靴紐の結び方や通し方による特徴や手順とは?結ぶときやお手入れのポイントも紹介
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自分に合った靴を選ぶとき、靴の機能性やデザインに合わせて靴紐を意識する方は少ないかもしれません。しかし、靴紐にも意識を向けると、普段使用している靴の履き心地や機能性の向上に繋がります。
そこで本記事では、「靴紐の通し方や結び方」、「靴紐を通すときや結ぶときのポイント」を紹介しています。靴に適した靴紐を把握することで、足への負担を減らすことも可能なので、ぜひチェックしてみてください。
靴紐の種類と特徴
靴紐は種類により、結びやすさや、ほどけにくさ、見た目の印象が異なります。ここでは、それぞれの靴紐の形状と加工方法による種類の違い、それぞれの特徴をご紹介していきます。
靴紐ごとの特徴を把握した上で、靴を履くシーンなどに合わせて靴紐を選びましょう。
平紐
平紐は、スニーカーに使用されることが多い種類です。平べったい形状で、丸紐よりもほどけにくいため、靴紐を結びなおす回数が少なくて済む点がうれしいポイントです。
また、しっかりとした締め付け感があることから、足の甲を全体的に包み込んでいるような履き心地が得られます。平べったい形状は、カジュアルな印象を与え、スニーカーとの相性も抜群です。
さらに、平紐の幅の広さを変えると印象が変わり、靴を履くシーンに合わせておしゃれを楽しむことも可能です。平紐の幅が広いタイプはカジュアル、細いタイプは上品な雰囲気を演出できます。
丸紐
丸紐は、名前のとおり丸みのあるデザインで、フォーマルなシーンにもぴったりな上品さを演出できます。革靴との相性がよく、柔らかいことから、足への締め付け感が少ない点が特徴です。
これは、平紐が足の甲と触れる面積が広いのと比較して、丸紐は足の甲に触れる面積が少ないことにより、窮屈さを感じることが少なくて済むということです。そのため、靴紐による圧迫感が苦手な方や、仕事などで使う革靴を履きこなしている方には、丸紐はぴったりといえます。
また、紐の幅が広いタイプを選ぶと、カジュアルな雰囲気も出せます。ただし、平紐よりもひもがほどけやすいため、結び目を工夫するとよいでしょう。
詳細は後述しますが、靴紐の結び方により、見た目や足への負担も変わってくるため、靴紐の結び方にも着目すると、より靴を快適に楽しく履きこなせます。
平丸紐
平丸紐は、平紐と丸紐の特徴を兼ね備えており、足へしっかりとフィットして、履き心地が優れている点が特徴です。結び目もほどけにくいため、スポーツ用のスニーカーとしても活躍します。
また、紐が厚みがあることから、スタイリッシュでありながらも、カジュアルな雰囲気を併せ持っています。平丸紐は、デザイン性を高く見せると同時に、運動を楽しみたい方にも重宝する靴紐といえるでしょう。
ガス紐
ガス紐は、紐の表面を炙っているスタンダードな加工方法の靴紐です。リーズナブルな価格で手に入りやすいため、複数の靴紐を揃えたいときにも重宝する靴紐のタイプです。
しかし、ほかの加工が施された靴紐と比べると耐久性が劣り、長年使用するというよりも、状態を見ながら交換するのが望ましいといえます。リーズナブルなガス紐だと靴紐の汚れが落ちないときでも、精神面や金銭面での負担が少なく交換が可能です。
蝋引き紐
蝋引き紐は、靴紐の表面を蝋でコーティングしているため、上品な光沢があり高級感を演出できる種類です。さらに摩擦抵抗が高いことから、結んだひもがほどけにくいという実用的な特徴もあります。ガス紐と比べると耐久性にも優れており、長く使用できる傾向があるため、お気に入りの靴をより長く楽しむことができます。
なお、高価ではあるものの耐久性が優れていることを考えると、長く愛用する方には適した靴紐のタイプといえるでしょう。
編み紐
編み紐は、複数の紐を編み込んだもので、カジュアルで自分らしさや個性を演出しやすいです。柔軟性もあり、足の状態の変化の影響を受けづらい点が特徴です。
