スーツにアイロンをかけても大丈夫?メリットやシワが取れるかけ方をご紹介

スーツにアイロンをかけても大丈夫?メリットやシワが取れるかけ方をご紹介

お手入れ

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スーツにアイロンがけをおこなうと、シワなく清潔な状態で着こなせます。しかし、中にはスーツにアイロンをかけることに対し、抵抗がある人もいるのではないでしょうか。
今回は、スーツにアイロンをかけるメリットをはじめ、スーツのアイロンのかけ方、きれいに保つポイントをご紹介します。
ポイントを押さえ、手順どおりに進めていくと、スムーズにアイロンがけが可能です。アイロンがけが苦手な人や、時間がない人向けにおすすめの方法も解説しますので、ぜひ参考にしてください。

スーツにアイロンをかけるメリット

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家庭用アイロンをスーツに使用しても大丈夫なのか、気になる方もいるかもしれませんが、問題ありません。むしろ、アイロンがけをするメリットがたくさんあります。

見た目の印象を良くしたい、あるいはスーツをきれいに長持ちさせたい人は、アイロンがけのメリットを押さえておきましょう。主なメリットは、以下のとおりです。

スマートな印象を与える

スーツにアイロンをかけることにより、シワや型崩れを防止できるため、スーツをきれいかつスマートに着こなせます。アイロンがかかったシワのないスーツは、どんなシーンでも好印象です。

反対に、シワが入ったスーツを着用していると、だらしない印象を与えてしまいます。見た目の印象は、商談や冠婚葬祭などの場面で特に重要となるため、定期的にアイロンをかけて、清潔感を保った状態にキープしましょう。

クリーニングにかかる時間や費用を減らせる

定期的にアイロンがけをすると、きれいな状態を保てることから、クリーニングにかかる時間や費用を減らせます。毎回スーツをクリーニングに出すと、費用面で負担がかかるため、自宅でできるメンテナンスがおすすめです。

日常的なスーツのメンテナンスは、自宅でアイロンがけを行い、汚れがひどい場合は、クリーニング店に任せるなど、スーツの状態に応じて使い分けるとよいでしょう。

菌予防や害虫予防が期待できる

アイロンの熱は、雑菌や虫食いなどのトラブルを防ぐ効果に期待できます。スーツの消臭ができたり、虫による穴あきなどを防げたりできることは、アイロンがけの大きなメリットです。

アイロンをかけるだけで、見た目の印象をアップさせるのみならず、スーツを清潔かつ良好な状態に保てることが可能です。そのため、スーツを長持ちさせたいならば、アイロンがけをしっかりと行いましょう。

スーツの耐久性をアップできる

スーツを長く着用すると、生地にヨレなどのトラブルがどうしても生じてしまいます。しかし、アイロンで定期的なケアをする事で、きれいな状態を長くキープでき、結果的にスーツを長く着用することに繋がります。

また、アイロンがけを行うと、スーツの状態を細かくチェックできるため、糸のほつれや汚れなどの修繕点にも気づけます。着用してからスーツの不具合に気づいた場合、慌ててしまったり、出先で応急処置ができなかったりするかもしれませんが。しかし、アイロンがけと同時に状態を確認する流れができていると、事前にメンテナンスができて、いつでもきれいなスーツを着用することが可能です。

スーツのアイロンのかけ方

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スーツにアイロンをかけるときは、シワがなくなるよう、布を引っ張るのがおすすめです。また、生地を傷めないためにも、温度を適度に調整し、あて布を使うようにしましょう。

さらに、アイロンがけのポイントは、新たなシワが入らないよう、少しずつ丁寧に優しく布へ押し当てることです。センタープレスなど、元々入っている折り目に合わせて行ってください。

ジャケットのアイロンのかけ方

ジャケットにアイロンをかけるときは、襟・袖・背中に分け、それぞれの場所に適した方法を実践します。生地を傷めないよう、あて布の上から優しく押し当てるのがポイントです。

部位ごとのアイロンのかけ方は、以下のとおりです。

・ 襟
  • 1 襟を起こした状態でアイロンをかける
  • 2 襟を返して折り目に沿ってアイロンをかける
  • 3 襟を折り返して形を整える

スーツの襟の下部分は「ラペル」と呼ばれ、スーツの印象を大きく左右します。そのため、ラペルが潰れてきたらアイロンをかけるタイミングです。

まずは、平らな状態になるように襟を整え、襟を起こした状態でアイロンをかけます。このとき、裏側からアイロンをかけるのがポイントです。また、芯地を引っ張った状態でアイロンがけをおこなうと、よりシワが伸びます。

