ワイシャツの洗濯はどうするのが正解?シワを抑えて仕上げるコツを解説

ワイシャツの洗濯はどうするのが正解?シワを抑えて仕上げるコツを解説

お手入れ

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ワイシャツが自宅で洗濯できるタイプの場合、クリーニングに出すよりも手軽かつ費用も節約できることから、家庭洗濯を選ぶ人が増えています。
また、自宅での洗濯は、クリーニング店に持ち込んだり、取りに行ったりする手間を省けるのが大きなメリットです。
そこで本記事では、自宅でもワイシャツのシワを抑え、キレイに洗濯する方法を解説します。
ぜひ、ワイシャツを洗濯する際の参考にして、仕上がりの良さを実感してみてください。

ワイシャツを洗濯する前に確認すること

ワイシャツを洗濯機に入れる前には、いくつかの重要なポイントを確認しておく必要があります。 これは、ワイシャツを長持ちさせたり、洗濯中のトラブルを防いだりするために欠かせない手順です。 ここでは、チェックすべきポイントと方法、またその必要性について詳しく解説していきます。

タグの洗濯表示

ワイシャツの内側には、洗濯方法が記載された「洗濯表示タグ」がついています。 すべてのワイシャツが同じ方法で洗えるわけではなく、素材によって適した洗い方が異なるためです。 例えば、洗濯機が使えないタイプや、漂白剤や特定の洗剤が使用できないデリケートな製品があります。 誤った方法で洗うと、縮みや変色などのトラブルにつながるため、洗濯前にタグの内容をしっかり確認しましょう。 まずは、洗濯機が使える素材かどうかを確認します。 次に、使用可能な洗剤や、推奨される洗濯コースなど、細かい制限があるかをチェックしましょう。 なお、タグに「手洗い」と記載されているワイシャツは、手洗いが推奨されます。ただし、お使いの洗濯機に「手洗いコース」や「ドライコース」が搭載されている場合は、その機能を利用することで、手洗いに近い優しい洗い方が可能です。洗濯機によっては、洗えないものもあるため、事前に取扱説明書を確認しておくと安心です。

ポケットの中

ワイシャツを洗濯する前には、必ずポケットの中身を確認し、入っているものはすべて取り出しましょう。 例えば、ペンが入っているとインクが漏れ、ワイシャツやほかの衣類を汚してしまうことがあります。 インクは一般的な洗剤では落ちにくく、シミになりやすいため、ワイシャツに限らずほかの衣類を守るためにも、しっかりとチェックすることが大切です。 また、紙類が入っていると、細かく破れて衣類に付着する恐れがあります。 ティッシュペーパーなどが付着すると、洗濯機内に細かい紙くずが散らばり、掃除が大変になるので注意しましょう。

汚れなど

ワイシャツを洗濯する前には、必ずポケットの中身を確認しましょう。 汚れがある場合は、汚れの種類に応じて部分洗い、つけ置き洗いが必要です。 特に、襟や袖口に付きやすい皮脂汚れや、ソースや醤油などの食品による汚れは、洗濯機だけでは落ちにくいことがあります。 皮脂汚れには、汚れ部分を水で濡らした後、固形石鹸を塗り込みブラシでやさしくこすると効果的です。 また、食品汚れなどの目立つ汚れは、酵素入り洗剤を使って30分から1時間ほどつけ置きし、その後に洗濯機で洗う方法がおすすめです。

ワイシャツを洗濯する頻度

ワイシャツを毎日着る場合、基本的には洗濯も毎日行うことをおすすめします。 特に、汗や汚れが付きやすい襟や袖口は、念入りに汚れ具合をチェックしましょう。 清潔な状態を保つためには、こまめな洗濯と適切な保管が大切です。

ワイシャツを洗濯する方法

まずは、ポケットの中身の確認や汚れの事前処理をしっかりと済ませた上で、問題がなければ洗濯の準備が整った状態となります。 この段階でのチェックを怠ると、洗濯中に汚れが広がったり、衣類を傷めたりしてしまう原因となるため、注意が必要です。 ここからは、洗濯機を使ってワイシャツを効果的に洗うにあたり、具体的な手順やポイントを詳しく説明していきます。

裏返してネットに入れる

ワイシャツは、裏返してから洗濯ネットに入れます。 裏返すのは、肌に触れる裏側に皮脂汚れがつきやすいことから、洗浄効果を高めるためです。 また、洗濯ネットに入れるのは、ほかの衣類と絡まったり、生地同士がこすれて傷んだりするのを防ぐためです。 なお、ネットにワイシャツを入れる際は、1枚ずつ入れるようにしましょう。 複数枚をまとめて入れると、ワイシャツ同士が絡まりやすくなり、ネットを使用する意味が薄れてしまいます。 また、ネットのサイズも重要です。 小さすぎるとシワができやすく、反対に大きすぎるとシャツが中で動き、生地が擦れてしまいます。 そのため、ワイシャツがゆったり入る適切なサイズのネットを選びましょう。

