家族だけの法事、服装はどうする?失礼にならない喪服マナーを徹底解説

家族だけの法事、服装はどうする?失礼にならない喪服マナーを徹底解説

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「家族だけの法事だから、そこまでかしこまらなくても…」と思っていませんか。
家族のみの法事であっても、服装のマナーが大きく外れてしまうと場の雰囲気に合わない印象を与えることがあります。
そのため、基本的な服装マナーを押さえておくと安心です。
本記事では、家族だけで行う法事に適した服装を、男性・女性・子ども別に解説していきます。
喪服のコーディネート例から小物のマナー、季節ごとの工夫まで解説しているので、ぜひ最後までご覧ください。

法事の服装とは?

「どのような服装が適切なのか」を知るためには、着用する場がどういった場なのかを理解しなければなりません。

まずは、法事がどのような意味をもって行われるのか解説していきます。

法事とは亡くなった方の冥福を祈って行う一連の行事

法事とは、故人の冥福を祈り、その魂を供養するために行われる仏教的な儀式全般を指す言葉です。

具体的には、僧侶による読経(法要)と、その後の会食(お斎)までを含めた一連の行事を「法事」と呼びます。

法事は、遺族や親しい人々が集まり、故人を偲びながら、仏様の教えに触れる機会ともなります。

法事と法要の違い

「法事」と「法要」は混同されがちですが、厳密には意味が異なります。

「法要」が指すのは、僧侶にお経をあげてもらう、故人を供養するための儀式部分のみです。

一方「法事」は、この「法要」とその後の会食(お斎)までを含めた全体の行事を指します。

「法要」は「法事」の一部と捉えると分かりやすいでしょう。

法事で着用する喪服の種類

法事で着用する服装は「喪服」ですが、これには格式があり、主に「正喪服」「準喪服」「略喪服」の3種類に分けられます。

法事の種類や立場によって適切な喪服が異なりますので、それぞれの特徴を理解しておきましょう。

正喪服

正喪服は、もっとも格式の高い喪服です。

お葬式や告別式において、喪主や三親等までの遺族が着用します。

和装と洋装がありますが、より格式が高いのは和装です。

具体的には、以下のような服装が該当します。

  • 男性の場合:モーニングコート、黒羽二重の染め抜き五つ紋付の羽織袴
  • 女性の場合:ブラックフォーマル(黒のワンピース、アンサンブル、スーツなど)、黒無地に染め抜き五つ紋と黒の帯

準喪服

準喪服は、一般的なお葬式や法事で、喪主・遺族・参列者を問わずもっとも広く着用される喪服です。

一般的に「喪服」と聞いて多くの方がイメージするもので、以下のような服装が該当します。

  • 男性の場合:光沢のない生地のブラックスーツ
  • 女性の場合:ブラックフォーマル(黒のワンピース、アンサンブル、スーツなど)

略喪服

略喪服は、準喪服よりも格式を抑えた服装で、以下のような服装が該当します。

  • 男性の場合:ブラックスーツ、濃紺やチャコールグレーなどのダークスーツ
  • 女性の場合:黒や紺、グレーなどの地味な色のワンピース、アンサンブル、スーツ

施主から「平服で」との案内があった場合は、この略喪服を着用するのが一般的です。

「平服でお越しください」の注意点

法事の案内で「平服でお越しください」と連絡があった場合、これは「普段着でよい」という意味ではありません。

「平服」とは、前述した「略喪服」を指しており、故人への弔意を示すための控えめな服装が求められていると理解するとよいでしょう。

「礼服(準喪服)でなくてもかまいませんが、節度のある服装でお願いします」という、施主側の配慮と捉えましょう。

家族のみで行う法事の服装マナーと具体例【男性編】

ここからは、家族のみで行う法事にふさわしい男性向けの服装について、具体的に解説していきます。

準喪服の具体例

三回忌までの法事や、格式を重んじる場面では準喪服を着用します。

準喪服の具体例は以下のとおりです。

  • スーツ:ブラックスーツ(光沢のない、深い黒色のもの)
  • シャツ:白無地のワイシャツ
  • ネクタイ:黒無地で光沢のないもの
  • 小物:靴、靴下、ベルトはすべて黒で統一

ブラックスーツは以下のコーディネートのように、ビジネススーツの黒とは異なり、礼服用として仕立てられた漆黒のものが正式です。

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ブラックスーツはシングルとダブル、どちらでも問題ありません。

以下はシングルフォーマルスーツのコーディネート事例です。

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略喪服の具体例

七回忌以降の法事や、「平服で」と指定された場合は略喪服を着用します。

準喪服よりも少し幅が広がりますが、あくまで格式が高い場であることを意識し、以下のような服装を選択しましょう。

  • スーツ:ブラックスーツ、濃紺やチャコールグレーなどのスーツ
  • シャツ:白無地のワイシャツ
  • ネクタイ:黒無地のもの
  • 小物:靴、靴下、ベルトはすべて黒で統一

