AOKIの約束

いつまでも色褪せない深い黒

敬いの心を届ける服、
フォーマルスーツ
日常とは異なる、特別なシーンに寄り添うフォーマルスーツ。
そこには、一般的なスーツとはまた違う価値が求められます。
その場にふさわしい高級感。主役を引き立てる慎ましさ。相手に変わらずの敬いを伝える不変性。
フォーマルスーツには、そんな着る人の"礼の心"をしっかりと映し出す品格が必要不可欠になります。
あらゆる場面で装いのカジュアル化が進む現代。しかし、"人と人の絆"を重んじるシーンに、今でも変わらずフォーマルスーツが選ばれているのはこういった理由からでもあるのです。
人はフォーマルスーツに自身の思いを宿す。
だからこそ、心をつなぐ装いを扱う私たちには、その思いに深く向き合うものづくりが求められます。

求められるのは、
10年経っても変わらない黒
着る人の心を映し出す服、フォーマルスーツ。
そんな唯一無二の価値を背負う一着は、一般的なスーツよりさらに手間暇をかけてつくり出されます。
特に、フォーマルスーツを象徴する"黒"という色は、その色味の深さによって着る人の印象を左右すると言っても過言ではないほど重要な要素。
しかもフォーマルスーツは、毎日のように着るものではありません。
必要なときに、必要な品格を保ったまま着ていける永年的な品質が求められます。
私たちが追求するフォーマルスーツ。それは10年経っても、20年経っても、その品格を失わない"深い深い不変の黒"を宿した一着。
それは、ただ単に生地を染め重ねていくだけでは実現しません。その色を実現するためには、フォーマルスーツを形づくる繊維の一本一本にまで黒さを追求する必要があります。

究極の黒をつくるための、
究極の生地づくり
キャンバスの素材によって絵の印象が変わるように、どれだけ色を塗り重ねても土台となる生地が美しくなければ、私たちが求める深い黒は実現しません。
そこで"糸からつくるAOKI"では、生地のもととなる羊毛一本一本に特別な処理を施す技術を採用しています。
羊毛の表面は「スケール」と呼ばれるうろこのようなものに覆われています。(人間の髪の毛で言うキューティクルのようなものです。)
このスケールがついていると、染料が羊毛の奥まで浸透しません。
なので、私たちは「オフスケール」と呼ばれる加工を施し、表面のうろこを除去。一般的なスーツでは行わない手間をかけることで、フォーマルスーツにふさわしい黒を実現しているのです。


※スケールが付いたままの羊毛と
オフスケール加工をした羊毛の表面。(1000倍に拡大)
また、使用する糸の細さにも特別なこだわりを持っています。
フォーマルスーツには通常のスーツよりも細い糸を使用。糸の細さは「Super」という数値で示されるのですが、この数値が上がるほどに糸は細く高価になります。
※ちなみに、一般的な服の生地は大抵 "Super80's"ほど。"Super100's"を超えると上質と呼ばれます。
※Superの数値が示す線の細さ
Super100's ... 18.5マイクロン
Super110's ... 18.0マイクロン
Super120's ... 17.5マイクロン
Super140's ... 16.5マイクロン
(カシミヤはおおよそ14〜16マイクロン)
私たちのフォーマルスーツはそのほとんどが、
"Super120's〜140's"の生地を使用。これにより、密度の高い黒を実現させることができるのです。
また、使用する糸の形状も「特殊Z撚り(ひねり)」という処理を施すことで、光の反射を抑え、深い黒をより印象づける工夫を凝らしています。

"Super120's〜140's"の生地を使用。これにより、密度の高い黒を実現させることができるのです。
また、使用する糸の形状も「特殊Z撚り(ひねり)」という処理を施すことで、光の反射を抑え、深い黒をより印象づける工夫を凝らしています。


黒という色は、
ひとつではない
AOKIの多くのフォーマルスーツには、"正礼服"というモーニングなどの高級礼服に用いられる「タキシードクロス」という織りを採用しています。 タテ糸とヨコ糸をそれぞれ5本以上使うこの織りにより、緻密で重厚感のある生地に仕上げていくのです。


そして、深い黒を宿すにふさわしい生地が完成したら、いよいよ染色です。
しかし、黒と一言で言っても、その種類は一つではありません。浅い黒もあれば、白茶けた黒もある。様々な黒の中から、どの黒を目指すのか。その基準をしっかりと定めなければなりません。
そこで私たちAOKIでは、黒を4つの厳格な基準で分類。お客様の年齢などに合わせてふさわしい黒を提供できるよう、色合いに幅を持たせた染色を行っています。
4段階に整理されている。


その中でも上位のラインには「ナノブラック加工」という特殊な技術を採用。文字通り、原子レベルで染料を繊維の奥深くへ染み込ませています。
これは技術大国日本の中でも、さらに屈指の技術がなければ実現できない染色方法です。
ナノレベルでの染色。それは"究極"を追い求める、私たちの黒に対する思いの深さの表れでもあるのです。

フォーマルスーツに宿す、
"不変"の品格
どんなにいい生地を使っても。どんなに高い技術があっても。
染色に使用する水に不純物が入っていては、キレイな黒には染まりません。
私たちがフォーマルスーツに使用する生地は、世界三大毛織物生産地の一つである"尾州"で染色。良質な河川が豊富に流れる環境で生み出されています。
10年、20年と着続けてもらえるフォーマルスーツをつくるために。
素材に、技術に、環境に。私たちのこだわりは尽きることはありません。
決して色褪せない "不変"の黒を届けられるように。
着る人の気持ちが、いつの日であっても敬いたい相手に届くように。
フォーマルスーツの色には、その人の気持ちが表れる。
私たちは黒という色を通して、人と人を奥深くでつなぐ絆を照らし続けます。

「ずっと着続けたいと思えるフォーマルスーツを」。
色合い、素材、デザインの美しさ。
そして、一人ひとりに合った着心地。
AOKIは、フォーマルスーツを進化させることで
お客様の心と向き合い続けます。