「冬の防寒対策実態調査2026」を発表!約2人に1人の女性が「冬バテ」を経験​

自律神経研究の第一人者・小林弘幸氏に聞く、冬バテ対策の新常識
冬バテの正体や新たな対策方法「引き算の防寒」とは?

2026.01.22

  • ファッション

本格的な寒さを迎えるシーズンを控え、働く女性の"防寒対策"に関する実態調査を実施しました。その結果、約2人に1人が冬特有の不調「冬バテ」を経験し、8割以上が仕事のパフォーマンス低下を懸念していることが明らかになりました。そこで、自律神経研究の第一人者である医師・小林弘幸先生を迎え、冬に起こりうる自律神経の乱れに対する新たな対策「引き算の防寒」と、環境省が推奨する室温20℃で快適で働きやすい冬のライフスタイル「ウォームビズ(WARM BIZ)」との親和性を紐解きます。冬のビジネスシーンを、より快適かつ健康に過ごすためのヒントとして、調査結果と専門家知見の双方から、"冬バテ対策"を提言します!

働く女性の約2人に1人、冬特有の不調「冬バテ」を経験

体のだるさや気分の落ち込みなど、"なんとなく調子が出ない"状態を指す心身の不調「冬バテ」についてたずねたところ、47.1%と約半数の女性が「経験がある」と回答しました。女性の約半数が冬場に本調子ではない状態、いわゆる未病を感じており、働く女性にとって冬バテは避けて通れない身近な課題であることが分かりました。

働く女性の約2人に1人、冬特有の不調「冬バテ」を経験

「冬バテ」は個人の問題だけでない!
8割以上が懸念する「生産性低下」のリスク

夏バテならぬ「冬バテ」。まだまだ聞きなれない言葉ではありますが、寒い時期に"なんとなく調子が出ない"状態と聞いて、思いあたる方も多いかもしれませんね。

"冬バテ"の、働く女性の仕事への影響について調査したところ、「⼼⾝の不調(冬バテ)により、仕事のパフォーマンス(生産性・集中力)が落ちると思うか」という質問には、「とてもそう思う(28.6%)」「ややそう思う(57.1%)」と、合わせて85.7%にもなり、多くの女性が冬バテによる業務効率の低下を懸念している実態が明らかになりました。「集中力が続かない」「ミスが増える」など冬の不調が業務に影響する可能性も考えられますね。

冬バテの具体的な症状としては、第一位が「朝起きづらい(36.9%)」、続いて「疲れが取れにくい(36.8%)」、「血行が悪いと感じる(35.8%)」という結果に。このような心身の状態は、始業時のエンジンのかかりにくさや、午後の集中力低下につながる可能性があります。冬バテ対策は、働く人のパフォーマンスを維持する上でも大事なポイントといえそうです。

「冬バテ」は個人の問題だけでない!

「冬バテ」は個人の問題だけでない!

王道の防寒対策「重ね着」が「冬バテ」を加速させている!?

「仕事中の防寒対策」についてたずねたところ、「インナーや重ね着で調整する(49.3%)」が約半数を占め、依然として「重ね着」が防寒対策の主流です。

その一方で、「冬のファッションで困ること、ストレスに感じること」の第1位に「衣服の重さや動きづらさ(37.1%)」がランクイン。寒さを防ぐために服を重ねた結果、その「重さ」が肩こりや疲れを引き起こし、さらに「動きにくさ」が服装ストレスになるという「防寒のジレンマ」が発生しているようです。「防寒=着込む、重ね着をする」というこれまでの常識が、冬バテの一因となっている可能性も考えられます。

王道の防寒対策「重ね着」が「冬バテ」を加速させている!?

王道の防寒対策「重ね着」が「冬バテ」を加速させている!?

