スーツの正しい持ち運び方は?コンパクトなたたみ方についても解説
お手入れ
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出張や外泊時など、スーツを持ち運ぶ機会は意外と多いものです。
しかし「シワにならない収納方法が分からない」「着替え用のスーツをどう持ち運べばいいのか迷っている」と悩む方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、スーツをきれいに持ち運ぶための正しい方法を解説します。
また、シワを防ぐたたみ方や、できてしまったシワの対処法、シワになりにくいスーツ素材の選び方についても併せて紹介しています。
出張や外泊の多い方はもちろん、スーツをスマートに扱いたいすべての方にとって役立つ内容となっていますので、ぜひ最後までご覧ください。
スーツの正しい持ち運び方
出張や外出先でスーツを持ち運ぶ際「どうすればシワにならず、スマートに運べるのか」と悩む方も多いのではないでしょうか。
ここでは、スーツをきれいな状態で持ち運ぶための正しい方法を紹介していきます。
ガーメントバッグに入れる
スーツをガーメントバッグに入れて持ち運ぶと、ジャケットとパンツをかけたままの状態を保てるため、シワや型崩れができにくくなります。
ガーメントバッグとは、スーツやワイシャツを折り畳まずに収納できるバッグのことです。
冠婚葬祭といったフォーマルな場面や、出張の場面など、長時間スーツをきれいな状態で持ち運びたいときに便利なアイテムです。
また、ガーメントバッグの寸法や重量が手荷物規則の範囲内であれば、飛行機内に持ち込むこともできます。
ビジネスバッグ型やボストンバッグ型、コンパクトバッグ型など種類が豊富なため、移動手段に合わせて、使いやすいタイプを選択しましょう。
スーツケースに入れる
スーツをスーツケースに収納すると、ほかの荷物と一緒にスマートに持ち運ぶことができます。
収納スペースが仕切られているタイプであれば、衣類と分けて収納できるため、型崩れや汚れのリスクも軽減されます。
ただし、たたみ方を誤ると、シワや型崩れの原因となるため注意が必要です。
スーツはできるだけ折り目を少なくし、衣類用の袋やカバーを活用の上、保護するのがおすすめです。
スーツカバーを活用する
近場へ移動する場合は、スーツカバーにスーツを収納し、カバーをかけたまま持ち運べます。
本来、スーツカバーとは、スーツを汚れやホコリから守るための保管用アイテムです。
持ち運びには適していませんが、短時間であればスーツカバーを活用するのも、一つの手段となるでしょう。
スーツカバーの主な種類は「織り生地」「不織布」「ポリ製」の3種類です。
種類によっては重かったり、通気性が悪かったりするものもあるため、持ち運びする際は、軽くて通気性のよい不織布のスーツカバーを使用しましょう。
着用して移動する
スーツを収納するアイテムがない場合は、あらかじめ着用して移動するのも一つの方法です。
着用することで、荷物を増やさずに済み、目的地に到着したら即対応できる点もメリットです。
ただし、長時間の移動や混雑した交通機関では、シワができやすくなるため注意が必要です。
また、移動中や食事の際には、スーツが汚れないよう気を配りましょう。
車の場合はハンガーにかける
車でスーツを持ち運ぶ場合は、ハンガーにかけた状態で、後部座席の手すりやフックに吊るす方法が便利です。
スーツをホコリや汚れから守りたい場合は、スーツカバーに入れたままでも問題ありません。
ただし、車種によっては、スーツをかけるフックや手すりが備わっていないこともあります。
そのような場合は、ヘッドレストのポールやアシストグリップに取り付け可能な、車用衣類ハンガーを活用するとよいでしょう。
このような便利なアイテムを使えば、スーツの型崩れやシワを防ぎながら、快適に持ち運ぶことが可能です。
スーツのコンパクトなたたみ方
スーツをスーツケースに入れて持ち運ぶ場合は、たたみ方を工夫することが大切です。
ここからは、シワになりにくいコンパクトなたたみ方について、スーツのアイテムごとに紹介していきます。
ジャケット
