フランネル生地とは?特徴や取り扱いの注意点を解説

フランネル生地とは?特徴や取り扱いの注意点を解説

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秋冬の季節になると、フォーマル・カジュアルを問わず、店頭には「フランネル生地」の服が多く並びます。
シャツなどで目にすることが多いフランネルですが、スーツとなると「どんな素材なのだろう?」「着心地や手入れはどのような感じ?」と気になる方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、フランネル素材の特徴や魅力、取り扱い時の注意点まで、詳しくご紹介します。
フランネルのスーツが気になっている方は、ぜひ参考にしてみてください。

フランネルとはどんな生地?

フランネルは、イギリスで発祥した毛織物の一種です。 起毛加工による柔らかな肌ざわりと高い保温性が特徴で、秋冬の定番素材として広く親しまれています。 また、色や柄のバリエーションも豊富で、カジュアルからフォーマルまで幅広いアイテムに使われているのも魅力です。 それでは、そんなフランネル生地の特徴や歴史について、詳しく見ていきましょう。

フランネルとは

フランネルは、柔らかく軽やかな風合いが特徴の毛織物で、主に紡毛糸を用いて織られています。 紡毛糸とは、羊毛の短い繊維を揃えずに紡いだ糸のことを言い、太くて毛羽立ちがあるのが特徴です。 この毛羽立ちに加え、生地の表面に起毛加工が施されているため、フランネルは保温性に優れており、秋冬の素材として高い人気を誇ります。 例えば、シャツをはじめ、パジャマや寝具、さらにはスーツなどの幅広いアイテムに使われています。 また、フランネルには「縮絨(しゅくじゅう)加工」と呼ばれる、圧力や摩擦を加えて生地を縮ませる工程が施されており、この加工によって独特の風合いとさらなる保温効果が生まれています。 さらに、フランネルの中でも厚手のものは「フラノ」と呼ばれることもあります。

フランネルの歴史

フランネルの歴史は16世紀頃、イギリスのウェールズ地方にまでさかのぼります。 フランネルは、この地でつくられた毛織物が起源とされており、主な素材は羊毛(ウール)です。 当時、ウェールズ地方ではウールのことを「グラネン」と呼んでおり、これが訛って「フランネル」という名前になったと伝えられています。 もともとは婦人用肌着として使われていた素材でしたが、改良が重ねられるうちに、スポーツウェアやネルシャツなど、多様な衣類に用いられるようになりました。 織り方のバリエーションも増えたことにより、現在では用途や風合いに応じて、さまざまなフランネル生地が存在します。 また、フランネルにはタータンチェックなど、イギリスの伝統的な柄が多く見られるのも特徴です。 これは、イギリス発祥の生地であることが大きく影響しているといえるでしょう。 フランネルはその後、17世紀にはフランスへ、18世紀にはドイツへと広まり、ヨーロッパ各地で親しまれる素材となっていきました。

フランネルとネル・フラノの違い

「フランネル」と「ネル」は同じように扱われることもありますが、実際には原料に違いがあります。 フランネルは主に羊毛(ウール)を原料とした毛織物であるのに対し、ネルは綿(コットン)を原料とした綿織物です。 どちらも表面に起毛加工が施されており、柔らかく暖かい着心地が特徴です。 特に「コットンフランネル」は綿素材でありながら、フランネルのような起毛感とやわらかさを併せ持ち、ベビー用の肌着にも使われるほど肌ざわりに優れています。 また「フラノ」はフランネルの一種で、より厚手で目が詰まった高級感のあるウール素材を指すことが一般的です。 主に、スーツやジャケットなどのフォーマルウェアに使われることが多く、フランネルよりも上質な印象を持たれることもあります。

フランネル生地の特徴

秋冬の寒い季節に人気の高いフランネル生地は、柔らかな肌ざわりと高い保温性で知られています。 しかし、フランネルの魅力はそれだけではありません。 ここでは、フランネル生地が持つさまざまな特徴について、詳しくご紹介していきます。

保温性・吸湿性にすぐれる

フランネルは、保温性と吸湿性の高さが大きな特徴です。 原料であるウール自体が熱を逃がしにくく、かつ湿気を適度に吸収する性質を持っており、寒い季節でも快適に着られる素材として知られています。 また、織り上げた生地に起毛加工を施すことで、生地の表面に空気の層ができ、より高い保温効果が生まれます。 さらに、ウールは弾力性にも優れており、体にやさしくフィットするため、スーツやジャケットなどのフォーマルウェアにも適しています。 加えて、柄やカラーのバリエーションも豊富であることから、性別を問わず多くの人から支持されています。

柔らかく肌触りがよい

フランネルは、柔らかく心地よい肌触りも大きな魅力です。 起毛加工によって生まれるふんわりとした質感は、触れた瞬間からぬくもりを感じさせてくれます。 また、保温性や吸湿性にも優れているため、冬用のパジャマや寝具、ベビー用肌着など、肌に直接触れるアイテムにも広く使われており、寒い季節に人気の高い素材といえるでしょう。

