秋に新たなキャリアを迎える女性のスタートダッシュに!上司・先輩の本音にみる信頼される印象のつくり方とは?

約8割の女性が「第一印象が良いと信頼できる」と回答!
秋に新たなキャリアを迎える女性のスタートダッシュに!
上司・先輩の本音にみる"信頼される印象"のつくり方とは?

2025.09.25

  • ファッション

春に限らず、キャリアをスタートさせる人が増える今、現在の職場で新しい女性メンバーを受け入れた経験のある20〜50代の働く女性を対象に「職場における第一印象に関する意識調査」を実施しました。第一印象が仕事に与える影響や、評価のポイントを明らかにします! また、イメージコンサルタント・近藤なつこさんよりイメージアップのためのアドバイスも伝授。新しい環境において、さらなる活躍を目指す女性に向けた「信頼される印象のつくり方」のヒントをご紹介します。

約8割が実感!「第一印象が良い人は、信頼できる人」

新しい環境や新たなメンバーで仕事をするのは、新入社員にとっても受け入れる側にとっても緊張するもの。#ジャケジョの皆さんの中にも、この秋、キャリアをリスタートさせるもいらっしゃるかもしれませんね。そこで、新しい環境で互いに信頼を得るべく、「職場における第一印象」についてアンケートを行いました。

「新しいメンバーの第一印象が良かった時に、『この人は信頼できる』と感じたことがあるか」を尋ねたところ、全体の約8割の女性が「ある」と回答しました。「第一印象が良い=信頼されやすい」という構図が、実際の職場環境においても広く実感されていることがわかります。

また、「第一印象は、仕事をしていく上で影響するか」についても尋ねたところ、約7割の女性が「影響する(72.7%)」と回答。やはり、職場における第一印象が、円滑なコミュニケーションや信頼関係の構築に大きな影響を及ぼしているようです。

約8割が実感!「第一印象が良い人は、信頼できる人」

約8割が実感!「第一印象が良い人は、信頼できる人」

約6割が回答「春以外にも、新メンバーを迎え入れることが増えた!」

「春以外にも、新しいメンバーを迎えることが増えたか」という質問に対し、56.9%の女性が「はい」と回答しました。職場のジョブローテーションや採用・異動のタイミングが多様化し、通年採用やキャリア採用・転職市場も活発化が進んでいます。そんな「4月=新入社員・新年度スタート」という概念が当たり前でなくなっている実態が浮かび上がりました。

また、全体の約6割以上が「服装を通じて、この人は職場に馴染めそう・信頼できそうかを判断できる(65.4%)」と回答しており、ビジネスシーンでの装いがその人の印象や信頼感に大きく影響していることもうかがえますね。

約6割が回答「春以外にも、新メンバーを迎え入れることが増えた!」

約6割が回答「春以外にも、新メンバーを迎え入れることが増えた!」

「雰囲気」「表情」「言葉遣い」が第一印象の決め手!
「清潔感の欠如」は信頼感を損なう原因に

では、新しいメンバーを迎え入れる際、はたして何が第一印象の決め手になっているのかを聞いてみました。最も多く挙げられた回答は、「雰囲気」で約半数である50.1%が回答しました。続いて「表情(44.5%)」、「言葉遣い(38.5%)」、「清潔感(30.1%)」、「服装(26.6%)」という結果に。その人の見た目や立ち居振る舞いといった、"非言語コミュニケーション"が上位を占め、第一印象を左右していることがわかります。

一方、ネガティブな印象を与えてしまう要因としては、第一位が「清潔感が欠けている(43.1%)」、第二位が「リアクションが無愛想(42.1%)」、第三位が「服装がだらしない(41.9%)」という結果に。受け入れる側は、新しいメンバーの"外見そのもの"というよりも、"その人らしさがにじみ出る行動や装い"を通じて、第一印象を形成していることが分かります。

「雰囲気」「表情」「言葉遣い」が第一印象の決め手!

「雰囲気」「表情」「言葉遣い」が第一印象の決め手!

信頼を左右するカギは「TPO」と「清潔感」

新しいメンバーが身につける服装に対して、ネガティブな印象を持ってしまうときの理由について聞いてみたところ、第一位が「場に合わない雰囲気(45.2%)」、第二位が「露出が多すぎる(39.4%)」、第三位が「シワや汚れがある(34.7%)」)と続きました。また、ビジネスシーンで初めて会う人の服装が第一印象に与える影響についても尋ねたところ、第一位が「TPOに合っているか(51.3%)」、第二位が「清潔感があるか(50.2%)」がともに過半数を占めました。つまり、服装そのもののデザインや流行よりも、服装が"場にふさわしいかどうか"と"清潔で整っているか"が、職場における信頼獲得において極めて重要であるというわけです。

服のお手入れや、場に応じた装いが、第一印象の形成に直結していることがよくわかりますね。特に新しい環境では、自分らしさの表現よりも"職場での信頼形成"という視点での服装選びが、円滑な人間関係の第一歩となる可能性が高いと言えるでしょう。