ジャケットをたたむ際は、シワや型崩れを防ぐために丁寧な手順が重要です。
具体的には、以下のように進めましょう。
袖を折るときは、余分なたるみや折り目ができないよう、やさしく整えるのがポイントです。
たたみ終えたら表に返し、ジャケットの正面が見える状態に戻しましょう。
肩やアームホールの型崩れが気になる場合は、たたんだジャケットの内側にフェイスタオルなどを詰めておくと安心です。
パンツ
パンツをたたむ際も、シワや折り目を崩さないよう、丁寧に扱うことが重要です。
詳しくは、以下の手順を参考にしてください。
パンツを先にたたんでからジャケットを重ねると、全体がきれいに収まりやすくなります。
シワを防ぐためにも、生地を引っ張らず、やさしく折りたたむのがポイントです。
ワイシャツ
ワイシャツをきれいにたたむことで、シワやヨレを防ぎ、持ち運びもしやすくなります。
以下の手順を参考にしながら、丁寧にたたみましょう。
折り目は、背中の中心と並行になるように整えると、見た目もきれいに仕上がります。
ネクタイ
ネクタイはシワや折り目がつきやすいため、たたむ際はやさしく扱うことが大切です。
以下の手順を踏み、コンパクトかつ型崩れしにくい状態にまとめましょう。
タイループ(ネクタイの裏側についている輪)付きのネクタイの場合は、最初の2つ折りの段階でそのループに通しておくと、ずれを防ぎ型崩れしにくくなります。
ポイントは、しっかり折り込まず「ふんわりたたむ」ことです。
無理に折り目をつけないように注意しながら、やさしく丸めるような感覚で収納すると、シワがつきにくくなります。
丸めてもOK
リュックやバッグに収納する場合は、ジャケットとパンツを重ねた状態でロール状に丸めて入れてしまっても、シワがつきにくくなります。
しまう際は、できるだけ形が崩れないよう、シワを伸ばしながら丸めていきましょう。
また、ほかの荷物に押しつぶされないよう、気をつけることが大切です。
スーツにシワができた場合の対処法
どれだけ気をつけて持ち運んでも、スーツのシワを完全に防ぐことはできません。
そこで、スーツにシワができてしまった場合の対処法を解説します。
シワ取りスプレーをかける
スーツにシワができてしまった場合は、市販のシワ取りスプレーを使用しましょう。
スーツには水分を含ませると膨らみ、乾くと元の形に戻るという特性があります。
スーツのシワに対してしっかり吹きかけた後は、完全に乾燥するまで風通しがよい場所で陰干ししてください。
浅めのシワであれば、シワ取りスプレーで簡単にスーツのシワが取れる可能性が高いです。
なお、シワ取りスプレーは、ドラッグストアやコンビニで手軽に購入できます。
スチームアイロンで伸ばす
スーツをすぐ使用したい場合は、スチームアイロンの蒸気を当てると、短時間でシワを伸ばすことができます。
近くで蒸気を当てすぎると生地が傷んでしまうため、様子を確認しながら少しずつ蒸気を当てていくのがポイントです。
スチームアイロンには、蒸気によって除菌ができる効果があるので、スーツの臭いを軽減させることが期待できます。
ホテルによっては、スチームアイロンを貸し出している場合もあるので、フロントに確認してみましょう。
バスルームに置く
バスルームの湯気を利用し、スーツのシワを取る方法もあります。
湯気にはスチームアイロンの蒸気と同じ効果があり、生地を傷める心配も少ないです。
バスルームにスーツを干す時間は、30分くらいが目安となります。
30分経過したら、風通しの良いクローゼットに干して乾燥させてください。
出張先でスチームアイロンが借りられないときは、ぜひ試してみましょう。
クリーニングに出す
時間に余裕がある場合は、クリーニングに出し、プロの手でシワをしっかりとってもらうことをおすすめします。
費用や手間はかかりますが、スーツの生地によっては、スチームアイロンが使えない場合もあるためです。
クリーニング店によるスーツのクリーニングは、ドライクリーニングであることが一般的です。
ドライクリーニングは、生地への負担が最小限に抑えられ、型崩れや縮みが起こりにくいとされています。
そのため、クリーニングに出せば、シワのみならず、汚れまできれいにしてもらえるでしょう。