型崩れしにくい

フランネル生地は型崩れしにくい点でも優れており、スーツやジャケット、コートなどの衣類に多く使われています。 また、柔らかさを持ちながらも適度な厚みとハリ感があるため、長時間の着用でも美しいシルエットをキープしやすく、きちんとした印象を保てます。 こうした特徴から、フランネル製のスーツやジャケットは、機能性と見た目の両立ができる素材として、多くの人に選ばれているのです。

色柄が豊富

フランネルといえばチェック柄が代表的ですが、そのほかにも無地やストライプ、花柄など、豊富な色柄展開も魅力の一つです。 チェック柄ひとつとっても、スコットランドの伝統柄として知られるタータンチェックや、細かな格子と大きな格子が組み合わさった上品な印象のグレンチェックなど、その種類はさまざまです。 このように、カジュアルからフォーマルまで、シーンやスタイルに応じて幅広く使えるのも、フランネルの人気を支えている理由といえるでしょう。

フランネル生地を取り扱う際の注意点

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フランネル生地は主にウール素材を使用しており、デリケートであるため、手入れに気を配る必要があります。 取り扱い方を誤ると、生地の風合いや形が損なわれることもあり、注意しなければなりません。 ここでは、フランネル製品を長く美しく使い続けるためのポイントについて、詳しく解説していきます。 日常のケアや洗濯時の注意点など、大切なポイントをしっかりと押さえておきましょう。

水洗いができない

先述のとおり、フランネル生地は主にウールを使用しているため、基本的に水洗いはできません。 そのため、自宅での洗濯は避け、クリーニングに出すのが望ましいです。 とはいえ、毎回クリーニングに出すのは手間がかかるため、着用後は風通しの良い場所でハンガーにかけておくとよいでしょう。 また、表面に付着したホコリ程度の汚れは、柔らかいブラシで優しく落とすことができます。 一方、近年はウールではなくコットンを使ったフランネル生地も増えており、こちらは洗濯機での洗濯が可能です。 必ず洗濯タグを確認し、洗濯機が使用できる場合は、

以下の点に注意してください。

  • 洗濯ネットに入れる
  • 柔軟剤を使う
  • 手洗いコースやドライコースなど、やさしい洗濯モードを選ぶ

こうした工夫をすることにより、生地への負担を抑えながら自宅でのケアができます。

毛羽立ちができやすい

起毛素材であるフランネルには、使用や洗濯を繰り返すうちに毛羽立ちが生じやすいという特性があります。 摩擦や擦れが毛羽立ちの主な原因であり、特に洗濯時のダメージが影響しやすいです。 最近は、洗濯機で洗えるフランネル製品も増えていますが、毛羽立ちを防ぐためには

以下の点に注意しましょう。

  • 洗濯ネットを使用する
  • 洗濯機を使う場合でも、できるだけ手洗いコースやドライコースを選ぶ
  • 可能であれば手洗いがおすすめ

また、毛羽立ちが進行して毛玉ができた際は、手で無理に引っ張らず、ハサミなどで一つずつ丁寧に取り除くことが大切です。 これらのケアを心がけると、フランネルの風合いを長持ちさせることができます。

ブラッシングの手入れが必要

フランネル生地の製品は、日常的なブラッシングによる手入れが欠かせません。 シーズンの終わりにはクリーニングに出すのが望ましいですが、普段のケアも大切です。 着用後はハンガーにかけて、表面についたホコリを落とすため、やさしくブラッシングを行いましょう。 このとき、ブラシは下向きに動かし、床にホコリを落とすイメージで丁寧にかけるのがポイントです。 フランネルは起毛素材であるため、静電気の影響でホコリが付きやすく、放置するとカビの原因にもなります。 そのため、ホコリをしっかり取り除くことで、カビの発生を防ぎ、生地を清潔に保つことが可能です。

日陰に干す

ブラッシングを終えた後は、すぐにクローゼットへしまいたくなる方も多いでしょう。 しかし、生地にまだ湿気が残っている状態で収納すると、カビの発生や虫食いの原因となる可能性があります。 そのため、半日ほど風通しの良い日陰で乾燥させてから、収納するのがおすすめです。 ただし、乾燥させすぎると起毛部分の毛がへたってしまうため、長時間の天日干しや、直射日光の当たる場所での乾燥は避けましょう。 適度な湿度を保ちつつ、優しく乾かすことがフランネルの風合いを守るポイントです。

フランネル生地の活用例

フランネル生地と聞くと、チェック柄のシャツを思い浮かべる方も多いでしょう。 しかし、フランネルはシャツに限らず、さまざまなアイテムに使われており、柄や色のバリエーションも豊富です。 ここでは、フランネル生地がどのような製品に活用されているのか、その具体例をご紹介していきます。

パジャマ・寝具

フランネル生地は、柔らかく肌触りが良い上に、保温性や吸湿性に優れているため、パジャマや寝具に多く用いられています。 軽量で扱いやすいことから、ブランケットとしても人気が高く、キャンプなどのアウトドアシーンにもぴったりです。 また、多彩な色や柄のバリエーションが揃っているため、お好みに合わせて選べるのも魅力の一つです。 なお、起毛加工には片面タイプと両面タイプがあり、季節や用途に応じて使い分けると快適に過ごせます。