今、働く女性の約6割が実践する「ウォームビズ」
目的は環境対策から"健康対策"へ

防寒対策=「重ね着」を実践している人が多いとわかったところで、オフィスの室温設定等に関わる「ウォームビズ」への意識と、そこにおける衣服の役割に注目してみましょう。環境省が提唱するウォームビズとは、地球温暖化対策として暖房などに頼りすぎず、暖房時の室温を20℃目安で快適に過ごすライフスタイルのこと。このウォームビズについて質問したところ、約6割にあたる61.5%の人が「ウォームビズを実践している」と回答しました。

特筆すべきは、その実践理由! ウォームビズの本来の目的である「地球温暖化防止(13.2%)」や昨今の物価上昇を受けて「電気代の節約(32.2%)」がトップになると思いきや、第一位は「服装を暖かくして体調不良を防ぐため(41.0%)」となりました。この結果から、働く女性たちは過度な暖房を控えた環境=ウォームビズを、「エコ」という観点だけでなく「自分の体を守るための健康的な環境」として捉え直し、その体調管理の主役は「衣服」であると認識していることが分かります。

今、働く女性の約6割が実践する「ウォームビズ」

今、働く女性の約6割が実践する「ウォームビズ」

快適に働くために冬服に求める新基準は
「疲れない軽さ」「厚着せずとも暖かい」「温度変化に合わせて脱ぎ着しやすい」

冬バテ対策として「衣服での対策も必要だと思うか」を聞いたところ、約9割にあたる87.4%の女性が「必要」と回答しました。

では、快適に働くために、冬服にはどのような条件が求められているのでしょうか。調査の結果上位に挙がったのは、第一位が「軽くて動きやすく長時間着ていても疲れない(33.5%)」 、続いて「厚着せず暖かい(31.1%)」。また、「温度変化に合わせて簡単に調整できること(25.8%)」と着脱のしやすさも約4人に1人が重視しており、防寒に関して、単に暖かさを重ねることよりも、体調や環境に応じて無理なくコントロールできることが重要視されていることが分かります。

これは、脱ぐことのできない「固定的な厚着」から、カーディガンやジャケット等の状況に合わせて着脱・調整ができる可変的なスタイルへのニーズが高まっていることがうかがえます。防寒は今、「保温性」だけでなく「軽さ」と「調整力」を兼ね備えた、疲労やストレスを生まないための装備として捉えられていると言えそうです。

「疲れない軽さ」「厚着せずとも暖かい」「温度変化に合わせて脱ぎ着しやすい」

「疲れない軽さ」「厚着せずとも暖かい」「温度変化に合わせて脱ぎ着しやすい」

自律神経研究の第一人者・小林弘幸先生が解説!
「冬バテ」対策の新常識
着込みすぎない"引き算の防寒"が⾃律神経と体調を守るカギ!

「冬の防寒対策実態調査2026」の締めくくりとして、順天堂大学医学部教授で自律神経研究の第一人者・小林弘幸氏をお迎えし、調査結果を医学的視点から分析していただきます!

冬バテ対策に、"引き算の防寒"が有効的であることに加え、環境対策であるはずの「ウォームビズ」が、働く女性の間で"健康を目的とした選択"として定着している点にも着目。なぜウォームビズ環境が医学的にも自律神経を守るカギとなるのか、そのメカニズムと解決策も紐解きます!

では、改めて小林弘幸先生のご紹介を。

自律神経研究の第一人者・小林弘幸先生が解説!

順天堂大学医学部教授

小林弘幸先生

1960年生まれ。順天堂大学大学院医学研究科・医学部教授。

1987年順天堂大学医学部卒業。専門はスポーツ医学、危機管理学、自律神経、腸内環境。日本スポーツ協会公認スポーツドクター。

国内で初の便秘外来を開設した腸のスペシャリストであり、また同時に自律神経研究の第一人者として、スポーツ選手、アーティスト、文化人へのコンディショニング、パフォーマンス向上指導に関わる。

著書・メディア出演多数。YouTubeチャンネル「ドクター小林弘幸の健康のカルテ」で健康情報を発信している。

【"冬バテ"の正体は、寒暖差とストレスによる「血流障害」】

―約2人に1人が感じている「冬バテ」。医学的にはどのような状態なのでしょうか?

