就活のグループディスカッション(GD)対策とは?
進め方のコツやテーマ例も紹介
インターンシップや本選考では、グループディスカッションが頻繁に実施されます。経験のない方は、流れや準備すべきことが分からず、不安になったり戸惑ったりする人も多いでしょう。
この記事では、グループディスカッションの進め方のコツを解説します。グループディスカッションのテーマ例も紹介するので、ぜひ対策に活用してください。
目次
グループディスカッションとは
グループディスカッション(GD)とは、4~8人程度のグループで議論を行い、結論を出して発表する様子を見て、学生を選考する方法をいいます。制限時間を設けて、役割分担、ディスカッション、意見の総括、プレゼンテーションまで行います。
議題は多種多様ですが、企業や社会における課題、新事業の企画など「正解のないテーマ」が一般的です。
グループディスカッションでは、協調性やコミュニケーション力、論理的思考力などが評価されます。書類選考や個人面接では見えにくい、実際のチームでの貢献度や積極性、主体性を把握し、多くの候補者を同時に効率良く評価・選考できることが企業側のメリットです。
グループディスカッションで主に見られている5つのポイント
グループディスカッションにおいて、面接官は主に以下の5つのポイントを見ています。
・積極性・リーダーシップ
自発的な言動でディスカッションを先導する姿勢が、面接官に評価されます。ただ意見を述べるだけでなく、他のメンバーの意見をまとめたり、議論の方向性を示したりすることで、全体を前向きに動かす力も重要です。役割分担の提案や時間配分の管理(タイムキーパー)など、グループをサポートする行動もこのポイントに位置付けられます。
・コミュニケーション能力
自分の考えを分かりやすく伝える力だけでなく、相手の話をしっかり聞き、意見の違いを調整しながら議論を進める力が重視されます。全員が納得できるような発言や、相手の意見を引き出す姿勢も評価されます。
・論理的思考力
主張と根拠をセットで述べる力が重要になります。「なぜそう思うのか」を明確にし、誰にでも分かるように筋道立てて説明することで、説得力のある議論ができるでしょう。複数の意見から最適解を導く過程も、論理的思考力として評価されます。
・傾聴力・協調性
議論を活発化させ充実した意見をまとめるには、他の人の考えに耳を傾けて、否定せず肯定的に捉える姿勢も大切です。相槌や共感の言葉を使って話しやすい雰囲気を作ることで、幅広いアイデアが出やすくなります。さまざまな意見を尊重し、協力して結論を導く力が評価されます。
・周りへの気配り
発言が少ない人に話を振ったり、全員の意見を平等に扱ったりなど、グループ全体に配慮する様子もチェックされています。雰囲気を明るく保ち、メンバーが参加しやすい環境を作る力も大切です。周囲に気を配ることで、チームのパフォーマンス向上にも貢献できるでしょう。
グループディスカッションで知っておきたい役割

グループディスカッションにおける役割と、向いている人の特徴をまとめました。注意点にも触れているので、役割を選ぶときの参考にしてください。
司会・進行役(リーダー)
・役割
全体の流れを作って議論を活性化させ、メンバーの意見を引き出しながら結論を導きます。場をリードするだけでなく、話題が逸れないようにコントロールする力も大切です。
・向いている人の特徴
全体を俯瞰し調整できる人や話をまとめるのが得意な人、偏りのない公平な進行ができる人に向いています。
・注意点
自分の意見ばかりを押し付けず、全員が発言する機会を確保することが大切です。強引なリードもしないよう、気を付けましょう。
時間管理(タイムキーパー)
・役割
時間配分を決め、各議題にかける時間を調整します。残り時間をアナウンスするなど、必要に応じて議論を促すのもタイムキーパーの仕事です。
・向いている人の特徴
計画性があり、冷静に状況を判断できる人や、物事を効率的に進めるのが得意な人に向いています。
・注意点
時間管理だけに集中せず自分の意見も発言するなど、議論にも参加しましょう。メンバーの発言を焦らせすぎたり、議論の進行に口を出しすぎたりしないことが大切です。
書記
・役割
議論の内容や意見、結論を簡潔に記録して、必要に応じて全体に共有します。
・向いている人の特徴
メモや要点を素早くまとめるのが得意な人や聞き上手な人、客観的に話をまとめられる人に向いています。
・注意点
記録に集中しすぎて発言が減らないように注意しましょう。メモする際は、きちんと要点をまとめることも意識してください。
発表者
・役割
結論や議論の経緯を、面接官や他のグループに分かりやすく伝えます。
・向いている人の特徴
人前で話すのが得意で、要点を簡潔に伝えられる人に向いています。
・注意点
自分の意見だけでなく、グループ全体の総意を正確に伝えることが大切です。ダラダラと話さず、限られた時間内で簡潔に発表することを心がけましょう。
その他
・役割
意見を積極的に出すサポーターや、発言が少ない人に話を振るムードメーカー、新しい視点や発想を積極的に提案するアイデアマンなども役割のひとつです。
・向いている人の特徴
サポーターやムードメーカーは、気配りができる人や協調性が高い人、周りをよく見ている人に適しています。発想力が豊かな人や柔軟な思考を持つ人は、アイデアマンに向いているでしょう。
・注意点