シャツ

フランネルといえば、多くの人がシャツを思い浮かべますが、実際に代表的な活用例の一つです。 色や柄は多種多様であり、中でも定番のチェック柄が特に人気を集めています。 ただし、フランネルシャツは着こなしが難しいと感じる方も少なくありません。 スマートに見せるためには、ジャストサイズを選ぶことがポイントです。 トレンドのオーバーサイズとは異なり、フランネルシャツはジャストサイズか、ややタイトなシルエットが使いやすく、着丈は短めが好まれます。 また、小さめの柄で落ち着いたダークトーンを選ぶと、よりイギリス風の上品な着こなしが楽しめるでしょう。

スーツ

フランネル生地はスーツにも用いられており、高級感のある素材として、特にオーダーメイドスーツで人気を集めています。 軽くて暖かく、保温性が非常に高いことから、冬でもコートを必要としないほどの快適さを実現します。 近年の温暖化により、コートの購入を迷う人も増えていますが、フランネルスーツならばコートなしでも十分対応できるため、そんな方には選択肢の一つとしておすすめです。

コート

フランネルは、フェルトのような柔らかく温かみのある風合いが特徴で、厚手の生地であることからコートの素材としても広く使われています。 軽くて肌触りが良く、優れた保温性を備えているため、秋冬に必要なコートに最適な素材といえるでしょう。

フランネルスーツの着こなし術

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フランネルスーツは、高級感と風格を兼ね備え、着心地の良さでも多くの人を魅了しています。 同じく起毛の一種である「メルトン」と比較すると、フランネルは薄手で軽やかなため、より洗練された印象の着こなしが可能です。 ここでは、フランネルスーツをスマートに着こなすためのコツをご紹介していきます。

スーツの選び方

高級感があり洗練された雰囲気が人気のフランネルスーツですが、選び方が難しく、全体的な雰囲気を見なければなりません。 フランネルスーツは、光を吸収するため、落ち着きと上質さが感じられます。 色はグレーやチャコールグレー、ネイビーといった昔から愛された色に加え、最近ではブラウンやベージュも人気です。 例えば、グレーと一口に言っても、そのバリエーションは豊富で、明るいグレーや落ち着きのあるグレーなど、さまざまなカラーが揃っています。 また、柄はチェック柄もありますが、ビジネスには不向きであるため、柄が無地なものから選びましょう。 デザインは、全体の雰囲気を重視し、ディテールにこだわるのも選択のひとつです。

シーン別の着こなし

フランネルスーツの魅力は、ビジネスシーンでも、カジュアルな場でも、自在に着こなせる点にあります。 ここでは、シーンごとにおすすめの着こなし方をご紹介していきます。 フランネルの素材感は好きだけれど、どう着こなせば良いかわからないという方も、ぜひ参考にしてみてください。

ビジネス

フランネルはカジュアルなイメージも強いことから、ビジネスシーンには向いていないのではないかと思う方もいるでしょう。 しかし、フランネルスーツはカジュアルなシャツとは異なり、落ち着いた上品さを醸し出し、ビジネスに適した装いです。 冬にはマフラーを合わせれば、また違った雰囲気を演出することもできます。 また、ビジネスシーンにおいて可能な範囲で遊び心を楽しんだり、紳士的な装いでキッチリとコーディネートを引き締めたりすることも可能です。 軽く保温性にも優れており、冬でもコートを着なくても温かいため、営業といった外出の機会が多い方にとって使い勝手の良いスーツともいえます。 ただし、フランネルの注意点として摩擦による毛羽立ちやすさが挙げられ、ブラッシングが欠かせません。 グレーやネイビーであれば、どのような業種でも問題なく使え、おしゃれに着こなすならば、ブラウンやベージュを選んでみてはいかがでしょうか。

カジュアル

滑らかで光沢がある素材のスーツは、単品では使いにくいかもしれませんが、マットで柔らかい質感が特徴のフランネルは、単品使いもおすすめです。 ジャケットをデニムに合わせたり、シンプルなニットにスラックスを合わせたり、ビジネス用のスーツをカジュアルに着こなせるのも、フランネルならではの魅力といえます。 一方、オフィスカジュアルとして着こなす場合は、ニットにジャケットを羽織るスタイルも、フランネルならばビジネススーツのジャケットで兼用可能です。

まとめ

本記事では、フランネル生地の特徴から、日常の手入れ方法、フランネル生地を使った製品の種類、着こなしのポイントまで、詳しく解説してきました。 また、フランネルといえばチェック柄が定番ですが、チェック柄の着こなしが難しいと感じる場合は、無地や柄のないタイプから試してみるのもおすすめです。 軽くて肌触りが良く、保温性や吸湿性に優れたフランネルは、着る人に快適さをもたらしてくれます。 ぜひ、スーツやコートとして、フランネルの魅力を実感してみてください。