次に、肩の線からおよそ20㎝辺りまで折り目をつけ、アイロンをかけ終わったらすぐに形を整えましょう。アイロンの熱が残っているときに形を整えると、形が安定しやすくなります。

襟の立体感をキープするためにも、アイロンを優しく押し当てるようにしましょう。

・ 袖
  • 1 シワを伸ばすように袖を下方向へ引き伸ばしながらアイロンをかける
  • 2 スチームを使って優しい力を意識してアイロンをかける

袖部分は汗をかきやすく、シワが入りやすい部分のため、しっかりとシワを伸ばすイメージで、下方向へシワを引き伸ばしながらアイロンをかけます。また、シワ伸ばしにはスチームが有効なので、たっぷりとスチームを当てるときれいな状態に戻ります。

・ 背中・前頃
  • 1 背中側は中央から外側に向かってアイロンをかける
  • 2 前見頃は左右片面ずつ優しく押し当てるイメージでアイロンをかける

背中側は、椅子の背もたれなどにより、横方向へシワが入りやすいです。しかし、裾を下側に引っ張った状態で、中央から外側にシワを伸ばすイメージでスチームをかけると、シワが取れやすくなります。

前見頃の場合は左右に分け、片面ずつアイロンがけを行います。このとき、縫い目に合わせてアイロンを滑らせてください。

また、ジャケットのボタンにアイロンが直接触れないよう、十分に気を付けましょう。

スラックスのアイロンのかけ方

スラックスでは、シワ伸ばしとセンタープレスを行います。腰回りは汗をかきやすく、椅子に座ったときにシワが入りやすいため、スチームを当てながら、しっかりとシワを伸ばしていきます。

生地を傷めないために、スラックスのアイロンがけの際も、あて布を使うようにしましょう。

たっぷりとスチームを当てることで、除菌や消臭効果も得られるため、汗をかきやすい季節や環境では、定期的にアイロンでメンテナンスするようにしましょう。なお、アイロンをかけるときは、前面と後面を分けて片面ずつ行ってください。

スラックスをアイロン台にはかせるようにして置くと、片面ずつアイロンがけがしやすいです。また、前面のファスナーにアイロンが直接触れないよう注意します。

シワが伸ばせたら、センタープレスを行いますが、元の折り目を復活させるように意識します。ほかの場所に折り目がつくと、二重に線が入ったように見えるため、元のセンタープレスが分からなくなる前にアイロンがけをすることが重要です。

また、折り目をしっかり確認した上で、片方ずつアイロンを当てていきます。このときも、スチームを使うと折り目が入りやすいですが、少しずつ押し当てるイメージでアイロンがけしていきます。

なお、一気にアイロンを滑らせると、折り目がずれたり、生地が傷んだりする可能性があるので注意が必要です。

スカートのアイロンのかけ方

スカートにアイロンをかけるときは、裏返した状態で行いますが、このときもあて布を使用してください。そして、上部から下部に向かい、真っ直ぐアイロンを動かしていきます。

アイロンをすべてかけ終えたら表側にし、シワなどの気になる部分がある場合は、あて布をした上から再度アイロンを押し当てます。

スーツにアイロンをかけるときに確認すべきポイント

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スーツにアイロンをかけるときは、確認しておくべきことがあります。場合によっては、スーツの生地を傷めたりシワが上手く伸ばせなかったりすることにもつながるため、ポイントを押さえてから実践しましょう。

あて布を使用する

生地を傷めないためにスーツにアイロンをかけるときは、あて布を使用します。あて布をしない状態でアイロンをかけると、スーツの生地によっては、テカリが目立ったり、生地が伸びて変形したりする可能性があるためです。

あて布は、ハンカチ・ガーゼ・薄手のタオルでもよいですが、おすすめは綿素材の布です。綿は通気性に優れているため、あて布越しでもスーツにスチームをしっかり当てられます。

素材に合った温度調節をする

適しているアイロンの設定温度は、素材によって異なります。そのため、アイロンがけをおこなうスーツの生地に合った温度調整をおこなうようにしましょう。

まずは、持っているスーツがどの素材を用いたものか確認します。スーツの裏側につけられている洗濯表示タグには、使われている素材やアイロンの温度設定などが記されているため、そのタグをチェックします。

素材に適したアイロンの温度は、以下のとおりです。

  • ・ ナイロン・アクリル・ポリエステル:110~130℃(低温)
  • ・ ウール:140~160℃(中温)
  • ・ 綿、麻:180~200℃(高温)

温度の高いほうが低いよりも、しっかりとシワを伸ばせるイメージがあるかもしれませんが、温度が高すぎると生地を傷めてしまいます。また、素材によっても温度設定が大きく異なるため、適切な温度でアイロンがけを行ないましょう。

