カフスとは何かを基礎から解説!種類・意味・付け方とマナーガイド
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「カフスとは?」と聞かれて、どんなアイテムか正確に説明できる方は少ないのではないでしょうか。
いざというときに恥ずかしくないよう、カフスの基本は押さえておきたいところです。
そこで本記事では、カフスの基礎的な知識から正しい付け方、ビジネスや冠婚葬祭といったシーン別のマナーまで徹底解説していきます。
カフスを初めて取り入れる方にも理解しやすい内容となっていますので、ぜひ最後までご覧ください。
カフスとは?基本の知識を解説
カフスは、ワイシャツの袖口を留めるという実用的な役割だけでなく、身につける方の個性やこだわりを表現できるアクセサリーです。
まずは、カフスの基本的な知識から見ていきましょう。
カフスは袖口を留める装飾アイテム
カフスとは、ワイシャツの袖口(カフ)を留めるためのアクセサリーです。
正式名称は「カフリンクス(cufflinks)」といい、「カフボタン」や「カフスボタン」と呼ばれることもあります。
現代におけるカフスは、単に袖口を留めるだけの道具ではありません。
スーツスタイルに彩りと個性を加えるためのファッションアイテムで、持ち主のセンスや品格を感じさせるものと認識されています。
カフスが使われる主なシーン
カフスは、そのデザインや格式によってさまざまなシーンで活用できます。
代表的な着用シーンとされるのは、以下に挙げる2つです。
ビジネスシーン
ビジネスシーンにおけるカフスは、スーツスタイルに品格と信頼感を与え、周囲と差をつけるための有効な手段です。
大切なプレゼンテーション、商談といった場面で着用すると、細部にまで気を配れる人物であるという印象を演出できるでしょう。
一方で、派手すぎるデザインやキャラクターをあしらったもの、存在感の強いカフスは、ビジネスの場では控えるのが無難です。
シルバーやステンレスを基調とした、スクエア型やラウンド型のシンプルで洗練されたデザインを選ぶのが一般的です。
結婚式
結婚式や披露宴といった華やかなパーティーシーンは、カフスがもっとも映える場面の一つです。
格式ある装いが求められる場で、ドレッシーさを格段に引き上げてくれます。
白蝶貝やパールなどの上品な輝きを持つカフスを選ぶことで、お祝いの気持ちを表現し、自身の装いに華を添えられるでしょう。
カフスの種類と特徴
カフスには、留め具の構造によっていくつかの種類が存在します。
それぞれの特徴や使い勝手について、解説していきましょう。
スウィヴル式
「スウィヴル式」は、もっとも普及しているタイプのカフスで、バレットバック(Bullet back closure:弾丸型の留め具)とも呼ばれます。
T字型の留め具部分を90度回転させ、真っすぐにして袖口のボタンホールに通した後、再び回転させて固定する仕組みです。
真っすぐな留め具部分を持つ直線型と、先端がクジラの尾のようになっているホエールテール型があります。
着脱が簡単で、初めてカフスを使う方でも直感的に操作できるため、扱いやすいタイプといえます。
チェーン式
「チェーン式」は、カフスの原型ともいえるクラシックで伝統的なタイプです。
両端のヘッド部分が短いチェーンでつながれているのが特徴で、両方のヘッドにデザインが施されていることが多く、袖口の内側からも装飾が見えるのが魅力といえます。
着脱には少し慣れが必要ですが、そのたたずまいはエレガントで、格式高い装いを好む方に人気がある傾向です。
アンティークのカフスにもこのタイプが多く見られるため、歴史を感じさせる逸品として着用する楽しみもあります。
固定式
「固定式」は、ヘッド部分と留め具部分が一体化しており、可動するパーツがないカフスのことです。
留め具の形状はさまざまで、ヘッドと同じデザインのものや、湾曲したバー状のものなどがあります。