ワイシャツに適した洗濯機コースを選ぶ

ワイシャツの洗濯タグに指定された洗濯コースがあれば、必ずその指示に従いましょう。 特に指定がない場合は、標準コースで洗って問題ありません。 洗濯タグに「手洗い」と記載されている場合は、手洗いコースやドライコースがある洗濯機ならば、生地を傷めずに洗うことができます。 また、生地が繊細なワイシャツの場合は、おしゃれ着コースといった優しく洗う設定を選ぶのがおすすめです。

脱水は短時間で

ワイシャツは薄くシワができやすいため、脱水は短時間で行うことを推奨します。 標準的な洗濯コースでは、脱水時間が長めに設定されていることが多いですが、ワイシャツには約30秒程度の短い脱水が適しています。 脱水時間を短くすると水分が残りますが、シワを伸ばして干す際に、水分の重みがシワを自然に伸ばす助けとなります。 また、ほかの衣類と一緒に脱水する場合は、途中で一時停止してワイシャツのみ取り出し、その後にほかの衣類の脱水を続けると、シワ防止に効果的です。

ワイシャツを洗濯した後にすること

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ワイシャツの洗濯は、洗濯機での工程が終わった時点で完了したわけではありません。 脱水が終わった後も、型崩れを防ぎ、シワをきれいに伸ばすには、正しく干してあげることがとても重要です。 また、乾いた後のアイロンがけも、ワイシャツを美しく仕上げるための大切なステップです。 ここでは、洗濯後に最適な干し方のコツや、アイロンのかけ方について、詳しく解説していきます。

すぐに干す

ワイシャツの洗濯が終わったら、できるだけ早く洗濯機から取り出して干しましょう。 先述のとおり、洗う際はワイシャツを裏返し、さらにネットへ入れることが多いですが、干すときはネットから出し、表向きに戻して整えることがポイントです。 脱水が終わってもすぐに干さず、そのまま放置すると、シワがつきやすくなるのみならず、生乾きのニオイが発生する原因にもなります。 ハンガーに掛ける際は、第2ボタンか第3ボタンをとめておくと、型崩れを防げます。 また、生地を傷めないよう、風通しの良い陰干しで乾かすのがおすすめです。

ワイシャツのシワを防ぐ干し方

シワを防ぐためには、脱水が終わったらすぐに干すことが何より大切です。 放置すると、シワがつきやすくなってしまいます。 干す際は、ワイシャツを上から下に向かって軽く振りさばき、優しく引っ張ってシワを伸ばしましょう。 加えて、生地を手で挟むように軽くたたくと、より効果的です。 また、ハンガーは細い針金タイプではなく、肩部分に厚みのあるものをおすすめします。 厚みのあるハンガーは型崩れを防ぎ、シワの発生も抑えられるためです。

必要に応じてアイロンがけ

ノンアイロンタイプのワイシャツ以外は、アイロンがけが必要です。 アイロンがけに関して、どの部分から始めても良いと思われる方も多いかもしれませんが、仕上がりをきれいにするためには、きちんと順番があります。 この順番を一度覚えれば、簡単にアイロンがけができるため、最初は面倒でも確認しながら行っていきましょう。 アイロンがけの順番は、以下のとおりです。

  • 襟・肩
  • 袖・カフス
  • 前身頃・後ろ身頃
特に、襟・肩・カフスは、人からよく見られる部分なので、丁寧に仕上げることが大切です。 この部分がきれいだと、全体の印象も良くなりますが、反対にシワが目立つと、全体的にだらしなく見えてしまうこともあります。

それでは、アイロンがけのコツを簡単に紹介していきます。

  1. 襟は外側から中央に向かってアイロンをかける。
  2. 襟から肩にかけては両端から中央へアイロンをかける。
  3. カフスは片手で軽く伸ばしながら、裏側からアイロンをかける。
  4. 袖はシワをしっかり伸ばし、シワの上にアイロンを当てないように注意する。
  5. 身頃は、片側の前身頃から脇、後ろ身頃の半分をアイロンがけし、次にもう片方の前身頃、脇、後ろ身頃の順にかける。
また、身頃はアイロン台にワイシャツを着せるようにかぶせると、シワが伸ばしやすくなり、よりきれいに仕上がるのでぜひ試してみてください。

ワイシャツの洗濯でしてはいけないこと

ワイシャツをきれいに仕上げるためには、避けるべきポイントがいくつかあります。 これらのポイントを意識しないと、生地を傷めたり、色落ちや型崩れの原因となったりすることもあります。 ここでは、ワイシャツを洗濯する際、特にやってはいけないことについて、具体的に解説していきます。

多くの衣類をまとめて洗濯する

多くの衣類を一度にまとめて洗濯すると、生地同士がこすれ合ったり、絡まったりしてシワができやすくなります。 ワイシャツはネットに入れることにより、生地のこすれやシワを防げますが、ネットに入れているからといって、たくさんの衣類を一度に洗うのはおすすめできません。 ネットに入れていても、洗濯機の容量を超えるほど衣類を詰め込むと、シワができやすくなるのみならず、汚れも落ちにくくなります。 そのため、適切な量で洗濯することが大切なのです。

