スーツの裾上げの長さはどのくらい?自分に合った長さと失敗しないポイントを解説

スーツの裾上げの長さはどのくらい?自分に合った長さと失敗しないポイントを解説

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スーツのスラックスを購入する際、股下の長さが合っていない場合は、裾上げが必要です。
しかし、スーツの裾上げをしようとしても、長さをどれくらいにすればよいのか、迷った経験はありませんか。
そこで本記事では、スーツの裾上げに関する基礎知識や、長さを決めるときのポイントについて解説します。
また、スーツの裾上げ方法や注意点についても解説しているので、ぜひ参考にしてください。

スーツの裾上げに関する基礎知識

まずは、スーツの裾上げの計り方や、裾上げの種類といった基礎知識を解説していきます。

裾上げの正しい測り方

スーツのスラックスの股下を測るときの手順は、次のとおりです。

  • 手持ちのスラックスとメジャーを用意する
  • 平らな場所にスラックスを置く
  • 股の中央から裾までの長さを計測する

股から裾まで最短距離で測ってしまうと、裾の仕上がりが短くなってしまうため、股下の長さは縫い目に沿って計測しましょう。

また、スーツを初めて購入する場合は、購入店でスーツを着用し、裾の長さを測ってもらうのが一般的です。裾の長さは通常股下で測りますが、股上の深さによって数値が変わるため、総丈の目安もあわせて理解しておくと安心です。

測り方で失敗しないためのコツ

裾が長すぎたり、短すぎたりする仕上がりになってしまうと、スーツを着用したときの印象が良くありません。

裾上げの測り方で失敗しないためのポイントは、次のとおりです。

  • ベルトを着用して腰の位置を固定する
  • スーツに合わせる靴を着用する
  • 背筋を伸ばして正面を向く

スーツのベルトを締める位置は、腰骨になります。

スーツに合わせる靴に関しては、レディースの場合、スーツ用のパンプスを着用してください。

ベルトや靴を着用して計測すると、理想的な長さに裾上げできるでしょう。

種類

スーツの裾上げの種類は、次の3つです。

  • シングル
  • ダブル
  • ミシンタタキ

ここでは、特徴や最適な着用シーンについて解説していきます。

シングル

シングルとは、表地を内側に折り込み、まつり縫いで仕上げるタイプです。

表側から縫い目が見えないため、見た目の印象をすっきりさせることができます。

ビジネスシーンでは王道のスタイルであることから、シングル仕上げで裾上げするケースが多いです。

また、足が長く見えるため、タキシードや礼服を着用するフォーマルシーンでも人気があります。

丈の補正は、ステッチを解くだけと簡単で、裾の長さを自由に変更できるのも魅力です。

ダブル

ダブルとは、シングルの裾を外側に折り返し、立体感が出るようにまつり縫いで仕上げるタイプです。

裾に立体感が生まれるため、落ち着いた雰囲気を演出できます。折り返しの幅は3.5〜4cmが一般的です。

折り返した部分の留め方は、掃除がしやすいホック留めか、生地の厚みが出にくい糸留めから選べます。

なお、ダブルはシングルと比べると、ややカジュアルな印象となるため、フォーマルスーツやリクルートスーツでは避けましょう。

ウール系のスーツやセットアップのスーツであれば、ビジネスシーンでもダブル仕上げで着こなすことができます。

ミシンタタキ

ミシンタタキとは、裾を三つ折りにし、縫い目を見せるタイプです。

カジュアルな印象が強いことから、チノパンやジーンズの仕上げとして用いられます。

スーツの仕上げに使うこともできますが、フォーマルなスーツの仕上げには向きません。

ミシンタタキは針のあとが残ることから、縫い直すのが難しいためです。

基本的には、休日やプライベートで履くカジュアルパンツの仕上げに向いています。

スーツの裾上げで長さを決めるときのポイント

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ここからは、スーツの長さを決めるときのポイントを解説していきます。

パンツの太さに合わせる

スーツの裾の長さは、パンツの太さに合わせて決めると、全体のバランスがよくなります。

例えば、太めのスラックスを選んだ場合は、裾を長めにするのがおすすめです。

パンツが太めで裾が短いと、裾が広がってしまうことから、アンバランスな印象となってしまいます。

一方、細目のスラックスを選んだ場合は、裾をやや短めにすると、足元がすっきりとして好印象です。

なお、スーツの裾の長さの目安は、靴の甲部分に触れるか触れない程度にしましょう。

着用するシーンに合わせる

スーツを着用するシーンに合わせて、裾の長さを決めることも可能です。

代表的な3つの着用シーンに適した、スーツの裾の長さについて解説していきます。

ビジネスシーン

ビジネスシーンで求められるのは、清潔感や信頼感のある着こなしです。

具体的には、足の甲に軽くたるみができるワンクッションか、足の甲に軽く触れる程度でたるみがほとんどできないハーフクッションの丈感が、ビジネスの場面では最適といえるでしょう。

