【テーラードジャケット完全ガイド】大人女性のための着こなし術&選び方
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テーラードジャケットは、今やレディースファッションに欠かせない定番アイテムとなりました。きちんと感がありつつも、着こなし次第でカジュアルにも対応できるその万能さは、多くの女性から支持を集めています。
しかし「そもそもテーラードジャケットって何?」「スーツとは何が違うの?」といった疑問を持つ方も多いでしょう。本記事では、テーラードジャケットの基礎知識から、シーン別・体型別の選び方、着こなし術まで網羅的にご紹介します。
目次
テーラードジャケットとは?基本と特徴
テーラードジャケットの基本と特徴について紹介します。
「テーラード」の語源と意味
テーラードジャケットは「仕立てられたジャケット」という意味を持ち、体にフィットするカッチリとしたシルエットが特徴です。歴史は古く、19世紀のイギリスで紳士のカジュアルウェアとして着用されたことが始まりでした。
起源はモーニングコートの裾を短くしたデザインで、アメリカではサック・スーツ、イギリスではラウンジ・スーツと呼ばれ、部屋着やレジャー用として親しまれていました。後にビジネス用として広まり、現在では仕立ての美しさやテーラードカラーが特徴の、フォーマルにもカジュアルにも対応できる汎用性の高いアイテムとなっています。
レディースジャケットとしての進化
レディースジャケットの起源は18世紀の上流階級女性の乗馬服にあり、実用性と安全性を兼ね備えた服として屋外活動に使われていました。19世紀にはサイクリングの流行や婦人参政権運動の広がりにより、ジャケットは自由と自立の象徴として定着していきます。
20世紀後半になると女性の社会進出が進み、ビジネスシーンでも着用できるテーラードジャケットが登場。女性らしいシルエットを取り入れたデザインが増え、現在はオフィスコーデからカジュアルコーデまで幅広く着用されています。
ほかのジャケットとの違い
スーツやブレザーはテーラードジャケットと形は似ていますが、用途や素材に違いがあります。それぞれの特徴を解説します。
スーツとの違い
スーツは一般的には上下セットで販売され、光沢感のある上質なウールの生地や厚みのある肩パッドが特徴で、フォーマルな印象を与えます。一方テーラードジャケットは単品販売が主流で、綿や麻などカジュアルな素材が使われ、肩パッドが薄く のない軽やかなデザインも多く、普段使いやビジネスカジュアルに適しています。
ブレザーとの違い
着用シーンによって多様な印象を与えます。学生服や制服にも多く使われ、健康的で若々しい印象がある一方で、ビジネスやフォーマルな場面では、きちんとした威厳のある印象を演出できます。学生服や制服にも多く使われ、カジュアルで爽やかな印象があります。
両者ともジャケットの一種ですが、ブレザーは特に伝統やチームウェアとしての背景があり、より装飾性のあるアイテムです。
素材・デザインの多様性
テーラードジャケットは、季節や用途に応じてさまざまな素材とデザインを選ぶことができます。春は薄手ウール、夏は通気性のよいリネンやコットン、秋冬は暖かいフランネルウールやカシミヤが適しています。
デザイン面では、ビジネス向けには定番の2ボタンやフラップポケット、カジュアル向けにはピークドラペルやアウトポケットなど、印象を左右する要素が豊富。素材やデザインが豊富なことも、テーラードジャケットの魅力です。
レディーステーラードジャケットを選ぶときのポイント
続いては、レディーステーラードジャケットを選ぶときのポイントを紹介します。購入する前にチェックしておきましょう。
サイズ感と肩幅
テーラードジャケットを選ぶ際は、サイズ感と肩幅がポイントです。特にビジネスシーンでは、体にフィットしたジャストサイズを選ぶことで、きちんと感や信頼感を演出できます。肩はフィット感を左右する大切なポイントで、肩先につまめる余裕が1cm程度あるものが理想です。肩幅が大きすぎるとだらしない印象に、小さすぎると型崩れの原因に。試着時はインナーを着た状態で確認しましょう。
着丈とボトムのバランス
テーラードジャケットの着丈は、全体の印象を大きく左右する重要なポイントです。 基本の目安はお尻がほどよく隠れる長さで、バックネックポイントからパンツ裾までの半分あたりが理想。短め丈は脚長効果がありワイドパンツやロングスカートと好相性。長め丈は落ち着きや信頼感を演出できますが、細身ボトムと合わせて重さを調整しましょう。
素材の違い
テーラードジャケットは、季節に応じた素材選びが快適さと印象を左右します。春夏には通気性がよく涼しげなリネンやコットン、ポリエステル。平織りのトロピカルや凹凸のあるシアサッカーも夏向き。秋冬には保温性の高いウールや高級感あるカシミヤが定番。季節とシーンに合わせて選びます。
色合い
