ウィングカラーシャツの着こなし術を解説!失敗しないマナー・正解コーデも紹介

ウィングカラーシャツの着こなし術を解説!失敗しないマナー・正解コーデも紹介

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ウィングカラーシャツは、結婚式や披露宴で着用されることの多いシャツです。
一方「どのように選べばよいのか分からない」「格好良い着こなし方とは?」など、ウィングカラーシャツについて悩む男性は少なくありません。
特別な日だからこそ、マナー違反や場違いな格好は、絶対に避けたいものです。
そこで本記事では、ウィングカラーシャツの基本的な仕様から、着用シーン、コーディネートの基本まで詳しく解説します。
また、ウィングカラーシャツに合わせる小物の選び方も、併せて解説していますので、ぜひ最後までご覧ください。

ウィングカラーとは?

まずは、ウィングカラーシャツがどのようなアイテムなのか、基礎的な知識から解説していきます。

ウィングカラーシャツの定義

ウィングカラーシャツとは、襟の先端が鳥の翼のように小さく折り返された立ち襟が特徴のシャツです。

この特徴的な襟の形状は、蝶ネクタイやアスコットタイを装着しやすい構造となっており、実用性とエレガンスなファッション性を両立させています。

なお、もっとも格式高いフォーマルシーンで着用されることが多く、タキシードやモーニングコートといった礼服に合わせて着用されるのが一般的です。

結婚式や披露宴での着用が基本

ウィングカラーシャツは、主に結婚式や披露宴などの慶事で着用されるのが基本です。

特に、新郎や主賓、親族の立場であり、タキシードやモーニングコートなど、正礼装や準礼装を着る際に用いられます。

また、夜の晩餐会や格式高いパーティーで着用されることはありますが、日常のビジネスシーンやカジュアルな場には適していません。

ウィングカラーシャツの基本的な仕様

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ウィングカラーシャツには、格式や着用シーンに応じて、基本的な仕様がいくつか存在します。

TPOに合わせた最適な一着を選べるよう、以下で解説する内容を理解しておきましょう。

基本の仕様は3種類

ウィングカラーシャツの主な胸元デザインは、「イカ胸」「ヒダ胸(プリーツ仕様)」「プレーン」の3種類です。

これらは、着用する礼服の種類や、どの程度のフォーマル度を求めるかで選ぶ必要があります。

イカ胸

イカ胸とは、シャツの胸部分に白い生地(一般的にはピケ素材)が二重に縫い付けられているデザインを指します。

胸元に勲章を付ける目的で補強されたデザインが起源とされており、その独特な形状から日本では「するめ」「いか」と呼ばれ、そのまま「イカ胸」という呼称が定着しました。

タキシードや燕尾服といった夜の礼服を着用する際、胸元に華やかさと格式高い印象を与えてくれます。

特に、もっとも格式高い夜の正礼装である燕尾服には、イカ胸のウィングカラーシャツを合わせるのが基本です。

ヒダ胸(プリーツ仕様)

ヒダ胸、またはプリーツ仕様とは、シャツの胸部分に細かなプリーツ(ひだ)が施されているデザインです。

胸元に立体感と優雅さをもたらす装飾で、プリーツの数が多いほど洗練された印象を与えてくれるでしょう。

ウィングカラーシャツは、主にタキシードに合わせて着用されることが多く、ドレッシーな印象を演出しつつ、イカ胸とは異なる柔らかい雰囲気を作ることもできます。

また、昼の正礼装となるモーニングコートに合わせることもできます。

プレーン

プレーンとは、胸元に装飾が一切なく、もっともシンプルなデザインのウィングカラーシャツを指します。

装飾がないため、どの礼服にも合わせやすく、汎用性が高いことが特徴です。

また、結婚式のゲストが着用する略礼装にも、胸元に装飾のないプレーンなウィングカラーシャツが合います。

すっきりとした印象を与えつつ、控えめながらも上品なフォーマルスタイルを演出したい場合に最適でしょう。

前立ての仕様は2種類

ウィングカラーシャツの前立て(ボタン部分)にも、フォーマル度や合わせる礼服により、異なる2種類の仕様があります。

比翼(フライフロント)