足の大きさは、むくみなどが影響して、時間帯や日によって変わることがあります。特に、足のむくみが生じたときには、いつもよりも靴紐が短く、結びづらくなることもあるかもしれません。
そのようなときでも、ストレッチ性が優れている編み紐ならば、影響を受けずにしっかりと結ぶことができます。
靴紐の通し方や結び方4選!特徴や手順をご紹介

靴ひもの通し方や結び方には、基本的なものからフォーマルやスポーツに特化したものまで、幅広い種類があります。
正しく通して結ぶことにより、履いたときの見た目が整い、足への負担を軽減できる点が大きなメリットです。
さらに、シーンに合わせた方法を選ぶと「ほどけにくさ」「快適さ」のみならず「印象」まで変わります。
ここでは、代表的な四種類の通し方をまとめて、それぞれの特徴や具体的な手順をご紹介していきます。
シングル
シングルは、靴紐の通し方の中でもっともシンプルで、かつ紐が靴の表面に横一文字に並ぶため、すっきりと整った印象を与えられる点が特徴です。特に、革靴やドレスシューズといなど、フォーマルな靴と相性がよく、無駄を省いた端正な雰囲気を演出できます。
このことから、就職活動やビジネスシーン、冠婚葬祭など「きちんとした印象を大切にしたい場面」におすすめです。
靴紐を結ぶ手順は、最下段の穴に紐を左右から通し、片方の紐を靴の内側で交差させながら、次の穴へと進めます。もう片方は常に表面に出して、横一直線を保つように通すと、整ったラインが完成します。
ポイントは、紐の張り具合を均等にすることです。均等な状態を意識すると、左右のバランスが崩れずに見栄えがよくなります。
また、結び目を靴の内側に隠すと、より上品でスマートな印象に仕上がり、見た目のみならず、履き心地の面でもメリットが得られます。シンプルながら完成度の高い方法なので、革靴をきれいに履きこなしたい人は、ぜひ覚えておきましょう。
パラレル
パラレルは、靴紐を表面で平行に通していく方法で、名前のとおり紐がまっすぐに揃って並ぶ点が特徴です。左右のラインが均一に整うため、全体の見た目が美しく、落ち着いた印象を与えられます。
また、革靴やビジネスシューズとの相性が抜群で、フォーマルな場面でも清潔感ときちんとした印象を演出できます。もちろん、スニーカーにも使えるため、カジュアルなコーディネートにさりげなく上品さを加えることも可能です。
靴紐を結ぶ手順は、最下段に紐を通した後、片方の紐を内側で二つ先の穴へ通し、もう片方は一つずつ段を進めながら表面へ出すようにします。これを繰り返すと、靴の表面には常に平行なラインだけが残り、整然とした模様が完成します。
最初は少し複雑に感じるものの、慣れてしまえば規則的で簡単に仕上げられる方法です。また、紐の締まり具合を均等に調整できるため、靴のフィット感を高めたい人にも向いています。
このように、見た目の美しさと機能性を両立できる点がパラレルの魅力です。フォーマルとカジュアル、どちらのスタイルにも適用できるため、覚えておくと幅広く活用できる結び方です。
オーバーラップ
オーバーラップは、スポーツシューズやスニーカーに多く採用される通し方で、紐を外側から内側へ重ねながら交差させていく点が特徴です。紐が上から覆いかぶさるように配置されるため、結び目がしっかりと固定されやすく、ほどけにくいことがメリットです。
特に、ランニングやジムトレーニングなど、動きが激しいシーンで安定感を発揮し、足元をしっかりと支えてくれます。
靴紐を結ぶ手順は、最下段から紐を通し、外側から内側に交差させながら、順番に上へと通し進めていきます。このとき、左右の紐の長さを均等に揃えながら、通し進めることが重要です。
紐の長さが均等でないと、片方の締まり具合が強くなり、足のフィット感に差が出てしまいます。そこで、全体を整えながら結ぶことにより、足の甲全体を均一に押さえる効果が生まれ、長時間履いても疲れにくく快適に過ごせるのです。
