【面接の逆質問】一次・二次・最終面接別45選。
NG例や質問のポイントも解説
就活や転職の面接で重要な「逆質問」。「何か質問はありますか?」と言われた時に焦らないよう、事前の準備が大切です。上手に逆質問を使えばアピールにもなるため、志望動機や自己PRと共に、しっかりと対策をしておきましょう。
今回は企業で面接官も務めるキャリアコンサルタントに、逆質問をする理由や、逆質問をする時のポイントを教えてもらいました。その他、一次面接や最終面接など、フェーズごとの具体的な質問例やNG例も紹介します。
目次
就活や転職活動の面接で逆質問を求められる理由とは
そもそも就活や転職活動では、なぜ逆質問が求められるのでしょうか。その理由を理解することで、どんな逆質問を用意したらいいか考えるヒントとしましょう。
コミュニケーション能力(質問力・対応力など)を見極めるため
組織に属して働く場合、複数の人とのやりとりが必要となることが多いです。そのため面接官は逆質問を通して、さまざまな仕事で重要視されるコミュニケーション能力を測っていると考えられます。
例えば、誰にどういった点をどのように質問するか、つまり質問力や、状況に合わせた適切な言動ができるかを見ています。また、質問に対する回答を受けて、感じ良く対応できるか、さらに深堀した質問をするなど、有意義な会話にできるかといった点もポイントとなります。
志望度の高さを確認するため
逆質問は、その企業や応募職種についてしっかりと調べているからこそ、深い質問ができるもの。だからこそ、逆質問があるか、またその質によって、入社意欲を測っているということも考えられます。
なおインターネットなどで調べたらすぐ分かるような質問をすると、準備不足、つまり志望度が低いと思われてしまう可能性があるため、注意しましょう。
企業との相性をお互いに確認するため
質問を通して応募者に企業への理解を深めてもらい、本当に入社したいか考えさせるという狙いもあります。
例えば、企業からの回答が自分の軸に反するものだったり、質問を考えるためにリサーチしている内に違和感を抱いたりすることもあるでしょう。調べても調べても、全く質問や興味が湧いてこないケースもあるかもしれません。
そういった場合、「この企業は自分に合っていない可能性がある」と判断する応募者もいるでしょう。就職活動は企業と就活生とのマッチングなので、こういった相性の確認は、お互いのために重要です。
また、応募者の興味関心があるポイントを、企業者側が知るという役割もあります。
応募者の疑問点・不安点を解消するため
質疑応答の機会を設けることで、応募者の抱える懸念を払しょくする側面もあります。モヤモヤがクリアになると、応募者の入社意欲がアップする可能性が高まります。
また、面接時に課題をクリアにして、内定辞退や入社後のミスマッチを防ぐという役割も担っているでしょう。
逆質問のポイント

逆質問を考えたり、実際に面接で質問したりする際には、以下のポイントを念頭に置いておくといいでしょう。
事前に複数個用意しておく
どんなに面接慣れした人でも、その場でいきなり質問を考えるのは大変です。企業研究を深くしていて志望度が高いということを伝えるという意味でも、事前にしっかりと準備しておくといいでしょう。
また、質問として用意していた内容が、面接中の会話の中で解決した場合や、集団面接では他の人とかぶるケースもあるので、3~5個は用意しておくのがおすすめです。既に説明があった点について質問すると「話を聞いていない」と思われる可能性があるので、注意しましょう。
なお、念のために複数個用意しても、時間的に1~3個程度しか聞けない時が多いので、優先順位もつけておくといいですね。
面接官や状況に合わせた質問を心掛ける
新卒採用の場合、大抵の企業では3~4回の面接があります。1回目は集団面接というケースも多いでしょう。
一次面接・二次面接・最終面接などのフェーズによって、面接官や、どんな位置づけの場なのかは変わります。そのため、状況に合わせて質問を変えましょう。例えば一次面接でした質問を、そのまま最終面接でもする、といったことは避けた方が無難です。