テーラードジャケットは色選びによって、印象や着回し力が大きく変わります。 オフィス中心ならブラックやネイビーなどベーシックカラーが◎。休日メインならベージュやブラウンなど柔らかいトーンがおすすめ。オン・オフ問わず使いやすいカラーを選びましょう。
柄
テーラードジャケットの柄には、さまざまな柄があります。定番はチェックやストライプ、ツイード。中でも細かめのチェック(グレンチェックやガンクラブチェック)は大人っぽさを引き立てます。ベージュ・ブラウン・グレー系は合わせやすく、ビジネスでもプライベートでも活躍。
レディーステーラードジャケットの定番スタイルと活用シーン
続いては、レディーステーラードジャケットの定番スタイルと活用シーンを紹介します。
ビジネス・就活シーン
ビジネスや就活シーンでは、清潔感がありシンプルなベーシックカラーが好印象。素材はシワや汚れが目立ちにくいもの、シルエットは体型に合ったジャストサイズがおすすめ。全身のバランスや季節感に配慮しましょう。
フォーマル・セミフォーマルな場面
フォーマルな場面では、深みのある漆黒のジャケットが基本。ウールやポリエステルなど機能性と耐久性に優れた素材を。スラックスやペンシルスカートとブラウスを合わせ、控えめな小物で上品に。
カジュアルファッション
テーラードジャケットは、カジュアルコーデにも取り入れやすい万能アイテムです。Tシャツやジーンズ、スニーカーに合わせるだけで抜け感のあるスタイルに。オーバーサイズやジェラートカラー、ベージュ・ブラウン系でトレンド感を演出。小物で個性を加えて、ラフさと品の良さを両立。
年代別&骨格タイプ別のおすすめシルエット
レディーステーラードジャケットの、年代別のおすすめシルエットを紹介します。
年代別
20代
20代におすすめのレディーステーラードジャケットのシルエットは、抜け感とトレンドを意識したスタイルがポイントです。ゆったりとしたオーバーサイズは、リラックス感がありつつも大人っぽさを演出できます。 例えば、フェミニンなワンピースと合わせて甘辛ミックスにしたり、ネクタイやミニスカートと合わせてモード感のある着こなしにしたりと、着こなしの幅も広がります。 カジュアル派には、チェック柄ジャケット×ワイドパンツでこなれた雰囲気に仕上げるのもおすすめです。
30代
30代のテーラードジャケットスタイルは、20代のようなトレンド重視ではなく、落ち着きと上品さを重視したものがおすすめです。 全体的にシンプルで無駄のないデザインが多く、ほどよいゆとりを持たせたシルエットが大人の余裕を感じさせます。 パンツスタイル中心で、甘さを抑えつつ女性らしさをキープすることができます。 カラーもベーシックで、通勤や日常にも取り入れやすい実用性が魅力です。 30代は、洗練された品のある着こなしが主流となるでしょう。
40代
きちんと感と品格を備えたテーラードジャケットは、40代の女性に欠かせないアイテムです。 ネイビーのジャケットは知的で爽やかに、白やベージュは柔らかな印象で優しい表情を引き出してくれます。 チェック柄やストライプなど、さりげない柄物ならカジュアル感もほどよく演出できます。 また、インナーやボトムとの組み合わせで、ビジネスから休日スタイルまで幅広く対応可能です。 自分らしいカラーとシルエットを見つけて、洗練された大人の着こなしを楽しんでください。
骨格タイプ別|レディーステーラードジャケットのおすすめシルエット
レディーステーラードジャケットの、骨格タイプ別のシルエットを紹介します。
ストレートタイプ
ストレートタイプの方には、直線的で構築的なシルエットのテーラードジャケットがおすすめです。 VネックやUネックなど、首元がすっきり見えるデザインを選ぶことで、上半身の厚みを自然にカバーできます。 着丈は腰骨にかかる長さがベストで、適度なウエストシェイプがあるとよりスタイルアップ効果が期待できます。 素材はハリのあるウールやレザー、デニムなどがおすすめです。 柔らかすぎない生地を選ぶことで、骨格の直線美を引き立て、上品で洗練された印象になるでしょう。
ストレートタイプの方には、直線的でシンプルなシルエットのテーラードジャケットがよいでしょう。 VネックやUネックなど、首元がすっきり見えるデザインを選ぶことで、上半身の厚みを自然にカバーできます。 着丈は腰骨にかかる長さがバランスよく見え、袖筒は細すぎず太すぎない標準的なシルエットがおすすめです。
ウェーブタイプ
ウェーブタイプの方には、コンパクトでフェミニンなシルエットのテーラードジャケットがよく似合います。 Vゾーンは浅め、ウエストはやや絞ったデザインで、柔らかなボディラインを引き立ててくれます。 着丈は短めやミディアム丈がおすすめで、ハイウエストのボトムスと合わせると脚長効果も抜群です。 ツイードやチェック柄などクラシカルで華やかな素材も相性がよく、肩パッドなしの軽やかなデザインや、袖をまくって手首を見せる着こなしも、女性らしさを際立たせます。
ナチュラルタイプ