シャツ・ネクタイの選び方

シャツは、白無地のブロード生地で、レギュラーカラーのワイシャツがもっとも落ち着いた印象になり、法事にもよく用いられます。

光沢のある生地や織り柄の入ったもの、ボタンダウンシャツなどはややカジュアルに見えるため、控えめなデザインを選ぶと安心です。

ネクタイは、光沢のない黒無地のものを用意しましょう。

ディンプル(結び目の下のくぼみ)は作らないのが弔事のマナーとされています。

ベルト・靴・靴下の選び方

ベルトは黒色で、バックルがシンプルなデザインのものを選ぶと落ち着いた印象になります。

光沢が強いものやブランドロゴが大きく入ったもの、爬虫類系の型押しなどは華やかな雰囲気になるため、控えめなデザインが安心です。

靴は、黒の内羽根式ストレートチップがもっともフォーマルとされています。

光沢のあるエナメル素材や、金具のついたローファー、スニーカーなどはカジュアルな印象になるため、落ち着いた革靴を選ぶとよいでしょう。

靴下は黒の無地を選び、柄物やワンポイントの刺繍が入ったもの、白色やくるぶし丈の短い靴下などはカジュアルに見えやすいため、シンプルな黒無地を選ぶと安心です。

アクセサリーの注意点

弔事の場では、アクセサリーは基本的に身に着けないのがマナーです。

男性向けの服装で許容されるのは結婚指輪のみです。

腕時計も、ゴールドなどの華美なものや、デジタル表示のカジュアルなものは避け、シンプルなアナログ時計を選ぶのが無難です。

ネクタイピンやカフスボタン、ピアスなども外しておきましょう。

家族のみで行う法事の服装マナーと具体例【女性編】

続いて、女性向けの服装マナーについて解説していきます。

ポイントは、肌の露出を抑え、上品で控えめな装いを心がけることです。

準喪服の具体例

三回忌までの法事では、準喪服であるブラックフォーマルを着用します。

具体的には、黒無地のワンピース、アンサンブル、スーツが基本です。

以下は準喪服のコーディネート例です。

ジャケットも光沢のない、深い黒色の生地のものを選びましょう。

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以下のコーディネート事例は、オールシーズン対応のノーカラージャケットワンピースです。

夏場であっても、露出は避けるのがマナーですので注意しておきましょう。

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略喪服の具体例

七回忌以降や「平服で」と案内があった場合は、略喪服を着用します。

黒や濃紺、ダークグレーといった地味な色のワンピース、アンサンブル、スーツなどを選びましょう。

胸元が大きく開いたデザインは控え、インナーのシャツもダークカラーが基本です。

スカート丈・ストッキングのマナー

スカート丈は、正座をしても膝が隠れる長さがマナーで、膝下5cmからふくらはぎ丈が上品な印象になります。

ストッキングは、黒色の薄手のものを着用するのが基本です。

厚手のタイツはカジュアルな印象を与えるため、30デニール以下の透け感のあるものを選びます。

夏場でも素足は避け、必ずストッキングを着用しましょう。

靴・バッグの注意点

靴は、黒色の布製または光沢のない革製のパンプスが基本です。

ヒールは高すぎない3~5cm程度の太めのものを選び、金具やリボンの装飾がないシンプルなデザインがよいでしょう。

バッグは、黒色の布製で、礼装用の小型ハンドバッグがもっともおすすめです。

光沢のあるエナメル素材や、殺生を連想させる動物の革(クロコダイルなど)、大きなブランドロゴが入ったものは避けるのがマナーです。

ヘアスタイル・アクセサリーの許容範囲

ヘアスタイルは、お辞儀をしたときに髪が顔にかからないように、黒のヘアゴムやシンプルなバレッタ、ヘアピンなどを使ってすっきりとまとめましょう。

メイクは控えめなナチュラルメイクを意識し、派手な色みやラメの強いコスメは、華やかな印象になりやすいため控えておくと安心です。

アクセサリーは、結婚指輪以外は外しますが、唯一許されるのがパールのアクセサリーです。

白か黒の一連のパールネックレスや、一粒タイプのイヤリング(ピアス)であれば着用できます。

一方で、二連や三連のネックレスは「不幸が重なる」といった意味合いを連想させることがあるため、シンプルな一連を選ぶとよいでしょう。

家族のみで行う法事の服装マナーと具体例【子ども編】

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子どもの服装は、大人のように厳格なマナーはありませんが、学校の制服があるか、ないかで対応が異なります。