なお、大体の傾向は分かるものの、実際にどんな立場の人がその面接で出てくるかは、事前に教えてもらえないことがほとんどです。そのため、予想した部署・肩書の人に向けた質問を複数個用意しつつ、面接の最初の段階で、面接官の立場を把握して、質問を調整するのがベスト。
大抵の場合、面接が始まったら「本日面接官を務める、人事部の○○です」「○○開発部主任の○○です」といった自己紹介をしてくれるはずなので、しっかりと覚えておきましょう。
その上で、逆質問を求められた際には「○○様は、○○開発現場での開発経験がおありだという認識で質問をさせていただいてもよろしいでしょうか?」などと確認してから、それにマッチする質問ができると、一目置かれるはず。
部署や肩書などが覚えられるか自信がない時は、最初に「大切なことを聞き逃さないよう、メモを取らせていただいてもよろしいでしょうか?」と断りを入れてから、ポケットサイズのメモに記載するといいでしょう。
自己アピールにつながる質問を考えておく
逆質問は、ただ質問して疑問を解消するだけではなく、自己アピールにつなげたいものです。
例えば「私は部活動で部長を務め、チームワーク向上のために努力してきましたが、御社において『理想のリーダー像』があれば教えていただけますでしょうか?」のように、自分の強みにつながる質問をするといいでしょう。
また「御社の○○プロジェクトについての記事を拝読し、自社の利益と社会課題の解決を両立している点に感銘を受けました。このプロジェクトに関わるには、どういったスキルを身に付けるといいでしょうか?」など、企業研究を深く行っていて、志望度が高いことが伝わるような質問もおすすめです。
「一次面接において、現場で働かれている○○さんが、配属後3カ月で○○の業務を任されたと聞き、ワクワクしました。御社において、若手にも積極的に責任ある仕事を任せられるのは、どのような環境があるからこそ実現できているのでしょうか?」のように、今までの面接やインターン時に感じたことにまつわる質問も、やる気が伝わりやすいでしょう。
その面接の中で話題に上がったことを深堀する質問もあり
面接では、最初に面接官から企業や募集職種についての説明があったり、志望動機などを聞かれる内に、会話のキャッチボールが続いたりするケースもあります。そういった中で興味が湧いたことについて、逆質問するのもいいでしょう。
状況的に聞いても大丈夫そうなら、その場で深堀する場合もあれば、最後に逆質問を求められた際に「先ほど志望動機をお伝えした際に○○様がおっしゃっていた○○の件ですが…」のように投げ掛けることも可能です。
また、面接中に質問されて、自分の回答が抽象的になってしまい、上手に答えられなかった項目について、あえて逆質問で聞いてみることで、前向きさを見せるという手もあります。
例えば「先ほどの10年後のキャリアビジョンについての質問に、私は具体的に答えられなかったのですが…。実際に御社の中で活躍されている方の例で、どのような段階を経てキャリアップされているのかを、参考までに教えていただくことは可能でしょうか?」といった具合です。
質問の意図を伝える
質問と共に、なぜその質問をしたのかを伝えるのもいいでしょう。そうすることで、相手がこちらの意図をくんだ回答をしやすくなり、知りたかった内容を教えてもらいやすくなります。
また、ただ思いついた内容を適当に質問しているのではなく、しっかり考えているということが伝わるでしょう。
ただし、質問に続けて一息で意図を伝えると、冗長になる可能性があります。文章の長さにもよりますが、質問が終わったら一呼吸おいて、相手の反応を見ながら、補足が必要そうなら付け加えるといいでしょう。
一次面接に適した逆質問とは

ここからは面接のフェーズごとに、その面接の特徴や適した逆質問のポイント、そして質問例を紹介していきます。まずは一次面接です。
一次面接とはどんな面接なの?