比翼(ひよく)仕立て、またはフライフロントとは、シャツのボタンが隠れるよう、前立てを二重にして覆っている仕様です。

ボタンが見えないため、胸元がすっきりと洗練された印象になり、もっともフォーマル度が高いとされています。

タキシードを着用する際に選ばれることが多く、ミニマルでエレガントなスタイルを好む方におすすめでしょう。

なお、フォーマルな場では、ボタンが見えすぎないようにすることが、紳士としての品格を保つポイントです。

スタッドボタン対応

スタッドボタン対応とは、前立て部分にボタンの代わりにスタッドボタン(飾りボタン)を装着できるよう、穴が開いている仕様です。

スタッドボタンは、タキシードと燕尾服のみに使用するものですが、統一感のある華やかな印象を与えられます。

カフスリンクスとセットになったものも多く、小物で個性を表現したい場合や、よりドレッシーな装いを求める場合にぴったりでしょう。

カフスはダブルカフス

ウィングカラーシャツのカフス(袖口)は、ダブルカフス(フレンチカフス)が一般的です。

ダブルカフスは、袖口を二重に折り返してカフスリンクスで留める仕様であり、もっともフォーマルなカフスの形とされています。

このダブルカフスにカフスリンクスを装着すると、手元に華やかさと品格を添えることが可能です。

ただし、シングルカフスがマナー違反となる訳ではなく、現代においてはフォーマルな場でも通用するとされています。

合わせるネクタイは2種類

ウィングカラーシャツの襟建て背面には、ネクタイがずれにくく、常にきれいな形を保てるよう、紐が輪になった状態で付いているのが一般的です。

そのため、ウィングカラーシャツに合わせるネクタイは、蝶ネクタイとアスコットタイの2種類に限られます。

蝶ネクタイ

蝶ネクタイは、ウィングカラーシャツによく合うネクタイで、もっともフォーマル度が高いとされています。

夜の準礼装であるタキシードには、黒の蝶ネクタイを合わせるのが伝統的なマナーです。

また、蝶ネクタイは顔周りに華やかさを加え、洗練された印象を与えてくれます。

そのため、結婚式の新郎や披露宴の主賓が着用するなど、格式高い場で活躍するアイテムです。

アスコットタイ

アスコットタイは、蝶ネクタイに次いでフォーマル度の高いネクタイで、英国発祥の歴史あるアイテムです。

昼間の礼装であるモーニングコートや、ディレクターズスーツに合わせることが多く、首元にボリューム感を出し、かつエレガントな雰囲気を演出します。

新郎や親族が昼間の結婚式で着用することもあり、華やかさや上品な印象を与えたい場合に選ばれることが多いです。

ウィングカラーシャツの着用シーンとコーディネートの基本

ウィングカラーシャツは、特定のフォーマルシーンでの着用が基本であり、そのシーンごとに適切なコーディネートが存在します。

結婚式

結婚式は、ウィングカラーシャツがもっとも活躍する場です。

新郎・主賓・親族など、ゲストそれぞれの立場に応じて、着こなしのマナーがあります。

新郎の正解コーデ

結婚式における新郎のもっともフォーマルな装いは、昼ならばモーニングコート、夜は燕尾服(えんびふく)です。

ただし、日本ではあまりルールに縛られず、昼夜関係なくタキシードを着用する傾向にあります。

タキシードのスタイルは、胸元にプリーツのあるホワイトのウィングカラーシャツを合わせる着こなしが基本です。

また、比翼仕立て、あるいはスタッドボタン対応を選び、蝶ネクタイとカフスリンクスを合わせましょう。

主賓・親族の正解コーデ

昼間の結婚式において、新郎新婦の父親がモーニングコートを着用する場合、胸元に装飾がないプレーンなホワイトのウィングカラーシャツを合わせるのが基本です。

ネクタイはアスコットタイか、慶事用のレギュラータイを選びましょう。

一方、夜の披露宴でタキシードを着用する場合は、新郎と同様にプリーツやイカ胸のウィングカラーシャツに蝶ネクタイを合わせるのが適切です。