ベルトをつけたままハンガーにかける
スーツのパンツにシワができてしまった場合は、ベルトをしたままの状態で裾を上にし、ハンガーにかけておくとシワが取れます。
使用するハンガーは、クリップのついているパンツハンガーです。
スラックスにベルトの重みが加わることにより、パンツのシワが改善される仕組みです。
なお、干す位置が裾に近すぎると、パンツが下に落ちてしまうので注意してください。
また、シワの部分にシワ取りスプレーや霧吹きで水をかけておくと、よりシワが伸びやすくなります。シワが取れた後は、型崩れを防ぐためにベルトを外しておきましょう。
スーツの持ち運びに関する注意点
スーツの持ち運びで気をつける必要があるのは、シワだけではありません。
ここでは、スーツの持ち運びに関する注意点を解説していきます。
香りが強いものと一緒にしない
スーツと香りの強いものを一緒に持ち運んでしまうと、においが移ってしまう可能性があります。
特に気をつけてほしいものは、次のアイテムです。
これらの中身がスーツの生地にこぼれてしまった場合は、においだけでなくシミができてしまう可能性もあります。
そのため、スーツとにおいが強い食べ物や化粧品は、分けて収納するように心がけましょう。
湿度対策や調整を行う
雨の日や湿度の高い日の移動により、スーツが水分を含んでしまうと、カビやシミ、色落ちの原因となります。
スーツが湿気を吸わないよう、防水のバッグを選んだり、乾燥剤を入れておいたりなどの対策が必須です。
また、移動中はスーツケースの中に湿気がこもりやすいため、定期的に開けて換気することをおすすめします。
ホテルに着いた後も、湿気対策としてスーツをハンガーにかけ、クローゼットで休ませるようにしましょう。
サーキュレーターで空気を循環させると、スーツが乾きやすくなります。
持ち運びの時間をできるだけ短縮する
スーツを長時間持ち運ぶと、移動の揺れによる摩擦で生地が傷んでしまうことがあります。
たたんだ状態のままだと、折り目やシワもできやすいです。
そのため、荷造りの際は、スーツを最後にバッグに入れるようにしましょう。
また、ホテルに到着したらスーツを一番先に取り出し、ハンガーにかけることが大切です。
折りたたんだ状態でいる時間をできるだけ短くすることで、シワの発生を防ぎやすくなります。
スーツの上に物を置かないようにする
スーツをバッグに入れて持ち運ぶ場合、スーツの上に物をおいてしまうと、シワや型崩れ、生地が傷む原因となります。
バッグにスーツを入れるときは、一番上の位置にくるように調整しましょう。
また、スーツをたたんでいる場合は、移動の揺れでバッグの下の方にずれてしまうこともあります。
そのため、バッグ内の配置を工夫して、スーツがずれ落ちないように収納しましょう。
シワになりにくいスーツの素材
スーツに使用されている素材は、シワになりにくいものと、シワになりやすいものと2種類あります。
シワになりやすい素材は、コットンやリネン、シルクなどの天然素材です。
これらの素材を使用したスーツは、シワができやすいので持ち運びには適していません。
スーツを持ち運ぶ機会が多い場合は、シワになりにくい素材を使用したスーツを選びましょう。
シワになりにくい素材は、次のとおりです。
ウールやポリエステル100%の中でも、強撚糸という糸を使用したスーツは、特にシワができにくくなっています。
また、ウールとポリエステルが混紡の生地も、型崩れやシワができにくいです。
これらのスーツはお手入れも簡単なので、出張に向いているでしょう。
まとめ
今回は、スーツの持ち運び方法について解説しました。
大切なスーツは、専用のガーメントバッグに入れて持ち運ぶのが基本です。
ガーメントバッグをわざわざ購入しなくても、移動手段や移動時間によっては、スーツケースやスーツカバーを活用することもできます。
スーツにシワができないよう、たたみ方も工夫することが大切です。
コンパクトにたたむことができれば、スーツを持ち運びながらの移動もスムーズになります。
また、仮にシワや型崩れが発生してしまった場合でも焦る必要はありません。
今回ご紹介したシワ伸ばしの方法を参考に、出先でもきれいなスーツを着ましょう。