一次面接は、多数の応募者から、候補を絞り込んでいく役割の面接です。特に新卒採用では、一次面接が集団面接のケースもあります。面接官は、人事部の採用担当者、そして応募部署の現場社員やリーダークラスの人が出てくる場合が多いでしょう。
この面接で主に見られているのは、コミュニケーション能力や人柄、誠実さなど、組織で働く上でベースとなる部分といえます。受け答えがしっかりとできるか、話に矛盾がないかなどがポイント。
逆質問に関しても、聞く相手や、その場の状況にマッチした質問ができているかをチェックされていることが多いです。採用担当者や現場社員に向けた質問なら、例えば社風や人事制度・現場の雰囲気・具体的な業務内容の他、働き方への理解が深まるようなものがおすすめです。
逆に、会社全体の事業の展望など、経営層にしか分からないような質問をしてしまうと「状況が読めない人なのかな」と思われてしまう可能性もあります。協調性も見られているので、特に集団面接の場合に「難しい質問をして目立とう」「マウントを取ろう」と思うのは、逆効果のため注意しましょう。
逆質問で自己アピールをしたいならば、上記を念頭に置いた上で、自分の強みや、企業研究をきちんと行っていることが分かるような伝え方をするといいですよ。
一次面接での質問例
それでは、一次面接にふさわしい具体的な質問例を見ていきましょう。
・ホームページで「○○な社風」と拝見したのですが、具体的なエピソードがあれば、教えていただけますでしょうか?
・御社で活躍している人材について、ホームページには「コミュニケーションを円滑にできる人」と書かれていました。具体的にはどのような動きをすると活躍できるか、エピソードなどがあれば教えていただけますでしょうか?
・御社で求める人材について、募集要項には「情熱的な人」と書かれていました。私はこれを「世の中の常識にも疑問を持ち、より良い形を目指して、主体的に努力や行動ができる人」だと感じたのですが、○○さんのご認識をお伺いできますでしょうか?
・もし御社に入社できたら、自分でも勉強を進めながら、いち早く活躍できるようになりたいと思っています。勉強の計画を立てるにあたって、配属前の研修期間や研修内容について教えていただけますでしょうか?
(回答を聞いたら「研修で行う○○についてはまだ自信がないので、予習してから臨みたいと思います」「研修では触れない○○については、自主学習を進めておきたいと思います」などと返すと、さらに意図が伝わりやすいでしょう。)
・御社にはメンター制度があると伺い、大変魅力を感じておりますが、具体的にはどのような形で実施されているのか、詳しく教えていただけますでしょうか?
・今回応募した○○(職種)部門の業務内容について、募集要項には○○と記載がありました。もう少し具体的に教えていただくことは可能でしょうか?
・今回応募した○○(職種)部門の部署内の雰囲気はどういった感じか、教えていただけますでしょうか?
・働くイメージをつかむために、○○様(現場社員)の、1日のスケジュールを教えていただけますでしょうか?
また、下記のような、面接官個人の考えや本音を問う質問もいいでしょう。
よりパーソナルな質問となり、面接官としても回答の難易度が上がるため、答えてもらったら、制度や会社全体に対する質問以上に丁寧な反応をしたいものです。「ありがとうございます」「そうなんですね」だけでなく、自分の感じたことを述べられるとベストです。
・○○様は、御社のどのようなところに魅力を感じてらっしゃいますか?
・○○様(現場社員)は、○○職のやりがいは何だと感じてらっしゃいますか?
・私は大学でプログラミングを学んでおり、○○な時に喜びを感じる場合が多いのですが、○○様(現場社員)が仕事でのプログラミングを通して、うれしかったことがあれば教えていただけますでしょうか?
・○○様(現場社員)が日々の業務の中で、大切にされている価値観や行動指針があれば、お聞かせいただけますでしょうか?
二次面接に適した逆質問とは

次に、二次面接はどのような面接なのか、また具体的な質問例を紹介します。
二次面接とはどんな面接なの?