なお、親族や主賓でディレクターズスーツを着用する場合は、プレーンなウィングカラーシャツで問題ありません。

ゲストの正解コーデ

ゲストとして結婚式に出席する場合は、フォーマルスーツ(ブラックスーツなど)を着用することが一般的です。

この際、ウィングカラーシャツのようなエレガントなシャツを合わせると、通常のドレスシャツよりも格調高い雰囲気を演出できます。

ただし、新郎よりも目立たないよう、胸元の装飾は控えめなプレーンなタイプを選ぶか、比翼仕立てのシンプルなものを選ぶとよいでしょう。

また、ネクタイは蝶ネクタイか、シルバーグレーなどのフォーマルなレギュラータイを合わせます。

二次会・パーティー

結婚式の二次会や、格式のあるパーティーでは、ウィングカラーシャツを取り入れることにより、一段上のドレッシーな装いを演出できます。

プレーンなウィングカラーシャツがおすすめですが、蝶ネクタイやカフスリンクスを工夫すると、華やかさを加えることも可能です。

ただし、カジュアルなパーティーでは浮いてしまう可能性があるため、会場の雰囲気やドレスコードを事前に確認しておきましょう。

入学式・卒業式

入学式や卒業式も厳粛なセレモニーであり、お子さまだけでなく、保護者の方にもフォーマルな服装が求められます。

ウィングカラーシャツは、結婚式や晩餐会などのもっとも格式高い礼装に用いられるシャツであるため、入学式や卒業式で着用しても問題はありません。

ただし、式典では立場の高い教職の方がウィングカラーシャツを着用するのが一般的です。

そのため、白無地のレギュラーカラーシャツやワイドカラーシャツなど、控えめかつ上品なドレスシャツを選択すると安心でしょう。

ビジネスシーンでは着用NGなので注意

ウィングカラーシャツはその性質上、ビジネスシーンでの着用には適していません。

ウィングカラーシャツは礼服としての役割が強く、日常的に着用するビジネスシャツとは性質が異なります。

そのため、ビジネスシーンで着用すると、場の雰囲気にそぐわず、マナー違反と見なされてしまう可能性があるので注意しましょう。

ビジネスシーンでは、レギュラーカラーやワイドカラーなどのシャツがおすすめです。

ウィングカラーシャツに合わせる小物の選び方

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ウィングカラーシャツを着用する際、合わせる小物にも気を付ける必要があります。

適切な小物を選ぶことで、全体のコーディネートが引き締まり、より洗練された印象を与えられるでしょう。

蝶ネクタイの選び方

蝶ネクタイは、ウィングカラーシャツにもっとも適したネクタイの一つです。

形や色によって印象が大きく変わるため、シーンに合わせて選びましょう。

基本の形は4種類

蝶ネクタイには、以下の4つの基本形があります。

バタフライ ・蝶が羽を広げたような形状で、もっとも一般的なタイプ
・華やかで存在感があり、格式のある結婚式に最適
セミバタフライ ・バタフライよりもやや小ぶりで、すっきりとした印象
・幅広いシーンで使いやすく、初めて蝶ネクタイを着用する方にもおすすめ
ストレートエンド ・蝶の羽が横一直線に伸びたような細身の形状
・よりカジュアルさが増し、シャープでモダンな印象
ポインテッド ・蝶の羽の先端が尖った形状で、個性的なデザイン
・おしゃれ上級者向けのアイテム

黒色と白色の使い分けについて

蝶ネクタイの色は、着用する礼服やシーンによって使い分けるのが基本です。

黒の蝶ネクタイは、夜の準礼装であるタキシードに合わせて着用します。

燕尾服を着用する際には、白の蝶ネクタイが伝統的なマナーとされていますが、現代では新郎が結婚式で着用するホワイトのタキシードに合わせて、白の蝶ネクタイを着用することもあります。