周囲の支援に回りがちな役割ですが、サポートばかりに捉われることなく自分の意見も発信し、主体的に議論に参加することを心がけましょう。アイデアマンは直感で話し過ぎず、周りの意見を尊重する姿勢も大切です。
グループディスカッションの進め方の例(30分の場合)
30分のグループディスカッションを進める際のタイムラインと実施内容を紹介します。
自己紹介・役割決め(2分)
まずは最初に簡単な自己紹介を行い、司会・書記・タイムキーパーなどの役割を話し合い、決めていきます。ここでは、全員が安心して議論できる雰囲気作りと、効率良く進めるための土台作りが目的となります。
時間配分決め(2分)
議論やまとめ、発表準備など各パートの時間配分を全員で確認します。時間切れを防ぎ、計画的に進行できるように準備します。
意見・アイデア出し(15分)
与えられたテーマの意味や前提条件の認識にズレがあると、議論が停滞しまとめにくくなってしまいます。そのため、最初にしっかりと擦り合わせておくことが大切です。グループ全体で認識を共有できたら、テーマに沿って各自の意見やアイデアを積極的に出し合いましょう。
参加者の多様な視点で議論を深めると、より良い結論を導きやすくなります。できるだけ多くの意見を募れるよう、司会・進行役を中心に発言しやすい雰囲気を作ることも意識してください。
意見・アイデアの整理(6分)
意見やアイデアが出そろったら、それらをグループ化したり、優先順位をつけたりして内容を整理します。論点の矛盾や重複がないかを確認し、最終的な結論に向けて方向性をまとめていきます。
結論のまとめ・発表の準備(5分)
整理した意見やアイデアに基づいてグループの結論を導き出し、発表する内容を簡潔にまとめます。発表する役割を担う人は、要点や話す順序を確認します。
発表
代表者は、グループの結論を簡潔に発表します。メンバー全員の意見が反映されているか確認しながら、分かりやすく伝えることを意識しましょう。
グループディスカッションで与えられるテーマ例

グループディスカッションは大きく分けて、課題解決型と自由討論型の2つがあります。ここでは、それぞれの型に与えられるテーマの例を紹介します。
課題解決型
課題解決型は、与えられた具体的な課題や問題の現実的な解決策をグループで導き出す形式です。論理的思考力や分析力、実行可能な施策・提案の発想力や根拠などが求められます。
課題解決型のテーマ例
・「少子高齢化の対策を考えよ」
・「ハンバーガーショップの売上を3年で1.3倍にする施策を考えよ」
・「満員電車を解消するには?」
・「若者の投票率を上げるには?」
企業や業界の課題が、テーマや議題となる傾向が強いです。日々ニュースをチェックし、業界共通の課題に関する知識を深めることが、議題解決型の事前対策になります。
自由討論型
自由討論型は特定の正解やゴールがなく、自由に意見を出し合いながら議論する形式です。多角的な視点やコミュニケーション力が重視され、結論よりも、議論の過程や協調性、柔軟な発想力が評価される傾向にあります。
自由討論型のテーマ例
・「理想の働き方とは」
・「リーダーに必要な資質は何か」
・「大学生活で得られるもの」
・「お金と幸せの関係について」
テーマが多岐にわたる自由討論型では、時事問題や業界知識の収集が有効な事前対策となります。
グループディスカッションが上手くいかないときの対処法
グループディスカッションでは、いくら事前準備を行っていたとしても上手くいかないときもあるでしょう。そのような場合の打開策として、使える対処法を紹介します。
発言ができないとき
発言ができないときは、緊張してしまったり、何を言えば良いかわからなくなってしまったりすることが原因として考えられます。
まずは議論が始まる前に、少しの雑談などで緊張をほぐしておくと良いでしょう。議論が始まったら、話の論点を意識しメモを用意しておくなどして、自分なりにまとめておくと発言しやすくなるでしょう。
グループディスカッションでは積極的に議論に関わる姿勢が大切なため、「○○さんの意見に賛成です」と他の人の意見に共感したり、「その理由をもう少し詳しく教えてもらえますか?」と質問を投げかけたりする形で会話に参加する方法もおすすめです。
テーマについての知識がないとき
知識がない場合でも知ったかぶりで話すことは避け、仮説を立てて結論に導きましょう。分からないことは質問するという実直な姿勢が評価されることもあります。
「自分ならどうするか」「一般的にはどう考えられているか」など、素直な視点で意見を述べると良いでしょう。他の人の意見もよく聞き、「その考えは新鮮ですね」などと話を広げることも大切です。
「クラッシャー」への対処法
他の人を遮って自分ばかり発言したり、マイナスの意見ばかり持ち出したりする人は「クラッシャー」と呼ばれることがあります。
クラッシャーへの対処法としては「他の方の考えも聞いてみませんか?」と促したり、意見を言う順番を決めたりして、冷静に議論の軌道修正をすることです。グループ全体のバランスを意識して、今話すべきことを改めて確認するなど、円滑な議論を促す姿勢を見せましょう。
【記事まとめ】グループディスカッションは自分の強みをアピールできる場所!自信を持って参加しよう
グループディスカッションは、発表者やリーダーなどの前に出る役回りでなくても、前向きに取り組む姿勢や協調性、アイデアなどが評価されます。自分の性格や特徴などからグループディスカッションで活かせる強みを探して、自信を持って参加しましょう。