【ワイシャツの襟汚れ】
黄ばみ・黒ずみの落とし方、汚れ防止法も解説
社会人はもちろん、就活生も着る機会の多いワイシャツですが、気付くと襟の内側が黄ばみなどで汚れていることも多いもの。実はこの汚れ、放置するとどんどん落ちにくくなってしまいます。
そこで今回は、ワイシャツの襟汚れの落とし方を、手軽さ別に解説します。そもそもなぜ汚れてしまうのか、襟汚れの原因や、襟汚れ防止の方法も紹介します。
目次
ワイシャツの襟汚れの原因とは?
そもそもワイシャツの襟汚れとは何が原因なのか、代表的な黄ばみ汚れ・黒ずみ汚れについて解説していきます。
黄ばみ汚れは皮脂などが原因
私たちの皮膚からは、汗の他、皮脂やあかなどが分泌されており、これらが黄ばみ汚れの原因となります。
しかし「いつもきちんと洗濯をしているのに」「脱いだ時は特に気にならなかったのに」と思った方もいらっしゃるでしょう。実は皮脂などの汚れは、普段の洗濯だけだと取り切りづらく、少しずつ繊維の奥にたまっていくのです。
蓄積された汚れは、最初は目に見えなくても、時間とともに酸化して黄ばみとなります。さらに、酸化は紫外線によってより加速すると知られています。
襟元は首や肩の皮膚とこすれやすく、皮脂が繊維の奥に染み込みがち。また、特に汗をかきやすく、皮脂も多く分泌される人の場合、着用を繰り返すことで汚れが生じやすいと考えられます。
黒ずみ汚れは皮脂とほこりが原因
黒ずみ汚れは、先ほどの黄ばみ汚れに加えて、ほこりやちりが蓄積したもので、黄ばみ以上に頑固で落ちづらいです。
本来は、服についた皮脂などが蓄積して黄ばみや黒ずみになる前に、繊維の奥までしっかりと洗ってあげるのが理想です。
簡単!ワイシャツの襟汚れの落とし方3選

ワイシャツの襟汚れは、普段の洗濯方法では落としづらいものです。しかしほんのひと手間加えるだけで、きれいにできるかもしれません。
ここでは、比較的手軽に試せる3つの方法を紹介します。どのくらい手間を掛けられるか、また、家にあるものによって選んでみてくださいね。
なお、試してみる前に、衣類の取扱表示やタグを必ずチェックするようにしましょう。
【方法1】いつもの洗濯をお湯で行う
一般的に、水温が上がるにつれて汚れ落ちは良くなります。特に衣服についた皮脂汚れは、温度が高いほど溶けやすく、繊維から浮き出てきます。そこで、普段の洗濯をお湯で行ってみるといいでしょう。40℃くらいが目安です。
ただし、温度が高すぎると衣類を傷める可能性もあります。衣類についている取扱表示を確認し、記載されている上限水温(30℃・40℃など)を守るようにしてください。また、熱すぎると洗濯機の故障の原因にもなるため、取扱説明書の上限を確認することも必要です。
25℃くらいでも、ある程度の効果は期待できるため、素材や洗濯機に合わせて試してみてください。
なお、タンパク質汚れは温かいと固まってしまうため、血液などがついている場合は、お湯洗いは避けるようにしましょう。
【方法2】より確実に!部分洗い用の洗濯固形石鹸で手洗いしてから洗濯機へ
部分洗い用の洗濯固形石鹸は、基本的に弱アルカリ性の液性です。そして皮脂汚れはアルカリ性で洗うと落ちやすいとされているため、襟の黄ばみや黒ずみは、洗濯機で洗う前に、固形石鹸を使って予洗いするといいでしょう。
具体的なやり方や適した水温などは、各メーカーによって異なりますが、基本的には下記の通りです。
・汚れた部分を水やお湯などでぬらす
・洗濯固形石鹼を直接こすりつけてもみ洗い
・泡のついたまま洗濯機でいつも通り洗う
※汚れがひどい場合は、もみ洗いの後に水やお湯などでつけ置き
なお、洗濯固形石鹸には、石鹸成分のみのものの他、より白く見せるために蛍光増白剤などが配合されているものがあります。洗いたいワイシャツの色・柄などによって、適したものを選びましょう。
【方法3】食器用洗剤と歯ブラシで洗ってから洗濯機という方法も
食器用洗剤には油汚れに強い界面活性剤が含まれており、これは皮脂汚れにも利用することができます。
具体的なやり方は以下の通りです。
・汚れた部分をお湯でぬらす
・食器用洗剤を数滴たらす
・歯ブラシで優しくこする
・お湯ですすぎ洗濯機でいつも通り洗う
歯ブラシでこする際には、生地が傷まないように、力を入れ過ぎないようにしてください。
頑固な襟汚れを落とすには、粉末酸素系漂白剤とお湯でつけ置き