さらに、オーバーラップは日常的に履くスニーカーにも取り入れやすく、カジュアルなコーディネートにもおすすめです。スポーツのみならず、歩く時間が長い通勤や旅行でも実用的に使える点が魅力です。
このように、安全性と快適性の両方を意識した靴紐の通し方として、多くの人におすすめの方法といえます。
アンダーラップ
アンダーラップは、オーバーラップの反対で、紐を内側から外側へ通しながら交差させていく方法です。紐が下から持ち上がるように配置されるため、足をしっかりとホールドできる点が特徴です。
特に、バスケットシューズや登山靴など、安定性が重視される靴に適しており、強く固定されている履き心地を求める人に向いています。足首をしっかり支えたい場面や、長時間の歩行、運動するときに有効な通し方です。
靴を結ぶ手順は、最下段から紐を内側から外側に通し、その後は交差するたびに常に下から上へと靴紐を通していきます。この繰り返しにより、紐全体が靴の中でしっかりと締め上げられるようになります。
ポイントは紐を強く引きすぎず、均一に力を入れて引っ張ることです。強すぎると足が圧迫され、痛みや疲れの原因となりますが、均等に締めれば安定感と快適さを同時に得られます。
また、アンダーラップは履き心地がしっかりする反面、脱ぎ履きに時間がかかることもあります。しかし、一度結んでしまえば足が靴の中で動きにくく、靴擦れや疲労を防ぐ効果に期待できます。
そのため、登山やスポーツでのパフォーマンスを高めたい方には頼もしい方法です。さらに、安定性を最優先にしたい方にとっても、覚えておいて損のない結び方といえるでしょう。
靴紐を通すときや結ぶときのポイント
靴紐はただ通して結ぶのではなく、少しの工夫を凝らすことにより、見た目や履き心地が大きく変わります。紐の通し方や結び方に加えて、日常的に意識すべき細かなポイントを押さえると、快適さや安全性が向上します。
ここでは、靴紐を扱うときに大切な3つのポイントをご紹介しますので、それぞれ参考にしてみてください。
左右のバランスを確認する
靴紐を通す際は、左右の長さを均等に揃えることが大切です。最初の段階で左右の長さが大きく違うと、片側だけが余りすぎたり、短くなったりして、結ぶときに不格好なってしまいます。
また、フィット感にも差が出てしまい、歩行中に片方が緩んで脱げやすくなることもあるでしょう。
左右のバランスを取るコツは、最下段の穴に紐を通した時点で、しっかりと左右の長さを確認することです。その後も靴紐を通すごとに、軽く引っ張って均等に整えていくと、きれいに仕上がります。
特に、革靴やフォーマルシューズでは、見た目の印象に直結するため注意が必要です。
左右のバランスを常に意識しておくと、靴の履き心地や見た目など、全体的に安定感が増し、結び直す手間も減らせます。
靴紐がほどけづらい力加減や靴のフィット感を意識する
靴紐を結ぶときは、ただ強く締めればよいというわけではなく、ほどけにくさと履き心地のバランスを取ることが重要です。結び方が強すぎると、足の甲が圧迫されることにより、痛みやしびれにつながります。反対に、結び方が緩すぎると、歩行中に靴が脱げやすく危険です。
そのため、力加減を適切に調整することが、快適さと安全性を両立するポイントとなります。まず意識したいのは、足の甲全体に均等に力がかかるように結ぶことです。
特定の部分だけを強く締めると、そこへ負担が集中して疲れやすくなります。そこで、靴紐を結んだ後に軽く足を動かし、緩みがないか確認する習慣を持つと安心です。
また、スポーツをする場合は少し強めに締め、普段履きならば履き心地を優先するなど、シーンによって加減を調整するのもよいでしょう。
さらに、結び方の工夫によっても、ほどけにくさは変わってきます。力加減と結び方の両方を意識すると、日常場面から運動シーンまで、安心して靴を履きこなせるようになります。
程よい靴紐の長さになるように結ぶ
靴紐の長さは、意外と見落とされがちな点ですが、見た目や使いやすさに直結する重要なポイントです。紐が長すぎると、歩行中に地面に触れてしまい、転倒や汚れの原因となります。反対に、短すぎると十分に結べず、緩みやすくなったり、靴を履いたときのフィット感が損なわれたりします。
