ビジネスカジュアルの定義とは?失敗しない基準を男女別に解説
カジュアル
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「ビジネスカジュアル可」と言われてもスーツとの違いがよく分からないというような疑問を抱える 20〜30 代のビジネスパーソンは少なくありません。
そこで本記事では、ビジネスカジュアルで失敗しないための「最低限のルール」を男女別に解説します。
基本コーデから小物選び、初めての購入ステップまで網羅しているので、ぜひ最後までご覧ください。
ビジネスカジュアルの定義とは?
まずは、ビジネスカジュアルの基本的な考え方について解説します。
ビジネスカジュアルの分かりやすい定義はありませんが、必ず押さえておきたいのは「仕事着である」という点です。
上記のポイントに加え、以下の判断基準やオフィスカジュアルとの違いを知ることで、ビジネスカジュアルの考え方を理解していきましょう。
ビジネスカジュアルの判断基準は2つ
ビジネスカジュアルに明確な定義ないものの、判断の軸となる基準は以下の通りです。
社外の人と会っても問題ないか?
ビジネスカジュアルを考える上でもっとも重要な基準は、「その服装で取引先やお客様の前に出ても失礼にあたらないか」という点です。
相手に不快感を与えず、信頼感や誠実さが伝わるような、清潔感のある装いが求められます。
スーツスタイルから少しだけカジュアルダウンするイメージを持つと分かりやすいでしょう。
自社の服装規定に沿っているか?
ビジネスカジュアルの許容範囲は、企業文化や業界によって大きく異なります。
そのため、自社の服装規定を事前に確認しておくことも重要です。
就業規則に明記されている場合もあれば、明確なルールがないケースもあります。
規定がない場合は、自部署の上司や先輩社員の服装を参考にして、社内で浮かないコーディネートを考えましょう。
オフィスカジュアルとの違い
ビジネスカジュアルとオフィスカジュアルは混同されがちですが、両者には明確な違いが存在します。
大きな違いは、「誰に対しての服装か」という点です。
オフィスカジュアルは「社内で働く従業員」を対象とした、よりリラックスした働きやすい服装を指します。
一方、ビジネスカジュアルは「社外への訪問や来客対応」を想定し、一般的にジャケットの着用が必須とされる点が大きな違いです。
ビジネスカジュアルの基本的なコーデ【メンズ向け】
ここからは、男性向けのビジネスカジュアルについて、具体的なコーディネートを解説していきます。
基本はジャケパンスタイル
男性のビジネスカジュアルにおける基本的なスタイルは、異なるアイテム同士でジャケットとパンツを組み合わせる「ジャケパンスタイル」です。
合わせる素材で、カジュアル度を調整できるためーンに合わせて最適なコーディネートを実現できるでしょう。
ジャケパンスタイルも含めてビジネスカジュアルで重要視したいのは、自身の体型に合った「サイズ感」です。
肩幅が合っていなかったり、着丈や袖丈が長すぎたり短すぎたりすると、どんなに上質な服でもだらしない印象を与えてしまいます。
清潔感と信頼感を演出するためにも試着をしっかり行い、ジャストサイズのアイテムを選ぶことが大切です。
コーディネートに悩むならセットアップ
毎日のコーディネートに悩む方には、セットアップの活用をおすすめします。
セットアップとは、ジャケットとパンツが同じ生地で作られたもので、着用するだけで統一感のある洗練されたスタイルを実現できます。
インナーをシャツからカットソーに変更して調整したり、足元をローファーに変えたりと、着こなし次第でカジュアルダウンも可能です。
上下別々にも使えるため、1着持っているだけでコーディネートの幅が大きく広がります。
各アイテムの基本的な選び方
メンズ向けのコーディネートで参考にしてほしい、各アイテムの基本的な選び方を解説します。
ジャケット編