二次面接は、応募者が企業にマッチするかをより深く見極め、最終(三次)面接に進めていいか判断する面接です。
面接官は、人事部の採用責任者や、応募部署のリーダー・管理職が出てくることが多いでしょう。なお、会社によっては二次面接が最終面接となるケースもあります。その場合は役員などの経営層が出てくることになるので、次の章を確認してください。
二次面接では、業界・職種・企業への理解があるか、思考や行動の特性、そしてストレス耐性などを見られる傾向にあります。
逆質問では、志望度の高さが伝わる、より具体的で踏み込んだ質問がおすすめです。例えば、キャリア形成の方法・一次面接より詳細な業務内容や心構えについて・製品の開発経緯などが挙げられます。その上で、自分が活躍する姿を想像させるような、自己アピールにつながるものがベターでしょう。
ちなみに、業界への理解は大切ですが、それだけだと「同じ業界であれば、この会社でなくてもいいのでは?」と思われてしまう可能性もあるため、「この業界の中でも、この会社を志望している」と伝わる質問がおすすめです。
また、中途採用はもちろん、最近では新卒採用でも、募集時にある程度の職種を定めているケースが増えています。その場合は「就社」ではなく「就職」であることを特に意識し、応募する職種に対する理解や熱意もアピールできるようにしましょう。
なお面接官の立場が異なったり、一次面接の内容を申し送りされている可能性があったりするため、一次面接と全く同じ質問は避けた方が無難です。
二次面接での質問例
それでは、二次面接にふさわしい具体的な質問例を見ていきましょう。
・今回応募した開発部門では、プログラマーからシステムエンジニア、そしてプロジェクトリーダーやプロジェクトマネージャーになる人が多いと認識しています。御社の場合、それぞれ何年ずつくらいでステップアップされている方が多いでしょうか?
・私は大学では○○部の部長を務め、自分だけでは成し遂げられない規模の成果を、チームで達成することに喜びを感じました。そこで、将来的には管理職を目指していますが、御社の場合、管理職になるために重要な素質は何でしょうか?
・御社では、従来のマネジメントコースに加え、昨年よりスペシャリストコースが設置されたと伺いました。私自身、どちらのキャリアパスにも魅力を感じています。新設に至るまでの経緯や、それぞれで評価される人材像について教えていただけますでしょうか?
・御社は3年前に○○社と合併なさいましたが、その際に人事制度を刷新されたと存じております。新制度において、重視されている点を教えていただけますでしょうか?
・御社は3年前に○○社と合併なさいましたが、それにより生まれたシナジーについて、人事部の観点、現場の観点から、それぞれ教えていただけますでしょうか?
・御社において、若手にも積極的に責任ある仕事を任せられるのは、どのような環境があるからこそ実現できているのでしょうか?
・先日、○○新聞に掲載されていた御社の記事を拝読し、○○業界全体では○○型の制作方法が主流となっているが、御社の場合は逆に○○型がメインだと知りました。現場での実際の運用を通して、その強みや、導入までの経緯を教えていただくことは可能でしょうか?
・○○様(現場のリーダー・管理職)は開発経験がおありだという認識なのですが、今まで経験したプロジェクトで、最も困難だったものについて、どう乗り越えたかをお伺いできますでしょうか?
・○○様(現場のリーダー・管理職)は先ほど、大学でプログラミングを学んで、この職種を選んだとおっしゃっていました。私も同じく、現在勉強中なのですが、学生時代と、仕事として行うプログラミングとの違いを教えていただけますでしょうか?
・○○の仕事は規模が大きいため、チームワークが非常に大切だと感じています。○○様(現場の管理職)が、チーム内でのコミュニケーションを促進するために心掛けていることや、取り組みがあれば教えていただけますでしょうか?
・○○様(現場のリーダー・管理職)の視点から、新卒の社員が最初につまずきやすい点について教えていただけますでしょうか?
・○○様(現場のリーダー・管理職)の視点から、新卒で入社後、いち早くパフォーマンスを発揮するコツがあれば教えていただけますでしょうか?
・御社の目指す「○○業界のリーディングカンパニー」という姿について、現場では具体的にどのような取り組みを、どのような指標で行っているのか、お伺いできますでしょうか?
最終面接に適した逆質問とは

最後に、最終面接の位置づけや、ふさわしい質問の例を見ていきましょう。
最終面接とはどんな面接なの?