スチーム機能を使用する

アイロンのスチーム機能を使用すると、シワを伸ばすことができ、よりきれいな仕上がりとなります。アイロンの熱と蒸気を利用することにより、短い時間でより美しいスーツに復活させることも可能です。

スチーム機能には、シワ伸ばしのほかにも、臭いを取り除く効果があるため、スーツに染み付いた嫌な臭いも解消してくれます。汗を多くかいたときや、たばこや飲食店での臭いがついたときは、スチームを使って臭いを除去するのがおすすめです。

なお、アイロンによっては、スチーム量を調整できる製品もあるため、ぜひチェックしてみてください。また、スチーム機能がついていないアイロンの場合は、霧吹きを使ってスーツに直接吹きかけることで代用できます。

風通しのよい場所で乾かす

スチーム機能を使うと、スーツに水分が含まれた状態のため、そのまま保管すると湿気でカビが発生する可能性があります。そのため、スチームアイロンをかけたら、風通しのよい場所へハンガーにかけて、しっかりと乾かした後に収納しましょう。

また、アイロンをかけ終えたスーツやスラックスは、ハンガーにかけて保管しますが、スーツ専用のハンガーをおすすめします。ほかの衣類と異なり、スーツは立体的なつくりなので、本来の形状をキープできる専用ハンガーが好ましい。

また、スラックス専用ハンガーもあるため、ジャケット用と併せてチェックしてみましょう。

スーツをきれいな状態に保つ方法3選

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ここまで、スーツをきれいにキープするアイロンがけの方法をご紹介しましたが、中にはアイロンをかける時間が取れない人もいるでしょう。ここでは、アイロンがけの頻度を減らせるアイテムや、簡単にシワ伸ばしができるグッズ、きれいに保つポイントをご紹介していきます。

アイロンがけが苦手な人は、アイロンがけ以外の選択肢も視野に入れておきましょう。

シワがつきにくい素材のスーツを選ぶ

形態安定加工など、シワがつきにくい素材と加工が施されたスーツは、お手入れの手間が少なく済みます。つまり、アイロンがけをする時間を確保するのが難しい人には、形態安定加工といった機能が付加されたスーツが最適です。

また、アイロンがけを日ごろから行う人でも、シワがつきにくい機能が備わったスーツだと、アイロンがけの頻度を減らせるため、負担が少なくなります。さらに、外出先でもシワを気にせず、アクティブに動き回れるのも、シワがつきにくいスーツのうれしいポイントです。

スーツは長く使うものだからこそ、機能性に優れたものを選ぶとよいでしょう。

霧吹きやアイロン用スプレーを使用する

スチームタイプのアイロンでなくても、霧吹きを吹きかけることにより、スチームと似た効果を得ることができます。アイロンに慣れておらず、熱い蒸気に苦手意識がある人は、霧吹きでスーツを湿らせてアイロンがけするのも一つの手です。

また、市販のシワ伸ばしスプレーを使用すると、スーツのシワをしっかりと伸ばせます。アイロン用シワ伸ばしスプレーは、シワが伸ばせるのみならず、抗菌や防臭機能が備わった商品も販売されています。

数百円から購入できるものも多く、シワを手軽に伸ばせるという点で、スプレーを検討するのもおすすめです。

衣類スチーマーや浴室に干して対応

本格的にアイロンがけするのが苦手な場合は、ハンガーにかけた状態でシワを伸ばせる衣類スチーマーを利用するのも、一つの選択肢です。衣類スチーマーには、コンパクトタイプの商品も多く、短時間でシワ伸ばしができます。

持ち運びがしやすいサイズ感ならば、出張などの外出先でも、手軽にシワ伸ばしが可能です。

また、入浴後の浴室にスーツを干し、蒸気を利用してシワを伸ばす方法もあります。ただし、換気は必須で、長時間干したままだと、かえってカビが発生するため、30分~1時間程度にとどめましょう。

まとめ

スーツを格好よく着こなすには、アイロンがけを行い、シワがない状態にすることが望ましいです。アイロンをかけることにより、期待できるメリットは大きいため、ぜひ実践してみてください。

また、アイロンをかける手間を省きたい人は、本記事でご紹介したシワ取りスプレーや衣類スチーマーなどのアイテムを使うのも一つの手です。さらに、シワがつきにくい加工が施された形態安定加工スーツは、きれいな状態を長くキープできるのでおすすめします。

適切なアイロンがけや、アイテムを活用し、きれいでかっこよくスーツを着こなしていきましょう。