ジャケットはビジネスカジュアルの核となるアイテムです。
定番の色としては、誠実な印象を与えるネイビーや、落ち着いた雰囲気のチャコールグレーなどがあります。
定番色のジャケットはさまざまな色のパンツと合わせやすく、着回し力も高いため初めての一着にもおすすめです。
素材はウールや、ポリエステル、リネンなどがあり、使用する季節や機能性を考慮して選びましょう。
軽くて持ち運びしやすいジャケットは、急な来客・会議に備えられる夏場の「置きジャケ」におすすめです。
トップス編
ジャケットの下に着用するトップスは、襟付きのシャツが基本です。
色は清潔感のある白や爽やかなサックスブルーが、どんなジャケットやパンツにも合わせやすく重宝します。
カジュアル寄りの装いを実現できるオックスフォードシャツは、ぜひ一枚持っておきたいアイテムです。
襟型はソフト芯のワイドカラーを選ぶと、カジュアル感を演出できる上、クールビズ対策にも効果的です。
ボトムス編
ボトムスには、きれいめな印象を与えるスラックスや、上品なチノパンを選びましょう。
色はジャケットに合わせやすいグレー、ネイビー、ベージュなどが基本です。
パンツの中央に折り目の入った「センタープレス」加工が施されているものを選ぶと、脚のラインが綺麗に見え、よりフォーマルで洗練された印象を与えられます。
デニムやカーゴパンツ、ショートパンツはカジュアルすぎる印象を与えるため、ビジネスカジュアルの装いとしては避けるのが無難です。
シューズ編
ビジネスカジュアルでは、スーツスタイルと同様に革靴を合わせるのが基本です。
色は黒や茶色で、つま先に一本線の切り替えがある「ストレートチップ」や、装飾のないシンプルな「プレーントゥ」が、フォーマル度が高く最適でしょう。
革靴の型としておすすめなのは、紐を通す部分が甲の上に乗っている「外羽根式」で、適度なカジュアル感もあり、ジャケパンスタイルによく合います。
スニーカーが許容される職場もありますが、その場合でもキャンバス地のようなカジュアルすぎるものは避け、レザー素材など品のあるデザインを選ぶことが大切です。
ビジネスカジュアルの基本的なコーデ【レディース向け】

続いて、女性向けのビジネスカジュアルにおける基本的なコーディネートを紹介していきましょう。
ジャケット+トップス+パンツまたはスカートが基本
女性のビジネスカジュアルは、ジャケットにブラウスまたはカットソーやニットを合わせ、ボトムスにパンツまたはスカートを組み合わせるのが基本的なスタイルです。
この組み合わせは、ビジネスシーンに求められるきちんと感と、女性らしい柔らかさの両方を表現できます。
ビジネスシーンにおける女性のコーディネートでは、脚の露出を控えるのが一般的とされるため、ストッキングやソックスを着用することが多いです。
スニーカーなどを履く場合は靴下、ワイドパンツなどで脚の露出が少ない場合はフットカバーを使うケースもあります。
場面や服装に合わせて、最適なものを選ぶと良いでしょう。
セットアップも好印象を狙えるのでおすすめ
ジャケットとボトムスが同じ生地で作られたセットアップは、着用するだけで統一感が生まれ、知的で洗練された印象を与えます。
インナーを変えるだけでも雰囲気を変えられるため、着回し力が高くなる点も魅力です。
パンツスタイルは活発な印象を、スカートスタイルはよりフェミニンな印象を演出できるなど、ボトムスの形でイメージを調整することもできます。
各アイテムの基本的な選び方
レディース向けのコーディネートで参考にしてほしい、各アイテムの基本的な選び方を解説します。
ジャケット編
レディースのジャケットは、テーラードジャケットが定番ですが、首元がすっきり見えるノーカラージャケットも上品で人気があります。
色はネイビー、グレー、ベージュといったベーシックカラーを選ぶと、さまざまなインナーやボトムスと合わせやすく着回しに便利です。
トップス編