ゲストとしては、シルバーや黒など、落ち着いた色を選ぶのが基本でしょう。

アスコットタイの選び方

アスコットタイは、蝶ネクタイとは異なるエレガントな魅力を放ちます。

こちらも、着用する立場やシーンで選び方が異なるため注意が必要です。

新郎の場合

昼間の結婚式において、新郎がモーニングコートを着用する際は、アスコットタイが最適な適した選択肢の一つです。

色は白やシルバーなど、明るく上品なものを選び、柄は無地あるいは控えめな小紋柄がよいでしょう。

新郎が着用する場合は、もっとも格式高い装いを意識し、華やかさの中にも品格を感じさせるものを選ぶことが大切です。

親族の場合

親族としてアスコットタイを着用する場合は、モーニングコートやディレクターズスーツに合わせるのが基本です。

新郎よりも控えめな印象となるよう、落ち着いた色合いや柄を選びましょう。

基本的には、白系で無地のものがおすすめで、レギュラーカラーもしくはワイドカラーに合わせます。

礼服としての着用を意識し、派手すぎるものは避けるのがマナーです。

ゲストの場合

ゲストがアスコットタイを着用するならば、新郎が着用するモーニングコートを避け、ダークスーツに合わせましょう。

ゲストの立場では、タキシードやディレクターズスーツなどの準礼装が基本ですが、日本ではダークスーツも許容される場合が多い傾向にあります。

ただし、スカーフのようなカジュアルな巻き方は、フォーマルな場にはあまり適していません。

首元はプレーンノットやブラインドフォールドノットで結び、きちんとまとめるようにしましょう。

結婚式におけるカフスリンクスの選び方

カフスリンクスは、ダブルカフスのウィングカラーシャツに欠かせない小物です。

昼や夜の時間帯、そして自身の立場により、それぞれ適切な選び方があります。

昼に装着する場合

昼間の結婚式でカフスリンクスを装着する場合、光沢が控えめで、上品な素材を選ぶのが基本です。

具体的には、パール・白蝶貝・シルバーなど、シンプルなデザインが適しています。

  • ・ホスト側(新郎や父親など)の場合:金もしくは銀をベースに装飾は白を選び、 華やかさがありながらも品格を保つパールや白蝶貝がおすすめ。
  • ・親族として出席する場合:ホスト側と同様、上品で控えめなデザインを選ぶのが基本。
  • ・ゲストとして出席する場合:シルバーや控えめなデザインのものが無難だが、安っぽい素材は避ける。

夜に装着する場合

夜の披露宴やパーティーでカフスリンクスを装着する場合、パールや白蝶貝に加えて、オニキスや黒蝶貝などのデザインも選択肢となります。

  • ・ホスト側(新郎や父親など)の場合:タキシードには黒の装飾となるオニキスや黒蝶貝が基本で、燕尾服も昼間の場合と同じ基準で選択する。
  • ・親族として出席する場合:上品な輝きのあるものを選びつつ、新郎よりも控えめなデザインを意識する。
  • ・ゲストとして出席する場合:華やかで優雅な印象を持つものがおすすめ。

スタッドボタンとおそろいにする

タキシードを着用し、スタッドボタン対応のウィングカラーシャツを選ぶ場合は、カフスリンクスとスタッドボタンのデザインをそろえるのが基本です。

胸元から手元にかけて、統一感のある洗練された印象を与えることができます。

セットで販売されているものを選ぶと、迷わずにコーディネートへ組み込めるでしょう。

まとめ

ウィングカラーシャツは、結婚式や披露宴など、もっとも格式高いフォーマルシーンで着用されるシャツです。

イカ胸やヒダ胸といった胸元のデザインや、比翼仕立て、スタッドボタン対応の前立てといった基本的な仕様は、すべてフォーマルな場で品格と華やかさを演出するために存在します。

また、新郎・主賓・親族・ゲストなど、それぞれの立場や昼夜の時間帯により、礼服とウィングカラーシャツの組み合わせが変わる点も理解しておきましょう。

ぜひ、本記事で解説したポイントを押さえて、ウィングカラーシャツを格好よく着こなし、より魅力的な装いを実現してみてください。