フォーマルシーン

結婚式や葬儀など、フォーマルシーンで着用するスーツの裾は、カジュアルな印象を避けるため、短くしすぎないことが鉄則です。

ビジネスシーンと同様、裾の丈感はワンクッションかハーフクッションを選びましょう。

カジュアルシーン

プライベートなカジュアルシーンでは、リラックス感のあるノークッションの丈感もおすすめです。

特に、夏はくるぶしが見えるくらい短めの丈感が人気です。

裾上げの種類も、シングルでなくダブルを選択すると、よりカジュアルな雰囲気を演出できるでしょう。

なお、オフィスカジュアルのシーンでは、業種や仕事内容によって適切な丈感が変わります。

そのため、周囲の着こなしや、取引先からの印象を考慮した上で、シーンをわきまえた丈の長さを選択しましょう。

靴に合わせる

スーツの丈の長さは、合わせる靴とのバランスを考えることが大切です。

靴を履いた状態で、ハーフクッションか、ワンクッションの丈感になるよう、裾の長さを調整しましょう。

なお、メンズの場合はビジネスシューズ、レディースの場合はヒールの高さが3〜5cmのパンプスを履き、長さを計測するのが基本です。

スーツを裾上げする方法

スーツのスラックスを裾上げする方法は、次のとおりです。

  • スーツの購入店で依頼する
  • 専門店に依頼する
  • 自分で裾上げをする
  • クリーニング店に依頼する

裾上げの方法ごとに、メリットやデメリットについて解説していきます。

スーツの購入店で依頼する

もっとも一般的な方法として、スーツを購入した店舗へ裾上げを依頼するのが挙げられます。

特に、初めてスーツを購入する場合は、スーツの用途に適した長さをアドバイスしてもらえるため、店舗に裾上げを依頼するのがおすすめです。

ほかにも、スーツの購入店で依頼するメリットは、お店が混んでいなければ、即日対応が可能な点です。

シングルやダブルなど、スーツの裾上げに慣れているため、安心して大切なスーツを任せられます。

さらに、スーツを購入した場合、裾上げの料金が無料になるサービスを提供している店舗もあります。

ただし、スーツの金額によっては有料の店舗もあるので、事前に確認しておきましょう。

専門店に依頼する

洋服や小物のリフォームを行う専門店にスーツのスラックスを持ち込み、裾上げを依頼する方法もあります。

シングルやダブルなど、スーツの裾上げにも対応しているため、手持ちのスーツの裾を直したい場合におすすめです。

専門店に依頼するメリットは、当日仕上げに対応していることです。

料金設定が比較的リーズナブルな点も、専門店の魅力となっています。

ただし、利用時間帯や混み具合により、当日仕上げるのが難しい場合もあるため、急いでいる場合は店舗に確認してから利用しましょう。

自分で裾上げをする

スーツの裾上げは、自分で行うこともできます。

一時的に裾上げしたい場合は裾上げテープ、しっかりと裾上げしたい場合は手縫いかミシン縫いがおすすめです。

自分で裾上げするメリットは、費用を節約できることですが、裾上げの技術や知識がないと失敗するリスクがある点に注意しましょう。

裁縫が得意な方や、ミシンが使える方にはおすすめの方法ですが、クオリティを重視したい場合はプロに任せるのが安心です。

それでは、裾上げテープの使用方法や、手縫いの手順を紹介します。

裾上げテープを使用する手順

裾上げテープを使用してスーツを裾上げする方法は、次のとおりです。

  • 裾上げに必要なアイテムを用意する
  • 股下の長さを計測する
  • 縫い代を残した状態で不要な裾をカットする
  • 折り目をつける
  • 裾上げテープをカットする
  • テープに水をつける
  • テープを縫い代に置く
  • アイロンでテープを接着する

裾上げテープは、一気にアイロンで接着させるのではなく、ゆっくりと体重をかけながら接着させるのがコツとなります。

表と裏は間違えやすいため、接着面をよく確認してからアイロンかけましょう。

また、アイロンを当てるときは、当て布を忘れずに使用してください。

手縫いで裾上げをする手順

手縫いでスーツを裾上げする手順は、次のとおりです。

  • 手縫いに必要なアイテムを用意する
  • 股下の長さを計測する
  • 縫い代を残した状態で不要な裾をカットする
  • 折り目をつける
  • 糸を使って縫っていく
  • 玉止めをする