袖口のボタンホールにそのまま押し込んで装着するため、事前にサイズを確認しておくと安心でしょう。
着脱に少しコツが必要な場合もありますが、可動部がないため頑丈で壊れにくいというメリットがあります。
スナップ式
「スナップ式」は、ヘッド部分と留め具部分が分離する構造になっており、シャツの袖口を挟んでパチンと留めるカフスです。
1920年から1940年ごろに流行したもので、生産数も少なくなった今、見かける機会は少なくなっています。
アンティークなデザインが魅力で、ヴィンテージ品として人気がある種類です。
ラップアラウンド式
「ラップアラウンド式」は、ベルト状の金属やメッシュの装飾部分で袖口を包み込んで留める、装飾性の高いカフスです。
カジュアル感のあるデザインも多く、その華やかな見た目から、結婚式やパーティーなど特別なイベントで個性を際立たせたいときにおすすめです。
紐式
「紐式」は、シルクやゴムといった伸縮性のある紐を編んで作られたカフスです。
金属製のものに比べて価格が手頃で、カラーバリエーションも豊富にあります。
オフィスカジュアルや休日のジャケットにアクセントを加えたいときにおすすめで、個性をさりげなく演出できます。
カフスが使える袖口の種類
カフスを付ける際は、それに対応したシャツを選ぶことがポイントになります。
次は、カフスが装着できる袖口の種類と、使えない袖口について解説していきましょう。
ダブルカフス(フレンチカフス)
ダブルカフスは、袖口の生地を折り返して二重(ダブル)にし、カフスを着用するタイプの袖口です。
フレンチカフスとも呼ばれ、格式高いスタイルの定番とされています。
ドレッシーでエレガントな印象を与えるため、タキシードやモーニングコートといった正礼装や、結婚式でのスーツスタイルにおすすめの袖口です。
袖口にはボタンがついておらず、カフスで留めることが前提の設計になっています。
コンバーチブルカフス
コンバーチブルカフスとは、通常のボタン留めとカフス留めの両方に対応できる、機能的な袖口のことです。
袖口の片側にボタンがついており、ボタンホールは両方の袖口に開いています。
普段はボタンで留めておき、結婚式やパーティーなどの特別な日にはカフスを付けて華やかさをプラスするといった使い分けが可能です。
汎用性が高いことから、カフス初心者の方にもおすすめの仕様といえます。
テニスカフス
テニスカフスとは、袖の両側にボタンホールが開いている袖口を指します。
正式なカフス仕様の袖で、ボタンはついていないため、着用する際はカフスが欠かせません。
コンバーチブルカフスの普及により、テニスカフス仕様のシャツは目にする機会が減っていますが、個性を演出するデザインとして楽しむことができます。
カフスが使えない袖口
一般的なワイシャツには、カフスが使えない仕様もあるため、選ぶ際に確認しておくと安心です。
代表的なものを以下に挙げるので覚えておきましょう。
シングルカフス
シングルカフスは、日常的なシーンに適した標準仕様の袖口です。
袖の片側にボタン、もう片方にボタンホールがあり、ボタンで留めるのが一般的です。
カフスを通すためのボタンホールが片側にしか開いていないため、原則としてカフスを使うことは想定されていません。
ターンナップカフス
ターンナップカフスは、ダブルカフスのように袖口が折り返されたデザインですが、ボタンのみで留める袖口です。
見た目は華やかで立体感もありますが、あくまで装飾的なデザインであり、カフスを通せる仕様にはなっていません。
ミラノカフスとも呼ばれ、ジェームズ・ボンドが着用していたことで知られています。
カフスが使用できるか判断するポイント
カフスが使えるシャツかどうかを確認するには、袖口の両側にボタンホールが開いているかをチェックしましょう。
