチケットなどを入れるためのもので、英国発祥のディテールです。
デザインのアクセントとなり、視線が上に集まることで、脚を長く見せる効果があるともいわれています。
スーツの主な種類【スラックスの仕様による区分】
スーツスタイルはジャケットのみならず、スラックスの仕様によっても分類が可能です。
タックの有無や裾の仕上げなど、細かな違いによっていくつかの種類があります。
ノータック
ノータックとは、スラックスの腰回りにタック(生地を畳んだひだ)がまったくない仕様のことです。
腰回りがすっきりしているため、細身でスタイリッシュなシルエットとなります。
スマートなデザインのため、体型によってはフィット感が強く感じられることがあるでしょう。
ワンタック
ワンタックとは、腰回りの左右に1本ずつタックが入った仕様です。
タックがあることにより、腰回りや太もも部分にゆとりが生まれ、動きやすさが向上します。
また、ノータックに比べて少しクラシックな印象となり、適度なゆとりと美しいシルエットを両立できる点が特徴です。
ツータック
ツータックとは、腰回りの左右に2本ずつタックが入った仕様です。
ワンタックよりもさらに腰回りやヒップにゆとりが生まれるため、リラックスした履き心地を得られます。
ゆったりとしたクラシックなシルエットが特徴で、体型ががっしりとしている方にもおすすめです。
シングル仕上げの裾
シングル仕上げは、スラックスの裾の仕上げ方で、折り返しがなく、すっきりとした見た目のものを指します。
上品な印象が際立ち、礼服や格式を重んじるビジネススーツの最もフォーマルで標準的なスタイルです。
冠婚葬祭用のスーツは、基本的にシングル仕上げがマナーとされています。
ダブル仕上げの裾
ダブル仕上げとは、スラックスの裾を折り返して仕上げる方法のことです。
折り返し部分に重みが加わることで、スラックスのラインがまっすぐきれいに落ち、センタープリーツが際立つ効果に期待できます。
シングル仕上げに比べてややカジュアルで、お洒落な印象を与える仕様です。
スラックスのシルエット
スラックス全体の形状(シルエット)にも、いくつかの種類があります。
代表的なものとして、裾に向かって細くなるテーパード、膝から裾までが一直線のストレート、全体が太い傾向にあるワイドが挙げられます。
見た目のみならず履き心地にも影響するため、ご自身の体型も考慮しながら、しっかりと選ぶ必要があるでしょう。
スーツの主な種類【色・柄による区分】
スーツは、色や柄によっても相手に与える印象が異なります。
以下に挙げた、ビジネスシーンにおける定番の色と柄を理解しておくと、選択に悩む機会も減るでしょう。
スーツの定番色は3種類
ビジネススーツの色は多岐にわたりますが、基本となるのは「ネイビー」「グレー」「ブラック」の3色です。
ネイビーは、誠実さや知的な印象を与え、汎用性の高い色とされます。
グレーは、落ち着きと上品さを感じさせる色で、明るさの度合いによって信頼感や洗練された印象を与えることが可能です。
ブラックやダークネイビー、チャコールグレーといった色は、ダークスーツに分類されるため、平服指定時にも活用できます。
代表的なスーツの柄は3種類
スーツの柄もさまざまですが、代表的なのは「無地」「ストライプ」「チェック」の3種類です。
無地は、格式の高い場にも通用する柄で、シーンを選ばずに着用できます。
ストライプは、シャープで知的な印象を与え、線の間隔が狭いほどドレッシーに、広いほどカジュアルな印象に感じられる柄です。
チェック柄は親しみやすく柔らかな印象を与え、柄が細かいほど上品に、大きいほどカジュアルな印象となります。
年齢別で見るスーツの選び方
スーツは、年代や役職によっても、求められる印象が変わってきます。
最後に、年齢に合わせたスーツ選びのポイントを見ていきましょう。
20代は汎用性の高いものを
20代で社会人になりたての頃は、着回しのしやすい一着を選びましょう。
コーディネート例のように、色は誠実な印象を与えるネイビーか、落ち着いたチャコールグレーで、柄は無地がおすすめです。
デザインは、もっとも標準的なシングル2つボタンのツーピーススーツがよいでしょう。
さまざまなシーンに対応できる汎用性の高いスーツを基本に、少しずつバリエーションを増やしていく方法がおすすめです。
30代は複数の種類を
30代になると、仕事での責任が増え、後輩を指導する立場になることも考えられます。
信頼感や落ち着きを演出できるスーツが求められるため、定番のネイビーやグレーに加え、少し明るめのグレーやブラウン系のスーツに挑戦してみるのがおすすめです。
また、スリーピーススーツをそろえておくと、大事な商談やプレゼンテーションの際に貫禄を示せるでしょう。
40代はオーダーメイドに挑戦
40代は、対外的に会社の顔となる場面が増え、品格や威厳が求められるようになります。
そのため、ご自身の体型に完璧にフィットするよう、オーダーメイドスーツに挑戦してみるのも選択肢の一つとしておすすめです。
上質な生地を選び、細部のディテールにこだわることにより、既製品にはない着心地と存在感を手に入れることができます。
質のよいものを長く着るという視点で、ご自身だけの一着を仕立ててみましょう。
まとめ
スーツにはさまざまな種類があり、セット内容・スタイル・ディテール・色柄など、多角的な選び方が可能です。
ただし、選択によって与える印象が異なるため、それぞれの仕様についてしっかりと理解しておく必要があるでしょう。
本記事の内容を参考にして、ぜひご自身にぴったりの、心から満足できる一着を見つけてみてください。