スーツの裾を縫い始めるときは、縫い代の裏から針を通していきます。

縫い目の間隔は2mmくらいにすると目立ちにくいです。

なお、手縫いには、裾上げテープと比較すると、丈夫で長持ちしやすいというメリットがあります。

クリーニング店に依頼する

クリーニング店によっては、スーツの裾上げに対応している場合があります。

スーツをクリーニングに出すついでに裾上げが依頼できるため、別々に依頼する手間がかからないのがメリットです。

ただし、クリーニングのサービスがメインのため、裾上げはほかの業者に委託している場合があります。

その場合、裾上げ料金が割高になったり、納期が長くなったりする場合も デメリットがあるため、ほかの方法と料金や納期を比較の上、依頼を検討しましょう。

スーツを裾上げする際の注意点

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ここでは、スーツを裾上げする際の注意点を解説していきます。

男性と女性では測り方に違いがある

男性はスーツの裾の長さを計測する際、ベルトとビジネスシューズを着用しますが、女性はヒールの高いパンプスを着用します。

男性と女性では、スーツの裾上げの測り方が異なるため、混同しないように注意しましょう。

男性と女性で共通しているのは、足の甲に当たるくらいの丈感が、スーツのパンツには最適だということです。

女性の場合は男性と違って、スーツのスラックスのタイプが豊富にあります。

ストレートやテーパードの場合は、パンプスのヒールが少し隠れる長さが適切です。

また、フレアパンツやワイドパンツの場合は、やや長めにすると全体のバランスがよくなります。

左右の長さを同じにする

足を組む癖があったり、姿勢が悪かったりなど、人間の足の長さは左右で若干異なる場合があります。

片足だけを計測して裾上げを行った場合、イメージ通りの仕上がりにならないケースがあるので、裾上げの計測は両足で行うようにしましょう。

スーツの種類によって直せる範囲は異なる

ブランドによってスーツの製法が違うため、スーツによって直せる範囲が異なるので注意が必要です。

直せる範囲は、生地やデザイン、縫い代の長さが影響します。

また、同じブランドでも適切な裾上げ方法が異なるので、事前に確認しておきましょう。

全体のバランスを考慮する

スーツのスラックスを裾上げするときは、スーツ全体のバランスを考慮することが大切です。

裾上げで丈の長さが変わると、スーツのシルエットに影響を及ぼす可能性があります。

そのため、ほかの部分も調整する必要があるのかどうか、裾上げを担当するスタッフと相談した上で決めましょう。

スーツのジャケットの裾上げについて

スーツのパンツのみならず、ジャケットの裾上げも可能です。

それでは、最後にジャケットの裾上げについて解説します。

ジャケットサイズの目安

スーツのジャケットでサイズ直しが必要となる目安は、次のとおりです。

  • 肩幅が合っていない
  • 袖丈が長すぎる・短すぎる
  • 着丈が短すぎる・長すぎる
  • 身幅が太すぎる・細すぎる

ジャケットのサイズが合っていないと、シルエットが崩れて見た目の印象が悪くなります。

部位によっては、サイズを大きくしたり、長くしたりすることができない場合があるため、スーツを購入する前に確認しましょう。

サイズ直しが可能な範囲

スーツのジャケットのサイズを直す場合、大きくすることは難しいですが、小さくする対応は可能です。

ただし、袖上げの場合はボタンや装飾の有無により、費用が大きく変動するので注意してください。

なお、肩幅を詰めるのは難易度が高く、専門店でないと対応していない場合があります。

また、ウエストを詰めることも可能ですが、シルエットが変わってしまうことを理解しておきましょう。

オーダースーツもおすすめ

身体のサイズを測ってからスーツを作成するオーダースーツの場合は、裾直しが不要です。

既製品のスーツよりも価格は高くなりますが、自分の体型に合った理想的なスーツを手に入れられるでしょう。

まとめ

今回は、スーツの裾上げの長さを決めるポイントについて、詳しく解説してきました。

スーツの丈の長さは、着用シーンやスラックスの太さ、靴やベルトなどのアイテムなどを用いて決めることができます。

基本的には、ワンクッションかハーフクッションの丈感がおすすめです。

スーツのパンツに適した丈の長さに裾上げして、スーツをかっこよく着こなしましょう。