トップスは、ブラウスやカットソー、ニットを中心に、色は白・グレー・ネイビーといったベーシックカラーを基本としましょう。
カラーアイテムとして使いたい場合は、顔色が明るく見える淡いピンクや水色などのペールトーンもおすすめです。
デザインはシンプルなものが基本ですが、首元が詰まったデザインや、華やかさをプラスできるボウタイ付きのブラウスも、きちんと感を演出できます。
ボトムス編
ボトムスは、動きやすくすっきりとしたシルエットのテーパードパンツが人気です。
スカートを選ぶ場合は、ジャケットとの相性を考慮し、膝が隠れる丈のタイトスカートやフレアスカートから選びましょう。
短すぎる丈や体のラインを強調しすぎるデザインは、ビジネスシーンに不向きなので注意が必要です。
パンツ、スカートのどちらを選ぶ場合でも、動きやすさと共に、座った時や屈んだ時の見え方にも配慮が求められます。
シューズ編
足元には、3~5cm程度のヒールがあるパンプスを合わせるのが一般的です。
色は黒やベージュといった、どんな服装にも合わせやすいベーシックカラーが重宝します。
足元に華やかさを加えたい場合は、派手過ぎないデザインのビットローファーがおすすめです。
また、近年では職場によってはシンプルなデザインのスニーカーが許容される場合もあります。
清潔感のあるホワイトや落ち着いたカラーを選べば、ビジネスカジュアルにもなじみやすいでしょう。
一方で、サンダルはカジュアルな印象が強いため、ビジネスシーンでは避けましょう。
ビジネスカジュアルの基本的なコーデ【小物編】

次にビジネスカジュアルの完成度を高める小物選びについて解説していきます。
服装だけでなく、ネクタイやカバン、時計といった小物にまで配慮することで、より洗練された印象を与えることが可能です。
ネクタイ
ビジネスカジュアルにおいて、ネクタイの着用は必須ではありません。
ただし、企業の文化や職種、あるいは重要な商談やプレゼンテーションといった場面では、着用が望ましいとされるケースもあります。
着用する場合は、コットンやリネンといった光沢を抑えた素材や、ニットタイがおすすめです。
デザインは、無地や小紋柄、ストライプなど、派手すぎない落ち着いたものを選びましょう。
ベルト
革靴にはレザーベルトを合わせるのが基本で、靴の色とベルトの色を合わせるのがファッションの基本的なマナーとされています。
ビジネスカジュアルであれば、チノパンにも対応できるメッシュベルトがおすすめです。
バックルはシンプルなものを選び、ブランドロゴが大きく主張されているものは避けましょう。
カバン
ビジネスカジュアルで使うカバンは、収納力の高いブリーフケースやトートバッグがおすすめです。
素材はレザーのほかにナイロンやポリエステルなども選択肢に入りますが、カジュアルすぎないデザインを選びましょう。
時計
ビジネスパーソンにとって、腕時計は時間を管理するための実用品であると同時に、人柄や信頼性を表すアクセサリーでもあります。
ビジネスカジュアルに合わせるなら、派手過ぎず品のあるアナログ式の時計がです。
ベルトは、ダークカラーの革製またはシルバーステンレスがマッチしやすいでしょう。
近年はスマートウォッチを着用する方も増えていますが、その場合もベルトを革製やメタル製に替えることで、ビジネスシーンにふさわしい落ち着いた印象を演出できるでしょう。
靴下
男性は椅子に座った際などに、ズボンの裾と靴の間から素肌が見えてしまうのはマナー違反とされていますが、ビジネスカジュアルだと問題視されない傾向があります。
スーツスタイルとは異なり、少し短めの靴下も着用できるので、シーンやコーディネートに合わせて選んでみましょう。
ビジネスカジュアルを揃えるまでの具体的なステップ
これまでの内容を踏まえ、実際にビジネスカジュアルのアイテムを揃えるための具体的な手順を4つのステップで紹介します。
何から手をつければいいか分からないという方は、この手順に沿って準備を進めてみましょう。