シングルカフスのように片側にしかボタンホールがない場合は、カフスの着用には対応していません。
コンバーチブルカフスのように、ボタンとカフスホールが併設されているタイプは使用可能です。
カフスの正しい付け方と注意ポイント
カフスをスマートに使いこなすためには、正しい付け方をマスターしておく必要があります。
基本的な付け方から、注意すべき点まで詳しく解説していきましょう。
カフスの基本的な付け方
- シャツの袖を通し、袖口の端と端をきれいに合わせる
- 袖の外側から内側に向かって、両側のボタンホールにカフスのヘッド(装飾部分)を通す
- 袖の内側に出てきた留め具を操作して、カフスを固定する
- 装着後、カフスの装飾面が腕の外側を向いているか確認して完了
ダブルカフスの場合
ダブルカフス(フレンチカフス)の場合は、装着前にひと手間加わります。
- 長く伸びた袖口を、縫い目に沿ってきれいに外側へ折り返す
- 折り返して二重になった袖口の端を合わせる
- 生地が4枚重なったボタンホールに、外側からカフスを通して固定
曲線タイプの場合
固定式のカフスの中には、留め具部分が緩やかにカーブしているデザインのものがあります。
このタイプを装着する際は、そのカーブが手首の丸みに自然に沿う形で調整するのがポイントです。
カーブの向きを合わせることで、袖口にカフスがぴったりとフィットし、より美しく見えます。
柄の上下がある場合
動物モチーフや紋章、イニシャルなど、カフスのデザインによって明確に上下の向きが見られるものもあります。
このようなカフスを付ける際は、シャツの外側を上にして装着するケースが多い傾向です。
ただし、柄の上下に関する厳密なルールはないため、自分の好みで装着しても問題ありません。
カフスを付けるときの注意点
カフスを付ける際の基本的な注意点は、カフスの向きです。
カフスの装飾が施された面(ヘッド)を腕の外側、つまり周りの方から見える側に装着します。
逆に留め具の部分が外側になり、周りから見えてしまうのは誤った付け方です。
装着後に手の甲側から見て、デザイン面が正しく見えているかを確認すると、カフスの着用ミスを防げるでしょう。
カフスと腕時計の合わせ方
カフスと腕時計は、どちらも袖口を飾るアイテムです。
両者を合わせるときのコーディネートは、色や素材感を合わせるよう意識しましょう。
例えば、シルバーのカフスにはシルバーケースの腕時計、ゴールドのカフスにはゴールドの腕時計を合わせると、全体に統一感が生まれます。
厚みのある腕時計を着用する場合は、シャツの袖回りに少しゆとりを持たせると、時計が袖口に引っかかりにくくなっておすすめです。
シーン別で見るカフスのTPOマナー
カフスのような装飾品は、その場にふさわしいものを選ぶことが求められます。
ここからは、主要なシーンにおけるカフス選びのTPOマナーについて解説していきましょう。
ビジネスシーン
日々のビジネスシーンでカフスを取り入れる場合、主張しすぎない品格のあるデザインが好まれます。
使いやすいのは、シルバーカラーの金属をベースにした、スクエア(四角)型やラウンド(丸)型のシンプルなカフスです。
華美すぎないシンプルなデザインを選ぶことで、落ち着いた印象を演出できます。
シンプルな装いの中で、カフスを取り入れることで手元に上質なアクセントが生まれ、ワンランク上の印象に仕上がります。
カフスはさりげないアクセントとして着用するのがおすすめです。
スーツスタイルに取り入れることで、手元から大人の余裕とこだわりを演出できます。
ジャケットとベストの重厚感に、カフスを合わせることで、より格式のある印象に仕上がっています。
結婚式や披露宴
結婚式や披露宴は、カフスでおしゃれを楽しむ絶好の機会ですが、時間帯や式の格式によって推奨されるデザインが異なります。
昼の正礼装(モーニングコートやディレクタースーツなど)で着用するカフスは、光沢のあるものよりも、マットで上品な輝きを持つものが正式とされています。