最終面接は、内定を出していいか判断する面接です。三次面接がこれに該当するケースが多いですが、会社や状況によっては、二次面接だったり、四次面接だったりすることもあります。面接官は、役員や社長などが務めるのが一般的です。
ここでは、組織全体をマネジメントする経営層の視点から、応募者がその会社にふさわしい人物か、また、将来の幹部候補として実力を発揮してくれそうか、という点をチェックしていることが多いです。目の前のタスクだけでなく、物事全体の流れや、将来的なことも含めて考えられる素養があるかを見ているでしょう。
逆質問をする際は、企業や事業全体に関わるような、視座が高い質問、そして、入社への強い熱意が伝わる質問がおすすめです。例えば、企業が目指す未来や成長の理由、新規事業への取り組みについてなどが挙げられるでしょう。会社の代表ともいえる経営層が抱く、組織や仕事に対する思いを聞くのもいいですね。
意見を述べた上で質問し「自分の意見がしっかりとある人だ」と思ってもらえるよう、今まで以上に「アピールすること」を意識できるとベターです。
また、経営層は会社のホームページに経歴が掲載されていたり、インタビュー記事があったりする可能性があるので、事前に調べておくといいでしょう。そうすることで、より深い質問・会話ができると同時に、情報収集力や志望度の高さをアピールできます。
なお最終面接は、今までの面接よりも逆質問の時間が長い可能性があります。最低でも5個以上など、より多めに準備しつつ、回答をもらった後の深堀用の質問も用意しておくと安心です。
最終面接での質問例
最終面接にふさわしい、具体的な質問例を見ていきましょう。
・○○業界において、御社の強みは○○や○○であると私は感じています。一方、競合他社には例えば○○という強みがあるのではないかと思います。○○様(役員・社長)は、御社の強みと課題について、どのように考えていらっしゃいますか?
・御社のホームページや○○様(役員・社長)のインタビュー記事などを拝見し、御社は今後、シニア層をターゲットとした商品開発を強化していくと理解しました。シニア層向けであれば、私は○○や○○といったアプローチが有効なのではないかと思っているのですが、マーケティング戦略について、可能な範囲で展望をお聞かせ願えますでしょうか?
・御社ではかつては国内需要を重視されていましたが、10年前より海外需要へかじを切り、それが大きな成功を収めていると存じております。競合他社の前例がない中でその判断に踏み切ることができた背景や、成功の兆しについて、可能な限りで教えていただけますでしょうか?
・○○事業では、昨年より海外展開を強めていると存じております。私は将来的には海外勤務を希望しているのですが、今後全社的に海外展開を強化していくのか、差し支えない範囲でお伺いできますでしょうか?
・御社では近年、事業の廃止や新規立ち上げなど、大胆な再編がなされています。事業の進退を決めるにあたって、どのような判断基準や戦略をお持ちなのか、差し支えない範囲で教えていただけますでしょうか?
・御社の「○年までに○○を目指す」というビジョンについて、私は特に○○の部分に共感を覚えました。この実現に向けて、特に注力されている施策について、差支えのない範囲でお聞かせいただけますでしょうか?
・○○業界においては、昨今のAI技術の進展により、構造や常識が大きく変わっていくと考えています。御社ではこの変化をどのように捉えていますでしょうか?また、この機会をどう生かしていこうとお考えでしょうか?
・御社は○○という新規事業が話題になっていますが、元々は社内の新規事業コンテストから始まった事業だと存じています。私も御社に入社できたら、将来的にコンテストにチャレンジしたいと思っておりますが、社員による新規事業の考案や立ち上げを重視している背景には、どんなものがあるのでしょうか?
・御社には「失敗を否定せず、チャレンジを推奨する文化」があると伺っております。一次面接でも、○○開発部の○○さんより、入社半年目にして、○○の業務フローの大規模変更を提案したところ採用されたというお話を伺いました。この文化を実現されるために、会社としてどんなことを意識されているのでしょうか?
・御社では元々中途入社のみを行っていて、5年前から新卒採用が始まったと伺っておりますが、新卒入社の社員に期待するポイントは何でしょうか?
・御社では、毎週経営層と若手社員のランチ会が開かれていると伺っております。これだけ大きな規模の会社では非常に珍しく、ありがたい制度だと感じておりますが、ご多忙の身でもそういった場を設けるのには、どういった狙いがあるのでしょうか?