信頼を左右するカギは「TPO」と「清潔感」

信頼を左右するカギは「TPO」と「清潔感」

第一印象で信頼される服装とは?
約6割強が「シンプルさ」と「サイズ感」を重視

信頼される第一印象を左右する服装についても調査したところ、最も多かったのは「シンプルで無駄のないデザイン(37.5%)」、次いで「その人の体に合ったサイズ感(27.4%)」という結果に。この2つで全体の約65%を占めており、奇をてらわず、自分にフィットした装いが初対面の人に対して、安心感や信頼感を与えることが明らかになりました。

一方、「トレンドを取り入れたデザイン(6.1%)」や「個性的なデザイン(5.6%)」といったファッション性の高い選択肢は、それぞれ10%未満にとどまりました。服装を通した"自己表現"よりも、"安心感や誠実さ"を感じさせる装いが好まれる傾向がうかがえますね。

第一印象で信頼される服装とは?

イメージコンサルタント・近藤なつこさんに聞く
好感度の高い「はじめまして」の作り方!

ビジネスシーンでは、季節を問わず「はじめまして」のシーンが増えています。そして、第一印象がその後の信頼関係を大きく左右することが分かりました。では、信頼される装いはどのように作ることができるのでしょうか。

そこで今回、当ジャケジョ研究所の調査でも明らかになった「TPO」と「清潔感」をキーワードに、専門的な視点から「信頼される装い」の作り方を解説してもらいます! 教えてくださるのは、当研究員特任研究員であり、イメージコンサルタントの近藤なつこさん。

まずは近藤なつこさんのご紹介から。

近藤なつこさん

ジャケジョ研究所 特任研究員 近藤なつこ

2015年よりイメージコンサルタントとして活動。企業研修やイベント・セミナーを通じて、「第一印象の整え方」や 「自分の魅力の活かし方」「骨格診断・パーソナルカラーの活用法」などを中心に伝えている。これまでの指導・アドバイス実績はのべ8000名以上。講師として伝える活動を通して、お一人おひとりが望むライフスタイルを生きるためのサポートをしている。

【第一印象は2〜7秒で決まるのはなぜ?】

―新しい環境での第一印象は、なぜこれほどまでに重視されるのでしょうか?

第一印象がどのくらいのスピードで決まるかというと、相手の視界に入って2~7秒くらいと言われています。名刺交換や挨拶の時点で、すでに相手にとって自分の印象は固まっていると言っても過言ではありません。この数秒で決まるのは、相手に対する「ポジティブ/ネガティブ」「快/不快」といった感情です。これは人間が動物として持つ防衛本能に由来し、理屈ではコントロールできません。そして、一度感覚的に受け取った印象は非常に強く残り、ほぼ半永久的に忘れないと言われています。

特に服装は「一番外側の内面」を表す要素であり、自分をどう見せたいかを表現する有効な手段です。なかでも第一印象の多くは視覚情報から生まれるため、最初の数秒で目に入る服装は、相手に与える印象に極めて大きな影響を与えます。

【第一印象の良さがもたらす「寛容効果」】

―第一印象が良い場合、その後の関係性にどのようなメリットをもたらしますか?

第一印象が良いと、その後のやり取りが好意的に受け取られやすくなります。たとえば、少し失敗をしたり、言葉の遣い方に問題があるような場合も、「きっと何か理由があるのだろう」「この人なら大丈夫」とポジティブに解釈してもらいやすいという利点があります。結果として、相手との信頼関係の構築がスムーズになるという良い側面が。

一方、ネガティブな印象から始まると挽回は非常に困難であり、「信頼できる存在」であることコツコツ蓄積していかない限り、リカバリーはとても難しいとされています。

【信頼への第一歩は、相手の期待値を超えること?】

―近藤さんが考える「信頼感」とは、どのような印象ですか?

1つ目は、相手に「この人ならお任せして大丈夫」と認識されること。私の場合は、イメージコンサルタントとして「この人から面白い話が聞けそうだな」と期待してもらえるかどうかです。というのも、人は無意識に「こういう話が聞けるはず」という期待値を持っています。期待値通りだと"普通"で、下回ると"ガッカリ"するという具合です。逆に期待値を超えてくると、小さな感動が生まれ、関係が前に進んだりしますよね。だからこそ私は、お会いする方の環境や大切にしていることを想定したり、お相手がどんな想定をしてくださっているのかを考えています。

2つ目は「親しみやすさ」です。威厳やプロ意識が強い印象も重要ですが、まずはリラックスして話を聞いてもらえる距離感を重視しています。私自身、顔や体の印象がややシャープで、親しみやすさが出にくいタイプと自覚しているので、服装や表情で「話しかけやすい/緊張しない」印象や空気感を意図的に作るよう心がけています。

【現代における「信頼される3つの条件」とは?】

―信頼感を醸成する要素として、今の時代ならではの観点はありますか?