白蝶貝(マザーオブパール)やパール(真珠)をあしらった白系のカフスが格式高く、お祝いの席にふさわしい選択です。
夜の正礼装(タキシード)では、照明の下で華やかに輝くものが好まれます。
黒蝶貝やオニキス、サファイアといった黒や濃紺の石を使ったカフスが一般的です。
準礼装や略礼装に合わせるカフスは、比較的自由に選ぶことが可能です。
ゲストとして参加する場合は、新郎新婦より目立つことのないよう、上品なデザインのカフスを選びましょう。
弔事の場
お葬式やお通夜といった弔事の場では、アクセサリーの着用は原則として避けるのがマナーです。
カフスもアクセサリーの一種にあたるため、基本的には着用しません。
カフスで袖口を留める必要がある場合は、光沢を抑えた黒い石や、黒いエナメル加工が施されたものなど、控えめなデザインのカフスを選びましょう。
ただし、これはあくまで例外的な対応であり、弔事の場における無難な選択は、カフス自体を着用しないことと理解しておきましょう。
面接
就職や転職の面接において、カフスの着用は基本的に不要です。
面接の場では、『お洒落』よりも『清潔感と誠実さ』が重視されるため、不要な装飾品は避けるのが賢明です。
リクルートスーツには、シンプルなボタン留めのシャツを合わせるのが一般的です。
どうしても必要な場合は、小ぶりでシンプルなデザインのものに留め、清潔感と誠実さを損なわないよう心がけましょう。
素材別で見るカフスのお手入れと保管方法
お気に入りのカフスを長く美しい状態で保つためには、日頃のお手入れが欠かせません。
素材によって注意点が異なりますので、以下のポイントを押さえながら、それぞれに合ったお手入れ方法を実践しましょう。
基本のお手入れ方法
共通する基本のお手入れは「使用後に乾いた柔らかい布で拭くこと」です。
カフスには皮脂や汗、指紋などが付着するため、これらを放置すると、くすみや変色、サビの原因につながります。
保管する際は、ほかのアクセサリーとぶつかって傷がつかないように、購入時のケースや、仕切りのあるアクセサリーボックスへ個別に収納するのが理想です。
湿気が少なく、直射日光の当たらない場所で保管してください。
素材別の注意点
一般的な素材であるメッキ製とシルバー製のカフスについて、特有の注意点を解説します。
メッキ製のカフス
メッキ製のカフスをお手入れする際は、メガネ拭きのようなマイクロファイバークロスやセーム革など、柔らかく傷のつきにくい布で優しく拭き上げましょう。
強くこすりすぎると表面のメッキが剥がれ、下地の金属が見えてしまうことがありますので、優しく扱うようにしてください。
汚れがひどい場合は、中性洗剤を薄めたぬるま湯で優しく洗います。
洗った後は、水分を完全に拭き取って、しっかりと乾かしてください。
シルバー製のカフス
スターリングシルバー(SV925)で作られたカフスには、空気中の硫黄成分と反応して黒ずんでしまう「硫化」という特性があります。
この黒ずみは、専用のシルバークロス(研磨剤が含まれているもの)で磨くことで、元の輝きを取り戻すことが可能です。
黒ずみを除去した後は柔らかな布で優しく拭き上げ、研磨剤が残らないように処置します。
長期間使用しない場合は、チャック付きのビニール袋に入れて空気に触れないよう保管する方法がおすすめです。
まとめ
カフスは、シャツの袖口を留めるシンプルな機能を持ちながら、自身の個性も表現できるファッションアイテムです。
その歴史は古く、形状や素材、デザインは多岐にわたります。
ビジネスシーンでの表現から、結婚式での華やかな装いの仕上げまで、TPOに合わせたカフスを選ぶことで、いつものスーツスタイルはより洗練されたものになるでしょう。
本記事の内容を参考に、ぜひあなただけのお気に入りのカフスを見つけ、袖口から始まるおしゃれを楽しんでみてください。