もし上記を試しても汚れが落ちなければ、時間は掛かりますが、より強力な方法として、粉末酸素系漂白剤を使うといいでしょう。
粉末の酸素系漂白剤は、基本的に弱アルカリ性の液性です。皮脂汚れはアルカリ性で洗うと落ちやすいので、これを使ってつけ置きをしましょう。なお、液体の酸素系漂白剤は一般的に酸性のため、粉末のものがおすすめです。
具体的なやり方やつけ置きする時間などは、各メーカーによって異なりますが、基本的には下記の通りです。
・40~60℃くらいのお湯に酸素系漂白剤を溶かす
・20分から最大6時間程度つけ置き
・水ですすいでから洗濯機でいつも通り洗う
酸素系漂白剤の効果を高めるため、お湯を使うのがポイントです。しかし温度が高過ぎても、急激に漂白作用が進み十分なパワーを発揮できません。また、その衣類に定められている、上限温度を超えないように注意してください。
さらに、漂白剤が使えない衣類もあるため、衣類の取扱表示やタグを確認しましょう。
つけ置き時間は、メーカーによる指定の中で、汚れの状態を見ながら調節してください。なお、成分が強いので、作業時にはゴム手袋をすると安心です。
事前に洗濯表示タグを確認し、自宅で洗えないものはクリーニングへ
衣類には取扱表示がつけられており、素材によっては家庭での洗濯ができないケースがあります。また洗濯温度の上限が定められている、漂白剤の使用がNGとされているといった場合も。
それらを無視して自宅で洗濯したり、汚れを落とそうとしたりすると、生地が傷む・色落ちするなどの危険があります。
洗う前に、該当の衣類の取扱表示やタグを確認し、難しそうならクリーニング店に相談しましょう。
また、シャツは消耗品と割り切り、ある程度汚れてきたら新品に買い替えるのもおすすめです。
襟汚れの予防方法
ここからは、なるべく襟汚れがつかないようにするための方法を紹介します。普段のちょっとした心掛けで、黄ばみや黒ずみを予防しましょう。
洗濯物をためずにこまめに行う
皮脂は時間の経過とともに酸化して、汚れが濃くなってしまいます。そして放置すればするほど落ちづらくなります。
そのため、まずは洗濯物をためないことを心掛けてください。汚れだけでなく匂いも落ちづらくなってしまうので、着用したらなるべくすぐ洗うのが理想です。
洗濯物の量は洗濯機に対して7割が目安
日々の洗濯をしっかりしているつもりでも、きちんと洗えていないと、汚れが繊維の奥に蓄積されやすくなり、それが黄ばみや黒ずみに変化します。特に詰め込み洗いをすると洗濯機の中で衣類の動きが悪くなり、洗浄力が低下することが分かっています。
なるべく汚れ落ちを高めるためには、洗濯物の量は洗濯機の7割程度が理想です。ただし洗濯機によっても異なるため、取扱説明書をしっかり確認してくださいね。
襟汚れ防止テープやスプレーを事前に使用する
市販の襟汚れ防止テープをあらかじめ襟に貼っておくのも、汚れを防止する一つの方法です。薄くて、半透明で目立ちにくいものがおすすめ。
また、襟汚れ防止スプレーを吹き付けておくのもいいでしょう。繊維をコーティングするので、皮脂を染み込みにくくする効果が期待できます。これらは、汚れる前のきれいな状態で行いましょう。
ベビーパウダーを塗る
ベビーパウダーを首や襟元に事前にはたいておくのも、汚れ防止につながります。
ベビーパウダーは汗や皮脂を吸収する特性があるため、汚れをつきづらくしてくれるのです。また、サラサラ感を保ってくれるというメリットも期待できます。
【記事まとめ】ワイシャツの襟元をきれいに保とう
ワイシャツの襟の汚れは、皮脂が酸化したものです。普段の洗濯ではきれいになりづらいものの、お湯やアルカリ、界面活性剤の働きで落ちやすくなるため、今回紹介した方法をぜひ試してみてくださいね。
ただし、自分で汚れを落とす際は、必ず事前に衣類の取扱表示やタグを確認するようにしましょう。洗濯時の水温や、漂白剤の使用などが制限されている場合があります。そもそも家庭での洗濯が推奨されていないケースも存在するので、注意してください。
ワイシャツの襟元は小さな部分、自分では普段見えづらい箇所ではありますが、きれいな襟元なら、就職活動の面接や商談の時などもきっと自信につながるはず。
なるべくきれいに保つ工夫はしつつ、ある程度は消耗品と割り切り、頑固な汚れになってきたら、新しいワイシャツを購入することも視野に入れるといいでしょう。