1.自社の服装規定を確認
まずは、会社の就業規則やガイドラインに目を通し、どこまでの服装が許容されているのかを正確に把握しましょう。
特にレディースアイテムは使える種類も多いので、自社のルールを確認しておくと安心です。
2.ビジネスカジュアルの購入場所をチェック
服装規定を確認したら、次はアイテムを購入する場所を検討しましょう。
ビジネスカジュアル向けの衣類は、以下のような店舗で取り扱われています。
ビジネスカジュアルの専門店
最初に挙げられるのは、ビジネスカジュアルを専門に扱うセレクトショップや、オーダーメイドのスーツやシャツを提供するオーダーメイドブランドです。
トレンドを程よく取り入れた、お洒落で質の高いアイテムが見つかります。
実店舗で試着せずに購入する場合は、サイズ感に注意して選びましょう。
ファストファッションブランド
ファストファッションブランドは、手頃な価格でビジネスカジュアルの基本アイテムを揃えられる点がメリットです。
手軽に一式揃えたい方や、消耗品であるインナーなどを買い足したい場合に便利ですが、高級感は出しにくいという側面もあります。
ビジネススーツ専門店
ビジネススーツを主力とする専門店でも、ビジネスカジュアル向けのアイテムが非常に充実しています。
スーツ作りで培われたノウハウを活かした、動きやすさや手入れのしやすさといった機能性に優れた商品が多いのが特徴です。
知識豊富な店員に相談しながら自分に合った服を選べるため、何を買えば良いか分からない初心者の方でも安心して買い物ができます。
3.ビジネスカジュアルの必須アイテムを購入
購入場所を決めたら、いよいよアイテムの購入に進みます。
最初の購入ですべてを揃えようとせず、まずはコーディネートの核となる以下のような「必須アイテム」から手に入れましょう。
メンズ:ネイビージャケット
男性が最初に購入すべき必須アイテムは、ネイビージャケットです。
さまざまな色のボトムスと相性が良く、着回しため重宝します。
同時にグレーのパンツを購入しておくと安心です。
レディース:ネイビーのセットアップ
女性の場合、最初のアイテムとしておすすめなのはネイビーのセットアップです。
フォーマルさが求められる場面でも通用する、きちんと感のあるスタイルが完成します。
ジャケットとパンツまたはスカートをそれぞれ単品で使える着回し力の高さも、初心者におすすめする理由です。
4.段階的にアイテムを揃えていく
基本となる必須アイテムを揃えたら、次はコーディネートのバリエーションを増やすためのアイテムを少しずつ買い足していきましょう。
次に買い足すべきアイテムは、以下を参考にしてください。
メンズ:チャコールグレージャケットとベージュチノパン
ネイビージャケットの次に買い足すなら、より落ち着いた印象を与えるチャコールグレーのジャケットがおすすめです。
ボトムスは、汎用性が高く1本持っていると便利なベージュのチノパンを加えましょう。
カジュアルな印象でチャコールジャケットとも相性が良く、コーディネートの幅をさらに広げてくれます。
レディース:グレーセットアップと淡色ブラウス
ネイビーのセットアップに加えて、ミディアムグレーのセットアップを買い足すと、着こなしのバリエーションが広がります。
顔周りを明るく見せてくれる、ペールピンクやサックスブルーといった淡い色のブラウスを合わせるのがおすすめです。
まとめ
ビジネスカジュアルには明確な定義はないため、「社外の人と会っても失礼にあたらないか」「自社の服装規定に沿っているか」という2つの基準で判断しましょう。
ビジネスカジュアル初心者の方は、男性ならジャケパンスタイル、女性はジャケットにパンツまたはスカートを合わせてみてください。
アイテムを選ぶ際に意識したいのは、清潔感やきちんと感、自分の体型に合ったサイズ感です。
本記事で解説したポイントを参考にしながら、ぜひビジネスカジュアルの着こなしを楽しんでください。