現代人の自律神経の状況は、5年前とは少し質が違います。コロナ禍の3年間で蓄積されたストレスにより、現代人の自律神経のバランスはベースラインが乱れてしまっています。人間が受けたストレスの影響が抜けるには、受けた期間の倍の時間がかかると言われています。つまり、私たちはまだ回復の途上にあり、全員が自律神経の乱れやすい状態にあるのです。ベースの状態が悪いところに、ここ数年の季節の変わり目の激しい「寒暖差」と、生活リズムが乱れがちな、年末年始の「環境変化」のストレスが加わることで、今まで感じたことのない冬バテに直面してしまいます。

それでは「バテ」とは何なのかというと、医学的には「血流障害」のことです。私たちの体には37兆個の細胞がありますが、健康やパフォーマンスというのは、この細胞の一つひとつにどれだけ「質の良い血液」を流すことが出来るかが勝負なのです。

その血流をコントロールしているのが自律神経で、全臓器、全血流をコントロールする「ライフライン」なのです。これが乱れれば当然、血流が悪くなり、だるさや倦怠感が現れます。もう一つ、「血液の質」を決めるのが「腸内環境」です。この両輪の軸がしっかりしてないといけないのですが、これは独立しているのではなく、お互いにものすごく関与し合っています。そのため、自律神経が乱れれば腸内環境は悪くなるし、腸内環境が悪くなれば自律神経も乱れてしまいます。

さらに実は、幸福ホルモンと呼ばれるセロトニンやオキシトシンなどは腸でも作られるため、腸の働きが鈍るとその発生も減少し、メンタル面でも「うつ」を引き起こしやすくなるのです。だるさや、倦怠感、やる気のなさなど「なんとなく不調」の背景には、こうした自律神経と腸、そしてメンタルの負の連鎖があることを知っておく必要があります。

【「脱げない重ね着」は、なぜ逆効果? 満員電車は自律神経のパニック状態】

―多くの女性が実践している「着込む防寒」には、どのようなリスクがあるのでしょうか?

冬は夏よりも体調管理が難しい季節です。夏は脱げばいいですが、冬は寒さを防ごうと多くの方が「着込む防寒」を選択します。しかし、これこそが大きなリスク要因です。まず前提として、冬は夏よりも脱水になりやすいのです。夏は汗をかくので水を飲みますが、冬は水を飲まない上に乾燥しているため、知らず知らずのうちに脱水になり、血管が収縮しやすい状態にあります。そのような状態で厚着をして、暖房の効いた満員電車などに乗り「暑い、不快だ、でも脱げない」と感じた瞬間に、自律神経にスイッチが入り、体はあっという間に交感神経が跳ね上がったパニック障害的な状態になってしまいます。

さらに、本当に恐ろしいのは、その後の自律神経の「リバウンド」です。急上昇した交感神経の反動で、会社に着く頃には副交感神経が上がり過ぎてしまい、無気力になったり、動きが鈍くなったりしてしまうのです。一度乱れた自律神経が戻るには約3時間はかかりますから、午前中の仕事のパフォーマンスは壊滅的になりかねません。「脱ぎ着できない厚着」による不快感は、自律神経にとって最大の敵なのです。

【"暖かくする"より、"調整できる"「引き算の防寒」という新しい考え方】

―小林先生が提唱されている「引き算の防寒」について、詳しく教えてください。

「引き算」といっても、ただ薄着をするわけではありません。重要なのは、状況に合わせて脱ぎ着ができる「調整力」を持つということです。 プルオーバーなどは、電車の中で暑くなっても簡単には脱げません。その「脱げない」という不自由さが、焦りやストレスとなって自律神経をさらに乱します。「暑いのにどうにもできない」という状況が一番良くないのです。

一方で、前開きのジャケットやカーディガンならサッと脱ぐことができる。「暑ければ脱げばいい」という選択肢、つまり「余裕」があることが大切なのです。人間は「逃げ道(選択肢)」があるだけで安心し、自律神経が整います。 この「調整できる余裕」こそが、冬の寒暖差から身を守り、パフォーマンスを維持する最大の防御策になるのです。

【室温20℃、実は寒くない?自律神経が乱れにくい、ウォームビズの医学的理由】

―そうした「調整力」を発揮するには、どのような環境が良いのでしょうか?