・○○様(役員・社長)の、○○にまつわるネットインタビューを拝見しました。その中で私は、○○の局面で、多くの人は○○という選択を取ってしまうのではないかと感じました。それでも○○という決断ができたのは、どのような思いや確信があったのか、もう少し詳しく教えていただけますでしょうか?
・○○様(役員・社長)の著書『○○○』を拝読しました。その上で、○○の部分について、私は○○だと感じたのですが、実際のところはどのようなお気持ちで業務に当たられていたのか、詳しく教えていただけますでしょうか?
・○○ビジネス誌の○○にまつわるインタビュー記事で、○○様(役員・社長)も「若手時代は悩むことが多く、いつも不安を抱いていた」と記載されていました。今の勇猛果敢なお姿からは想像できず、勇気をもらいましたが、考え方が変わるような転機が何かあったのでしょうか?
・御社のホームページで、○○様(役員・社長)の座右の銘は「○○」と記載がありました。そう思うようになったきっかけがもしあれば、教えていただけますでしょうか?
・○○様(役員・社長)が若手時代にぶつかった壁があれば、エピソードや、そこから学んだことを教えていただけますでしょうか?
深堀用の質問も、ある程度は想定しておくと安心でしょう。以下が具体例です。ただし面接はあくまで会話なので、ガチガチに用意するというよりは、候補を何となく用意しつつ、自然な受け答えを意識しましょう。
自分:○○様(役員・社長)は、新卒で○○社に入社し、キャリアを開始されたと存じております。○○様が就職活動において、重視されていた会社選びの軸を教えていただけますでしょうか?
面接官(役員・社長):一番重視していたのは、0から1を生み出す能力が重視されるか、ですね。どれが良い・悪いではなく、世の中には、0から1を生み出すことが得意な人、1から80にするのが得意な人、80から100にする人が得意な人など、さまざまだと思います。私は何もないところから何かを生み出すにはどうしたらいいか考えたり、前例のないことに挑戦したりするのが好きだったので、それを歓迎してくれるかは気にしていました。
【パターン①】
自分:そうなんですね。○さんが学生時代に、0から1を生み出した具体例について、何かあればお伺いできますでしょうか?
【パターン②】
自分:そうなんですね。0から1を生み出すことが好きだと気付いたきっかけは、何かあったのでしょうか?
【パターン③】
自分:そうなんですね。0から1を生み出すというと、やはりひらめきのようなものが突如、下りてくるのでしょうか?それとも、生み出すためのコツがあるとすれば、ぜひ教えていただきたいです。
NGな逆質問例
ここからは、逆質問にまつわるNGポイントや、具体例を紹介します。
思いつかないため「特にありません」と回答する
面接官から「質問はありますか?」と聞かれて、「特にありません」と答えるのは避けましょう。「質問がない」というのは、「相手に対する興味がない」ということだと受け取られかねません。志望度が低いと思われたり、準備不足だという印象を与えたりする可能性があるため、できるだけ事前準備をしてくださいね。
また、逆質問はアピールにつなげられるチャンスでもあるので、しっかり生かしていきましょう。ただし「そんなことを聞いてどうするの?」と思われてしまうような、意味のない質問をするのも、避けたいものです。
調べれば分かることを聞く
企業の採用サイトやホームページを見たり、調べたりすればすぐに分かるようなことは、聞かないようにしましょう。準備不足・志望度が低い・考えが浅いなどと思われる可能性があります。例えば「御社の企業理念は?」「競合他社はどこ?」といった質問は、避けた方が無難です。
サイトからは分からない、社員の生の声や、経験談にフォーカスする質問を考えましょう。
なお、質問を考える時に、採用サイトだけを見て準備する人も多いですが、それに加えて最低限、企業のホームページは見るようにしましょう。できれば、経済新聞やビジネス誌、ビジネスニュースサイトなどでも情報収集を行うと、志望度の高さや情報収集力をアピールできるはず。
「はい」「いいえ」で終わってしまう質問
「はい」「いいえ」で終わるクローズドクエスチョンも、避けるようにしましょう。会話が続かず、コミュニケーション能力が低いと思われる可能性があります。具体的な回答を引き出せるような、オープンクエスチョンを意識するといいでしょう。
下記に具体例を記します。
【NG例:クローズドクエスチョン】
・仕事にやりがいを感じますか?