20年ほど前までは「清潔感・上品さ・控えめ」といった印象が重視されていましたが、現在は「清潔感・機能性・調和」へと変化しています。「機能性」とは、職場や業務に無理なく調和すること。例えば"一日中動き回る職場でピンヒールを履くことが、はたして機能的かという視点です。そして「調和」は、職場や職種とその人"らしさ"との一致です。時代と共に、見た目の美しさだけでは判断されなくなっており、自分らしさと働きやすさが備わってこそ、現代の「信頼される印象」につながります。

また、現代において意識すると印象に差がつくのは「姿勢」です。スマートフォンやPCの長時間利用で「巻き肩」や「首が前に出る」姿勢が常態化している方が非常に多い印象です。本来、ジャケットを着ることで姿勢の良さが際立つものですが、姿勢が悪いとせっかくのジャケット姿も、美しいラインが出ずにだらしなく見えてしまいます。ビジネスシーンで着用機会の多いだけに、それではもったいないですよね。胸を開き、顎は上げすぎず引きすぎず、"床と平行"を意識するだけで、清潔感と自己管理力が伝わり、意図せぬネガティブな印象を防ぐことができます。姿勢を意識するだけで印象が変わります。

【「自分らしさ」と「信頼感」を両立する考え方】

―「自分らしさ」と相手から求められる「信頼感」を両立することは可能でしょうか?

両立はできると思います。まずは、自分らしさを表現できる環境を選ぶことが大切です。そんな場所であれば、個性が説得力となり信頼に繋がるのではと思います。

自分らしくいられないと不要な我慢をしたり、精神衛生面にも影響します。逆に、自分らしさを表現できている方は笑顔の時間も長いと思いますし、自分で自分をご機嫌にできると一緒にいる方にも笑顔が広がっていきますよね。そして、相手のことを受け入れたり、肯定的に感じることができる方も非常に多いです。精神的に安定していたりポジティブな気持ちの人とお仕事をすると、周りの方にも非常にいい影響を与えるので、そういった意味でもこの2つを両立させるというのは、大切なことでもあると思います。

服装選びのポイントとしては、ベーシックな服を取り入れることが有効です。

どんな人にも信頼感という土台を与えてくれて、インナーやアクセサリー、小物で自分らしさを加えることができる。つまり、自分を表現することにおいて最高のキャンパスになってくれます。信頼という基盤があるからこそ、個性はより魅力的に輝きます。AOKIさんの服はベーシックなものも多く、その両立を見事に可能にしてくれる存在だと思います。

【なりたい姿を描くための第一歩は"客観視"】

―自分がなりたい姿が曖昧で、何から始めればいいか分からない場合はどうしたらいいでしょうか?

まずは、客観的に自分を知ることがおすすめです。信頼できる友人などに、あなたの第一印象を尋ねてみましょう。「他人から見える自分」を把握すると、整えるべき点が明確になります。さらに効果的なのは、挨拶から自己紹介までの一連の流れをビデオで撮影してみること。少し抵抗を感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、姿勢・表情・話す速度・語尾の癖など、自分では気づかなかった多くの改善点を発見できるはずです。

【清潔と清潔感は別物と考える】

―清潔感や品の良さは、どのような工夫で伝わるのでしょうか?

清潔感で大切なのは、「自分が清潔」かどうかではなく、「相手が清潔そうと感じる」かどうかです。例えば、少し黄ばんでしまった白いシャツは、洗濯して清潔な状態であっても「清潔感」は伝わりにくいですよね。常に「相手からどう見えるか」という視点を持ち、こまめなメンテナンスと適切なタイミングでの新調を心がけましょう。

髪型やメイクも同様に、独りよがりな「おしゃれ」になっていないか、客観的に見直すことが、相手に届く清潔感につながります。

【人間関係は「思いやり」で育まれる】

―最後に、これから新しいキャリアをスタートする方へメッセージを。

どうしたら「自分の良さが相手に伝わるか」「相手と気持ちよく過ごせるか」を考える、「思いやり」の視点が大切だと感じます。

じつはマナー(manner)の語源を遡ると、ラテン語 manus=手。フランス語 manière=流儀・作法 を経て、「ふるまい」を意味するようになったと言われています。つまりマナーとは、相手への思いやりを"手"と"行動・言葉・装い"で伝わる形にすること。伝わってはじめて意味を持ちます。困っている人に手を差し伸べるように、相手への思いやりを行動や言葉、そして服装で表現することがマナーの本質です。

自分らしさと相手への思いやり。その2つが重なる点を見つけて装いを選ぶことができれば、きっとお互いにとって、心地よい関係性を築いていけるはずです。

―近藤なつこさん、ありがとうございました!

今回の調査により、第一印象は一瞬で決まるということ、そして第一印象が仕事を円滑に進めるためにとても重要だということが明らかになりました。常に「相手からどう見えるか」「相手が気持ちよく過ごせるか」という視点を持ち、手入れの行き届いた清潔感のある服を着ることが、第一印象で信頼を勝ち得るための絶対条件。信頼の土台となる、ジャケットやスーツなどベーシックな服をぜひ見直してみてください。この秋、キャリアをリスタートさせる方も、新しい人を受け入れる方も「自分の第一印象」をぜひ客観的な視点で見つめ直してみましょう。きっと自分らしさと相手への思いやりが重なる装いが見つかると思います。

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