インターンシップで給料は出る?給料あり・給料なしの違いや相場を解説

インターンシップで給料は出る?
給料あり・給料なしの違いや相場を解説

インターンシップは、学生にとって気になる業界や企業を知るチャンスです。オープンカンパニーやキャリア育成型といったさまざまなタイプのインターンシップがあるなか、近年は給料がもらえるインターンシップも増えています。

では、給料がもらえるインターンシップともらえないインターンシップの違いには何があるのでしょうか?

本記事では、インターンシップで給料がある場合とない場合の違いや、インターンシップでもらえる給料の相場、またアルバイトとの違いなどについて解説します。長期インターンシップへの参加を考えている方や、給料をもらえるインターンシップに興味がある方は、ぜひ参考にしてみてください。

インターンシップとは

インターンシップとは

インターンシップとは、学生が企業で実際に仕事を体験できる制度です。

実際の企業に足を運び、オフィス内部の雰囲気を肌で感じられるため、学生は働くイメージを具体的に掴みやすいというメリットがあります。一方、企業側におけるメリットとしては、自社の企業理念や雇用環境のアピール、雇用後のミスマッチを防止し、優秀な人材の発見につながることが挙げられます。

インターンシップの期間には大きく分けて2種類あり、1つが1日~2週間で行う短期インターンシップ、もう1つが数ヶ月~数年にわたり実施する長期インターンシップです。短期インターンシップでは、オープンカンパニー(企業や業界について、説明会に近い形式で学ぶプログラム)を、長期インターンシップでは実際の業務に即した職業体験を主に行います。

インターンシップでは、給料はもらえる?

ここでは、インターンシップで給料がもらえる場合ともらえない場合の違い、またその違いが起こる理由を解説します。

インターンシップのほとんどが無給

インターンシップのほとんどは、無給で行われます。有給のインターンシップは、全体の1割程度で、そのほとんどが長期のものです。

短期のインターンシップの主な目的は企業見学や業務の体験で、企業や業界を理解するための職場体験という側面が強くなります。つまり、あくまでも「企業や業界を学ぶ勉強の機会」と捉えられるため、無給の場合が多くなるのです。

・無給のインターンシップは、法律違反にはならないの?

法律上、給料は労働の対価として発生するため、給料の有無は労働の実態があるかどうかに依存します。短期インターンシップは業界の勉強や体験が中心となり、実務に該当しない内容が多いため、法的な支払い義務が生じづらいのが実情です。

一方、長期のインターンシップは専門性の高い実務に携わることもあるため労働と認定されやすく、給料が発生するケースが増えます。

長期のインターンシップは給料ありの場合が多い

長期のインターンシップが、短期のインターンシップより給料がもらえる場合が多いのには理由があります。また、インターンシップで給料をもらう場合には、いくつか注意するべき点もあるので、参加する前に確認しておきましょう。

・給料がもらえるのは、実務を任されるため

長期のインターンシップで給料がもらえる場合が多い主な理由は、実務を任されるためです。特に、1ヶ月以上の実務を伴うインターンシップは労働契約があるとみなされ、企業に賃金支払の義務が発生します。実務を担うことで、インターンシップであっても社員と同様、会社の売上や利益に貢献する業務をこなすことになるため、給料が支払われることが多いのです。

・給料ありの場合は、最低賃金法が適用される

学生がインターンシップで給料を受け取る場合、金額は最低賃金法の適用を受けます(最低賃金法と労働基準法24条第1項による)。最低賃金は都道府県ごとに決まっているため、事前に参加する企業のエリアの最低賃金を確認しておきましょう。

ただし、フリーランスのように業務委託を行う契約では、最低賃金は保証されないことがあるため、注意が必要です。

インターンシップに参加するときには、契約条件などにもしっかり目を通し、確認するようにしましょう。

・インターンシップでも、税金・確定申告に注意する必要がある

有給のインターンシップでも、働きすぎた場合など、以下のようなケースで確定申告が必要になることがあります。

●年間の収入金額が、所得税が課税される一定の額を超える場合
●2箇所から給料をもらう場合(インターンシップとアルバイトの掛け持ちなど)

上記に該当する場合には、前年の1月1日~12月31日までの収入について、翌年3月中旬頃までの申告・納税が必要です。例えば、大学2年の8月~翌年2月までの期間で考えた場合、8月~12月までに受け取った所得の分を、翌年3月中旬に申告します。1~2月の分は、それ以降、他の勤め先から受け取った12月分と併せて、翌年3月中旬に行います。

一方で、源泉徴収により払いすぎた税金がある場合、確定申告をすることで還付を受けられます。収入が少ない学生ほど還付されることが多いため、忘れないように行いましょう。

給料ありのインターンシップでもらえる相場はどのくらい?

インターンシップでもらえる給料は、時給制が一般的となっています。支給額は業種や企業により異なりますが、勤務地の都道府県の最低賃金もしくはそれ以上が相場です。

業務で発生した交通費や宿泊費などは、基本的に企業から支払われます。企業によっては、福利厚生が充実している長期インターンシップもあるので、募集要項等に記載されている内容を確認してみましょう。

給料ありのインターンシップとアルバイトとの違い

給料ありのインターンシップとアルバイトとの違い

ここでは、給料がもらえるインターンシップとアルバイトの違いを解説します。

目的や仕事内容が異なる

給料ありのインターンシップとアルバイトの大きな違いには、その目的や仕事内容が挙げられます。

給料ありのインターンシップの目的は、実務経験やスキルの習得となります。仕事内容についても社員と同様の業務を担うため、成果や自発性が求められる傾向にあります。

一方で、アルバイトの目的は、収入や出会いを求めるものが多いと考えられ、仕事内容は正社員のサポートやマニュアルに沿ったものが基本です。

学生生活との両立はできる?

アルバイトと同じように、インターンシップの最低勤務日数は企業によってさまざまです。長期インターンシップの場合はある程度のスケジュール調整が必要ですが、授業のない曜日を作るなど、履修科目を工夫することで両立も可能でしょう。

日本の大学の履修登録は主に春に行うため、インターンシップへの参加を考えるなら、早めに日程を確認するなど、計画的に行動することが大切です。

【記事まとめ】インターンシップでは給料以外の項目もチェック!
目的を明確にして参加してみよう

インターンシップでは無給の場合もありますが、複数の企業のオフィス見学やさまざまな業界で働く人との交流など、貴重な経験ができるのが魅力です。インターンシップの参加前には、給料の有無以外にもチェックするべき項目が多くあります。業務内容への興味や意欲の有無、社風や業界に自分自身が適しているか、長期インターンシップでは求めるスキルアップにつながるかなど、複数の観点から検討してください。

インターンシップに参加するときには、そこで何を得たいのかなど、目的を明確にして選ぶことでより実りある体験になります。ぜひ、あなたが思い描く将来のビジョンに近づけるようなインターンシップを見つけ、参加してみてください。