・若手でも活躍できる環境ですか?
【OK例:オープンクエスチョン】
・仕事にやりがいを感じるのはどんな時ですか?
・若手でも活躍できる環境を実現するためには、どのような取り組みや姿勢が必要だとお考えですか?
なお、もし相手の回答がすぐに終わってしまったら、「具体例があれば教えていただきたいです」など、深堀する質問を続けるといいでしょう。
給与や福利厚生などの待遇面に関する質問ばかりする
待遇面は働く上で大切ではありますが、質問をすることで印象がダウンする可能性があります。そもそも採用サイトやホームページに記載がある場合が多かったり、業務内容よりも待遇を重視していて、権利ばかりを主張していると思われたりするかもしれないためです。
残業時間や休日出勤の有無・研修内容・昇給制度・異動頻度などについても同様です。
質問する場合は、採用サイトなどに記載がないかきちんと調べた上で、ポジティブな印象になるよう、言い方を工夫する必要があります。
【NG例】
・異動の頻度はどれくらいですか?
【OK例】
・私は○年以内に○○のスペシャリストになりたいと考えているため、まずは集中して1つのキャリアに向き合いたいと考えているのですが、御社の場合、異動の頻度はどの程度になりますでしょうか?
面接官を困らせる質問
面接官が答えられない、不快に思うなどの可能性がある質問は避けましょう。具体的には、「先日、御社の社員が傷害の容疑で逮捕されましたが…」など、会社のネガティブな報道・スキャンダルに関する質問や、意図がくみ取りづらい問いです。
「お休みの日は何をされていますか?」「結婚はされていますか?」など、プライベートな質問も避けてください。
また、明らかに特定の部署や役職の人しか分からない質問もNGです。例えば人事担当者に対し「営業職の具体的な1日のスケジュールを教えてください」といった質問をするのは、的外れでしょう。
こういった質問をすると、コミュニケーション能力に難あり・入社意欲が低いなどと思われてしまうかもしれません。
また、公式発表前の決算情報など、明らかに社外秘であろう質問も避けましょう。
なお、経営方針などにまつわる質問が社外秘であるかは、こちらでは判断しづらい部分でもありますが、インタビューで話されていたり、ビジネスニュースで報道されていたりすれば大丈夫です。確信が持てない場合は「可能であれば」「差し支えない範囲で」などと断りを入れると、印象が良くなるでしょう。
【記事まとめ】面接での逆質問は入社へのモチベーションの高さを伝えるチャンス
採用面接での逆質問をその場で考えるのは難しいので、事前にしっかりと準備をしておきましょう。面接の中で疑問が解決してしまう場合もあるので、複数個用意しておくと安心です。
「特にありません」と答えたり、その場に適さない質問をしたりすると、印象がダウンしてしまう可能性があります。面接官の立場や面接のフェーズによっても適した質問は変わるので、本記事を参考に、リサーチをして質問を考えてみましょう。
逆質問は、その企業が自分とフィットするか判断するヒントとなったり、自己アピールにもつながったりするものなので、上手に生かしてくださいね。また、用意した質問を棒読みするだけではなく、相手の回答に合わせて相づちを打つ、追加で深堀の質問をするなど、あくまで会話だと意識することも大切です。

監修:深澤絢さん
国家資格キャリアコンサルタント・1級キャリアコンサルティング技能士。
企業にて18年間にわたり、採用・教育・人事制度構築など経営に直結した人材開発に従事した後、独立。
現在は企業における社員のキャリア開発に携わるかたわら、これまでの経験から企業がどんな学生を欲しがるか、活躍し続ける社員に共通することは何かを分析し、各種セミナーや大学での講座などで就活生にポイントを伝授し続けている。学生面接4万人以上、就職相談2万人以上の実績あり。