通常通りの時間設定で脱水する

通常の標準設定での脱水は、ワイシャツには負担が大きいため、脱水時間を短縮するのがおすすめです。 しっかりと脱水をしたほうが乾きやすいですが、ワイシャツのように薄い生地の場合は、シワになりやすいことから、完全に脱水できていない状態で干すほうがキレイに仕上がります。 また、ワイシャツが水を吸っている状態で干す場合には、水分の重みでシワが伸びやすいというメリットもあります。 そもそも、ワイシャツは速乾性に優れた素材が使われていることが多いため、完全に脱水をしていない状態でも乾きやすいこともメリットの一つです。

脱水後すぐに干さない

仕事で疲れて帰宅すると、脱水が終わってもすぐに干さず、つい自分の都合の良いタイミングで干すことも多いかもしれません。 しかし、脱水が終わったら、できるだけ早くワイシャツを干すことが大切です。 時間を空けてしまうと、シワがついたまま放置されることとなり、そのシワが生地に定着しやすくなります。 また、干すときにシワを伸ばそうとしても、時間がたつほど伸ばしにくくなり、結果的にシワが残ったまま乾いてしまいます。

脱水から出した状態のまま干す

脱水が終わり、洗濯機から出したままの状態で干すのは良くありません。 洗濯機から出した状態だと、どうしてもシワがついてしまうため、乾いてもほぼシワがついたままの状態です。 軽く振りさばいてからハンガーに掛け、シワを手で伸ばしてから干すと、キレイに仕上がります。 ただし、手で強く引っ張ると生地を傷める原因となるため、手で伸ばすときの力加減は軽く、さらに生地を手で挟んで軽く叩くと良いです。 なお、振りさばいても生地は傷めないため、しっかりと音が出るくらい強めに上から下へ向けて振りさばきましょう。

洗濯でキレイに仕上がるワイシャツの選び方

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ワイシャツを洗濯してきれいに仕上げるには、洗濯のコツやポイントを押さえるだけでなく、そもそも洗濯に適したワイシャツを選ぶことも重要です。 それでは、どのようなワイシャツならば洗濯後の仕上がりが美しくなるのか、選び方のポイントを詳しく解説していきます。

洗濯機が使える素材のワイシャツ

1日着用すると洗濯が必要なワイシャツは、清潔感が求められるため、クリーニングのみならず洗濯機で洗える素材を選ぶと良いでしょう。 ワイシャツというと、クリーニングに出す人も多いことから、洗濯機よりもクリーニングをイメージしやすいかもしれません。 しかし、ワイシャツに付いている洗濯タグを見てみると、ほとんどのワイシャツは洗濯機が使えることが分かります。 よほどデリケートな素材でない限り、自宅で洗濯できる場合のほうが多いため、一般的なワイシャツならば洗濯機が使えると考えてよいでしょう。 また、洗濯機だと傷みが気になるところですが、ポリエステルやポリウレタンなどの生地は洗濯にも強く、シワになりにくいことから使いやすい素材といえます。

形態安定タイプのワイシャツ

形態安定タイプのワイシャツも、自宅で洗濯してもきれいに仕上がります。 これは、一般的なワイシャツよりも、シワになりにくい加工がされているためです。 商品によって違いはありますが、ほとんどシワのない状態で乾くものもあり、アイロンがの手間を減らせます。 ただし、よりキレイな状態に仕上げるには正しく洗濯する必要があります。 一般的なワイシャツの洗濯方法と同様に、脱水時間は短めにするのが効果的です。 水分を含んだ生地の重みでシワが自然に伸びる仕組みになっているため、完全に脱水して干すよりも、短時間の脱水で干す方がシワの軽減につながります。 また、脱水後は放置せず、できるだけ早くシワを伸ばして干すことがポイントです。 なお、形態安定タイプにはノンアイロンタイプもあり、こちらを選べばアイロン掛けが不要で、より扱いやすくなるでしょう。

まとめ

本記事では、ワイシャツをきれいに洗濯する方法について解説しました。 ビジネスシーンで欠かせないワイシャツでは、清潔感が重要です。 そのため、1日着用したら洗濯し、いつも清潔な状態で着ることが望ましいでしょう。 洗濯タグを確認したり、ワイシャツの状態を細かくチェックしたりするのは、手間に感じるかもしれません。 しかし、多くのワイシャツはご自宅の洗濯機で洗えるため、一度コツを掴んでしまえば、さほど難しく考える必要はありません。 また、襟や袖の皮脂汚れは毎回しっかり洗うのが理想ですが、負担に感じる場合は週末だけでも丁寧にケアするだけで十分です。 ワイシャツを自宅で洗濯するにあたり、ご紹介した方法をすべて完璧に実践しなければならないわけではありません。 ぜひ、ご自身のライフスタイルに合わせて、無理のない範囲で試してみてください。