故人への敬意を示す気持ちを大切に、清潔感のある服装を心がけましょう。

乳幼児の具体例

乳幼児の場合は、手持ちの服でできるだけ地味な色合いのものを選んであげましょう。

黒や白、紺、グレー、ベージュといった落ち着いた色が基本です。

キャラクターが大きくプリントされた服や、フリルなどの飾りがたくさんついた華美な服、赤やピンクといった鮮やかな色の服は避けるのが無難です。

制服がある場合

幼稚園や小・中・高校に通っており、制服がある場合は、その制服が正式な礼装となります。

仮に、制服が明るい色であっても問題ありません。

靴は、黒や紺のシンプルなものがおすすめです。

派手な色のスニーカーや、光るもの、音がするものは避け、落ち着いたデザインの靴を選ぶと安心です。

制服がない場合

男の子は、白いシャツに、黒や紺、グレーの長ズボンが基本です。

ダークカラーのブレザーやカーディガン、ベストなどを羽織ると、より上品な印象になります。

女の子は、白いブラウスに、黒や紺、グレーのスカートやワンピースを合わせます。

靴は、黒のローファーやシンプルなスニーカーを選びましょう。

法要の種類別で見る服装マナーの目安

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法事は、故人が亡くなってからの期間によって、ふさわしい服装の格式が少しずつ変わっていきます。

代表的な法事ごとに、一般的な目安を解説していきますので、参考にしてみてください。

初七日の服装マナー

初七日は、故人が亡くなってから7日目に行う最初の法要です。

最近では、葬儀・告別式当日に繰り上げて行う「繰り上げ初七日」も増えています。

故人が亡くなってから日が浅いため、家族だけで行うとしても準喪服を着用するのがマナーです。

四十九日の服装マナー

四十九日は、故人の魂の行き先が決まる節目とされ、忌明け(きあけ)とも呼ばれます。

遺族は正喪服または準喪服を着用するのがマナーです。

四十九日に参列する場合は、遺族よりも格式を下げるため準喪服を着用します。

百箇日の服装マナー

百箇日は、故人が亡くなってから100日目に行う法要で、「卒哭忌(そっこくき)」とも呼ばれ、泣き悲しむ日々から卒業する日とされています。

この法要までは、準喪服を着用するのが一般的ですが、施主の意向により略喪服でもよいとされるケースもあります。

一周忌の服装マナー

一周忌は、故人が亡くなってから満1年目に行われる法要で、年忌法要の中でも特に重んじられます。

遺族・参列者ともに、準喪服を着用するのが基本的なマナーです。

三回忌の服装マナー

三回忌は、故人が亡くなってから満2年目に行われる法要で、服装は準喪服を着用するのがマナーです。

施主から「平服で」と案内があれば、略喪服(ブラックスーツや地味な色のワンピースなど)で参列します。

七回忌・十三回忌・十七回忌の服装マナー

七回忌以降の年忌法要は、規模を縮小して家族やごく近しい親族のみで営まれることが多くなります。

服装は略喪服(平服)が一般的です。

カジュアルな服装は避け、ダークカラーを基調とした落ち着いた装いを心がけましょう。

季節・天候別の工夫

季節や天候に合わせた服装の工夫を知っておくことで、当日も快適に、かつマナーを守って過ごせます。

法事は季節を問わず行われますので、以下のポイントだけでも押さえておきましょう。

夏の家族法事

夏の法事であっても、暑さに関わらず肌の露出は控えめにし、落ち着いた装いを意識すると安心です。

対策としては、通気性や吸湿速乾性に優れた夏用の喪服を選ぶとよいでしょう。

夏用の礼服は、裏地が少なかったり、涼しい素材で作られていたりします。

ジャケットを脱いでいてもかまいませんが、法要が始まる前には必ず着用するのがマナーです。

冬の家族法事

冬の法事では、寒さ対策が欠かせません。

コートを着用する場合は、黒や紺、グレーなどのダークカラーで、シンプルなデザインのものを選びます。

会場に入る前に脱ぎ、裏側を表にしてたたんで腕にかけておくのがマナーです。

マフラーや手袋も、コートと同様にダークカラーでシンプルなものを選びましょう。

殺生を連想させる毛皮(ファー)やアニマル柄のもの、音の出るナイロン素材は控えると安心です。

雨の日の家族法事

革靴はぬれると傷みやすいため、撥水加工が施されたものや、悪天候用のフォーマルな靴があると便利です。

長靴の場合は、会場前で革靴に履き替える必要があるので注意しましょう。

傘は黒の無地が基本ですが、用意できない場合は透明のビニール傘でもかまいません。

ぬれた服や手、カバンなどを拭くためのタオルや、替えのストッキング・靴下を用意しておくと安心です。

まとめ

家族のみで行う法事の服装は、三回忌までは「準喪服」、七回忌以降は「略喪服(平服)」が基本的な目安です。

案内状に「平服で」と記載があったり、服装に迷ったりした際は、自己判断せずに施主や年長の親族に直接確認することをおすすめします。

お互いに気持ちよく故人を供養できるよう、マナーを守りつつ、状況に応じた適切な服装で法事に臨みましょう。