そのため、適切な長さを保つことが大切です。目安としては、結んだときに紐の先端が10cm前後余る程度が理想で、この長さならば邪魔にならず、ほどけても踏んでしまう危険性が減ります。
また、靴のデザインや使用シーンによっても最適な長さは変わるため、自分の足と靴に合わせて調整しましょう。
仮に、靴紐が長すぎる場合は、紐を結んだ後にもう一度輪に巻きつけたり、結び目を二重にしたりすることで調整できます。短い場合は、市販の交換用の紐を利用して、自分に合った長さに変えるのがおすすめです。
靴紐のお手入れ方法や適切な長さをご紹介

靴紐は、普段から意識されにくい部分ですが、日頃のお手入れや長さの調整により、靴全体の印象や履き心地が大きく変わります。汚れたままにしておくと、靴の清潔感や美観が損なわれるのみならず、劣化が早まる原因にもなるため注意が必要です。
また、長さが合わない靴紐を使っていると、ほどけやすくフィットしない履き心地にもつながります。ここでは、靴紐を長く快適に使うための交換時期やお手入れ方法、靴に適した長さの目安について、詳しくご紹介していきます。
靴紐は定期的な交換が必要
靴紐は、長く使用していると、摩擦や汚れによって劣化していきます。ほつれが出たり、結んでも緩みやすくなったりしたら、それは交換のサインです。
特に、通勤や通学で毎日同じ靴を履いている場合は、靴紐にも大きな負担がかかるため、半年から一年を目安に交換するのが望ましいでしょう。
また、見た目の清潔感も大切であり、白い靴紐が黄ばんだり、黒ずんだりすると、靴全体の印象が古びて見えてしまいます。いくら靴本体がきれいでも、靴紐が汚れていると、清潔感がないように見えるため、定期的に交換することで、靴を新品同様の印象に保てます。
靴紐のお手入れ方法
靴紐は、正しく手入れをすることで長持ちします。外出先から帰宅したら、汚れやホコリを軽く払うだけでも劣化を防げます。
特に、雨の日や泥道を歩いた後は、汚れをそのまま放置せず、その日のうちにケアするのが理想です。
靴紐の手入れは洗濯が基本で、靴から外し中性洗剤を溶かしたぬるま湯に浸け、やさしく揉み洗いします。その後は水でしっかりすすぎ、タオルで水気を取り陰干しをするときれいに仕上がります。
漂白剤を使う場合は、生地を傷めないよう、酸素系漂白剤を選ぶのがおすすめです。また、蝋引き紐や特殊加工の靴紐は、水洗いではなく、乾いた布で拭き取る方法が向いています。
このように、素材に合ったケアを心掛けることにより、紐本来の質感や機能を保つことが可能です。こまめな手入れを習慣にすると、靴紐の寿命を延ばし、清潔感のある足元を維持できるでしょう。
靴に適した靴紐の長さ
靴紐の長さは、靴の種類やデザインに合わせて調整することが重要です。長すぎると、歩行中に踏んでしまい、転倒の危険性があります。反対に短すぎると、しっかりと結べず、靴がよくフィットしなくなってしまいます。
一般的には、スニーカーの場合で100~120cm、革靴で70~90cmが目安です。ブーツのように穴の数が多い靴では、140cm以上の長さが必要となることもあります。
購入時には、靴のアイレット(鳩目)の数を確認し、対応する長さを選ぶと失敗が少なくなります。仮に、靴紐がやや長いと感じた場合は、結び方を工夫したり、二重結びにしたりすることで調整が可能です。
反対に短すぎる場合は、市販の交換用靴紐を購入して、靴紐を付け替えるのがベストです。自分に合った長さを意識することで、靴の見た目が整い、歩行の安全性も高まります。
まとめ
靴紐の結び方や通し方1つで、見た目の印象や、靴の履き心地が異なることをご紹介しました。靴を履いたときの印象や、履き心地にこだわりたい方は、ぜひ実践してみてください。
靴紐の結び方を変えるだけで、手軽に靴の持つ雰囲気も変えられます。ぜひ、靴を使用するシーンに合わせて、適切な靴紐の結び方を選びましょう。