「ウォームビズの室温20℃は寒い」という声も聞きますが、医学的には非常に理にかなっています。自律神経にとって最大の問題は「外気との温度差」です。外に出れば気温は急激に下がりますが、その温度差が「7℃」を超えると、自律神経は相当乱れると言われています。 室内をガンガンに暖めて薄着で過ごすよりも、あえて室内を「20℃」に抑え、外気との温度差を少しでも縮める。いかにギャップを少なくして、常に春・秋ぐらいの感覚でいられるかが重要です。この20℃という環境こそ、ジャケットなどを羽織って調整するのに最適です。「室温20℃」「調整できる服」。この組み合わせが、冬バテを防ぐ最も賢い選択と言えます。

【疲れの原因は寒さではなかった。自律神経を乱すのは「服の違和感」】

―ジャケジョ研究所調査では、「衣服の重さ」や「動きにくさ」が冬のファッションにおけるストレスの上位でした。これも影響しますか?

もちろんです。自律神経は「違和感」というものにものすごく反応します。例えば、動きにくい服で、動作に引っ掛かりを覚えると、疲れが出て、肩も凝ってしまいます。その時点で自律神経のバランスは悪くなります。冬はただでさえ服が重くなりますが、重くて自由が利かないというのは体にとって大きなストレスです。動きが悪くなると、仕事の効率が悪くなりますし、ミスも起きやすくなります。だからこそ、窮屈な思いをしなくて、自由に動ける「軽さ」や「素材」を選ぶことは、自律神経を乱さないために本当に重要なことなのです。

【一着のジャケットが自信をつくり、呼吸を変え、人生を変える理由。】

―最後に、冬の不調に悩む働く女性へメッセージをお願いします。

毎朝の服選びで「今日は寒いかな、何を着ようか」と迷うこと自体が、ストレスになり自律神経のバランスを乱します。だからこそ、「これなら大丈夫」という迷わない服を持つことをお勧めします。

自信を持って選んだ服を着ることで何が変わるかというと「呼吸」が変わります。ここからは科学の話ですが、自信があるときは呼吸が深くなり、質の良い血液が全身に巡ります。逆に自信がないと呼吸は浅くなり、血流も滞ります。人間は緊張すると自律神経の乱れにより「縮瞳(眼の瞳孔が収縮した状態)」し、視野が狭くなりますが、自信があると視野が広がり、周りが見えるようになります。

これは面接やプレゼンでも同じことが言えます。たかがジャケットと思われるかもしれませんが、シンプルで着心地が良く、自分が自信を持てるジャケットを1着選んでみてください。その1着が、自身をつくり、あなたの呼吸を変え、心身の調子を整え、仕事のパフォーマンスや人生までをも変えていきます。自分にとって心地よい環境は、自分で作ることができます。ぜひ、「引き算」の発想で新しい冬の過ごし方を始めてみてください。

―小林弘幸先生、ありがとうございました!

「冬の防寒対策実態調査2026」により、多くの女性が血流障害=「冬バテ」に悩み、仕事のパフォーマンス低下などを懸念していることが明らかになりました。コロナ禍で蓄積されたストレスに加え、近年顕著な寒暖差や、年末年始の生活リズムの乱れといった「環境変化」のストレスが加わることで、今まで感じたことのない種類の冬バテに。さらに、暖かく過ごすための「脱げない重ね着」による不快感が、心身に負担があることもわかりました。

冬バテから遠ざかるコツは、室温をウォームビズの20℃に保つことで外気温との温度差を減らし、着ていて心地の良い羽織りもので体温調整すること。仕事のときは、シンプルで着心地が良く、自分が自信を持てるジャケットを選ぶことで、呼吸を変え、心身の調子を整え、仕事のパフォーマンスを変えていきます! さあ、今年もジャケットを味方につけて、張り切っていきましょう。

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