ナチュラルタイプの方には、ラフに着用できるややオーバーサイズのテーラードジャケットがおすすめです。 着丈はヒップが隠れる程度の長さがよく、ウエストの絞りがないストンとした直線的シルエットと相性抜群です。 肩パッドなしのドロップショルダーや太めの袖で、こなれた抜け感が演出できます。 素材はやや柔らかめのものを選ぶと、骨感の強さを和らげてバランスが整います。 カジュアルな小物やワンピースと合わせて、リラックスしたスタイルに仕上げましょう。
レディーステーラードジャケットの着こなし術5選
レディーステーラードジャケットの着こなし術を紹介します。
着こなし術(5選)
白T&デニムでカジュアルミックス
白Tシャツとデニムにテーラードジャケットを羽織る着こなしは、シンプルながら洗練された大人のカジュアルスタイルです。オーバーサイズのジャケットやカラージャケットを合わせると、こなれ感とおしゃれ感がアップします。 足元はスニーカーでカジュアルに、ローファーやパンプスで上品に調整可能です。インナーのTシャツは無地でジャケットと色をなじませると、オフィスにも対応できるきれいめコーデに仕上がります。
シャツ×テーラードでオフィス感UP
シャツやデザイントップスをテーラードジャケットに合わせると、オフィス感がグッと高まります。 ボウタイやリボン付きブラウス、ビッグカラー、フリルなどの映えるトップスは、ジャケットの中でも存在感を発揮し、きちんと感と華やかさを両立させます。 シアー素材などの軽やかなアイテムを選べば、抜け感のあるこなれた印象です。 まじめすぎないよう、ボトムや小物でバランスを取るのも着こなしのポイントです。
ワンピースに羽織ってこなれ感を演出
テーラードジャケットをワンピースに羽織るだけで、簡単にこなれ感を演出できます。 長めやオーバーサイズのジャケットを選べば、ゆるっと感が加わりトレンド感もアップします。 派手な柄ワンピースも、ジャケットを合わせることで上品に引き締められ、フォーマルやオフィスシーンにも対応可能です。 Vネックのワンピースにはネックレスなどのアクセサリーを加えると、首元の印象が寂しくならずバランスのよい着こなしが完成します。
セットアップ風にまとめて統一感を
同素材・同色の上下でまとめるセットアップスタイルは、フォーマル感ときちんと感を演出できる定番コーデです。 ブラウスなどシンプルなインナーを合わせれば、上品で洗練された印象になります。 パンツスタイルならクールに、スカートスタイルなら柔らかな雰囲気に仕上がるなど、シーンに応じた着回しも楽しめます。
小物で“抜け感”をプラス
テーラードジャケットのきちんと感を程よく崩すには、小物使いがカギとなります。 ゴールドのバッグや華奢なアクセサリーを取り入れることで、モノトーンやマニッシュなコーデにも女性らしい抜け感が加わります。 シンプルで上品な時計やピアスを選ぶと、大人の余裕を感じさせるバランスのよいスタイルに仕上がるでしょう。
レディーステーラードジャケットのお手入れ方法
最後に、レディーステーラードジャケットのお手入れ方法を紹介します。
洗濯の可否とクリーニングの頻度
テーラードジャケットは、素材や洗濯表示に応じて洗濯方法を選ぶことが重要です。 基本的にはクリーニングがおすすめですが、洗濯表示に「手洗い可」や「洗濯機可」とあれば自宅でも対応可能です。 自宅で洗う場合は、中性洗剤を使用し、裏返してネットに入れ、ドライコースや手洗いコースで優しく洗いましょう。脱水は短時間、乾燥は陰干しにしましょう。 デリケート素材は、特に型崩れや縮みにご注意ください。
自宅でできる簡単ケア
着用後は必ず洋服ブラシで全体をさっとブラッシングし、ホコリや花粉を除去しましょう。 深いシワは当て布をして、低温アイロンで優しくプレスしてください。 外出先で一時的に脱ぐときは、裏側に二つ折りにして持つと表地の傷みと型崩れを防げます。 これらを習慣化すれば、クリーニングの頻度を抑えつつ美しい状態をキープできます。
型崩れを防ぐ保管のコツ
保管時は肩幅に合った厚みのあるハンガーを使用し、襟元から裾まで真っすぐにつるすのが基本です。 クローゼットは八分目を目安に詰め込みすぎず、風通しを確保しましょう。 シーズンオフは通気性のある不織布カバーで、ホコリを防ぎつつ湿気を逃がすと安心です。 また、月に一度は扉を開けて換気すると、カビやニオイ予防に効果的です。 正しい収納環境が型崩れや生地の劣化を防ぎ、長く愛用できる秘訣になります。
まとめ
本記事では、歴史や特徴から素材・シルエットの選び方、年代・体型別のスタイリング術までを網羅的に紹介しました。 テーラードジャケットは、フォーマルにもカジュアルにも活用できる大人女性に欠かせない定番アイテムです。 オン・オフ問わず着こなしが楽しめ、白T&デニムやワンピースとの相性も抜群です。 さらに、自宅でのケア方法や正しい保管術で長く愛用することができます。 美しくスマートに着こなしたい方は、ぜひ1着は持っておくことをおすすめします。


