メールでの「御中」の正しい使い方とは?「様」「各位」との使い分け方も解説

メールでの「御中」の正しい使い方とは?
「様」「各位」との使い分け方も解説

就活では、企業とのやり取りでメールを使うのが一般的です。ビジネスメールを送る経験が少ない就活生にとっては、悩みの種のひとつかもしれません。本記事では、メールでの正しい「御中」の使い方を解説します。「様」や「各位」との使い分け方など、就活で実際に使えるビジネスマナーをまとめているので、ぜひ参考にしてください。

「御中」とは

「御中(おんちゅう)」とは、企業、団体、公的機関、学校など、社外の「組織」や「部署」の後ろに添える宛名の敬称であり、手紙や書類、メールなど、さまざまな場面で使用します。

「御中」は相手に敬意を表す書き言葉のひとつで、「その組織や部署の中の人々へ」という意味を持ちます。組織内の全員を指す「中」に敬語の「御」を加えることで、組織内の「不特定の誰かに読んでほしい」という意思を示します。「御中」は個人宛てには使わず、組織全体に宛てる時に用いることを覚えておきましょう。

メールでの「御中」の正しい使い方

メールでの「御中」の使い方を、例文を用いて紹介します。

【例文】
件名:会社説明会のお礼(△△大学 氏名〇〇〇〇)

株式会社□□
人事部 御中

お世話になっております。
本日、会社説明会に参加させていただきました、
△△大学××学部の〇〇〇〇です。

本日はお忙しい中、貴重なお時間をいただき、
誠にありがとうございました。
説明会を通じて、貴社の事業内容や今後のビジョン、
社内の雰囲気などを詳しく知ることができ、
大変有意義な時間となりました。

特に◇◇についてのお話が印象的で、
貴社で働きたい思いが一層強くなりました。

今後とも何卒よろしくお願い申し上げます。

△△大学××学部
〇〇〇〇
電話番号
メールアドレス

例文では、「人事部 御中」というように、組織に対して使っています。「人事部佐藤御中」のように、個人名には用いないことに注意してください。就活中の企業や組織からの返信用封筒にも「御中」を使用することがあるため、覚えておくと便利です。

その他、「御中」は以下のように使用されます。

・ 株式会社〇〇 御中
・ 総務部 〇〇課 御中
・ 人事部 採用チーム 御中
・ 〇〇センター 御中
・ 〇〇事務局 御中

「御中」と混同しやすい「様」「各位」との違い

「御中」と混同しやすい「様」「各位」との違い

「様」や「各位」、「御中」はいずれも敬称ですが、使う相手やシーンが異なります。それぞれの違いと例文を紹介します。

様:宛先が個人の場合に使用する

「様」はもっとも一般的な個人宛の敬称です。内容を把握してもらいたい特定の「担当者や個人」などに対し、以下のように使います。

【使用例】
・ 〇〇株式会社 経理部 〇〇 様
・ 株式会社〇〇 採用ご担当者 様
・ 株式会社〇〇 人事部 部長 〇〇 様

注意点は、役職や肩書きには「様」を用いないことです。例えば「代表取締役様」や「人事部長様」などは誤用なので、注意してください。

各位:関係者や特定の部署全員を対象とする場合に使用する

「各位(かくい)」は大勢の人へ呼びかける敬称です。「各位」と「御中」の使い方には次の違いがあります。

御中:組織に属する不特定の誰か(メールを受け取った人など)
各位:組織に属する全員

各位は、以下のように使用します。

【使用例】
・ 株式会社〇〇 採用担当各位
・ 〇〇株式会社 人事担当各位

受け取った手紙やメールに「各位」が使われていたら、自分も関係している可能性があるため目を通す必要があります。また、「皆様」という表現は「各位」と同様に使うことができます。先輩や目上の人などに、できるだけ丁寧な対応をしたいときには「皆様」を使うと良いでしょう。

メールで「御中」を使う際の注意点

メールで「御中」を使う際の注意点

メールで御中を使うときには、いくつか注意すべき点があります。

個人名には「御中」を使用しない

「御中」は企業や組織など団体全体を指す敬称で、個人名や役職の後には使用しません。

【間違った例】
×株式会社○○ 人事部 佐藤 御中
×株式会社○○ 人事部 部長 御中
×株式会社○○ 人事部 採用後担当者 御中

「御中」は会社名や部署名など、団体の後に使用してください。宛先の個人名がわからない場合には「株式会社〇〇 採用ご担当者様」のように書くと、丁寧な印象を与えられます。

「御中」と「様」は併用しない

企業や団体宛の「御中」と個人宛の「様」の併用は二重敬語となるため注意してください。

【間違った例】
×株式会社〇〇御中 ご担当者様

このように使用するとビジネスマナーを知らない、あるいは学ばずにいると捉えられ、相手に不信感や不快感を与えることもあります。メールの作成時は、間違った敬語や敬称の使い方、誤字脱字がないかをきちんと確認しましょう。

メールの件名には「御中」を入れない

メールの件名は、受け取った内容をすぐに理解できる表記にするのが一般的です。そのためメールの件名には、宛先の方の名前や「御中」は入れないようにしましょう。

【間違ったメールの件名例】
×株式会社〇〇御中 採用ご担当様 インターンシップの持ち物について

「◎月◎日開催予定のインターンシップの持ち物について」など、いつのどのような要件か一目でわかるような件名にしましょう。

【記事まとめ】メールでの「御中」の使い方を正しく理解し、
使用しよう

「御中」は相手先の企業や組織に対する敬称で、メールでも使用できます。相手方とのスムーズなやり取りには、「様」との兼用を避ける、件名には用いないなど、正しい使い方を理解することが大切です。ビジネスマナーに沿ったメールを上手に使い、就活に臨みましょう。