結婚式のふくさ入れ方は？渡し方や色・柄のマナーを弔事も併せて解説
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ふくさとは、金封を包む布製のもので、冠婚葬祭には欠かせないアイテムです。
慶事と弔事では適したふくさが異なるため、あらかじめマナーを確認しておくことが大切です。
特に「ふくさの入れ方」は、金封を失礼なく渡すための重要なポイントです。
結婚式は準備期間がありますが、葬儀は突然訪れることが多いため、ふくさを一つ持っておくと安心です。
本記事では、弔事・慶事それぞれのふくさの入れ方や基本マナーを分かりやすく解説します。
ふくさとは
ふくさとは、ご祝儀や香典をはじめ、出産祝いやお見舞いなど、金封を渡すときに包むもののことです。
風呂敷のように包み込むタイプと、挟む二つ折りのタイプがあります。
色や材質もさまざまなので、どのようなものがあるのか、選び方などを詳しく解説するので、購入する際は参考にしてください。
ふくさとは何？
冠婚葬祭などで渡す金封はふくさに包み、渡すときにふくさから出します。
金封を直接バッグの中に入れると、折れ曲がったり汚れたりする可能性がありますが、ふくさに包むとキレイな状態を保てます。
また、贈る相手に対する敬意を表す役割もあるため、そのまま持ち運ぶのではなく、ふくさを使いましょう。
ふくさの種類
ふくさには挟むタイプと包むタイプがあり、包むタイプにはさらに爪や台がついたものもあります。
ふくさの種類を4つ、それぞれの特徴や使い方なども併せてご紹介します。
金封袱紗（きんぷうふくさ）
金封袱紗は二つ折りで、内側に金封を挟んで使います。
挟むだけの手軽さが人気で、マナーを面倒に感じる人でも金封袱紗ならストレスなく使えるでしょう。
風呂敷型
風呂敷と同じような四角い布のふくさで、サイズは風呂敷よりも小さいです。
もともとは風呂敷タイプのふくさが使われていたため、現在でも正式なふくさという位置づけとなっています。
年配の方が多い場や格式の高い場では、金封袱紗ではなく、風呂敷タイプを使うのがおすすめです。
爪付き
爪付きは、風呂敷ふくさに爪と留め糸がついているタイプで、包むだけでなく崩れないように留められるのが特徴です。
ふくさが崩れることを防げるため、開かない状態で安心して持ち運べます。
台付き
台付きふくさにはご祝儀袋を置く板状の台がついているため、固定した状態で持ち運べ、バッグの中で折れ曲がる心配がありません。
台の色は慶事用と弔事用で異なり、それぞれの場に合ったものを用意するようにしましょう。
台付きふくさには2種類があり、一つは風呂敷ふくさに台だけがついているタイプ、そしてもう一つは留めるための爪も付いているタイプです。
ふくさの色
ふくさにはさまざまな色がありますが、どの色でも自由に使えるわけではありません。
用途に応じた色選びが大切です。
- ・慶事（結婚式など）：朱や赤などの暖色系
- ・弔事（お葬式など）：紺やグレーなどの寒色系
- ・紫色：慶事・弔事どちらでも使用可能
ふくさには無地のものと柄入りのものがあります。
柄も色と同様にルールがあり、慶事では鶴や亀、松竹梅などのおめでたい柄、弔事では菊や蓮などが使われます。
そのため良いものを一つだけ持っておきたい場合や、慶事と弔事の両方で使いたい場合は、紫色の無地のふくさを選ぶのがおすすめです。
ふくさの材質
一般的に、ふくさの材質は正絹（シルク）が使われますが、中には化学繊維などの素材が用いられるものもあります。
ここでは、素材ごとの違いについて解説します。
正絹
正絹はシルクで作られていて、シルクならではの光沢や手触りは高級感があります。
正絹のふくさには西陣織など織り方に特徴があるものもあり、美しい柄は魅力的です。
化学素材のふくさよりも高額ですが、長く使える上にどのような場にも向いています。
合成繊維
合成繊維のふくさは、ポリエステルなどの化学繊維で作られています。
リーズナブルなので汚れても気軽に買い替えられるのが魅力で、急に必要になったときにとりあえず購入するにはよいでしょう。
学生や社会人になったばかりの若い方だと問題ありませんが、ある程度年齢を重ねた方には向いていません。
ふくさは必要？
ふくさは必ず使わなければならない決まりはありませんが、大人のマナーとして使うことが望ましいです。
風呂敷やハンカチなどで代用ができますが、正式な場ではマナー違反となります。
どのような場でも堂々と使えるものを準備しておきましょう。
ふくさの包み方
ふくさには挟むタイプと包むタイプがあり、金封の包み方が異なります。
ここでは、ふくさの包み方を紹介していきましょう。
挟むタイプ（金封袱紗）の包み方
挟むタイプのふくさは、二つ折りに金封を挟むだけなので、簡単に包めます。
しかし、開く向きがポイントとなっているため、間違えないようにしましょう。
慶事では自分から見て右側に開け、弔事では逆の左側に開くのがマナーです。
右開きの場合は、左側に金封を挟むポケットを置き、右側がポケットにかぶさるように閉じます。
弔事のときには左開きなので、金封を挟むポケットが右側になり、左側を金封にかぶせて閉じましょう。
包むタイプの包み方
包むタイプも慶事と弔事で向きが異なるため、間違えないことが大切です。
広げたふくさの上に金封を置きますが、慶事では自分から見て右開きが決まりのため、中心からやや左側に寄るように置くのがポイントです。
ふくさの左側を金封の上にかぶせ、下→上→右の順にたたみます。
弔事の場合は逆になるため、中心よりも右寄りに金封を置き、右→下→上→左の順に折りたたみましょう。
ご祝儀袋の渡し方
ご祝儀袋を渡す際にふくさを使いますが、ふくさかからどのように出して渡せばいいのか、迷ってしまうかもしれません。
ふくさからご祝儀袋を出して、渡すまでの手順を解説します。
挟むタイプ（金封袱紗）の渡し方
挟むタイプのふくさでは、渡す相手の目の前でふくさからご祝儀袋を出し、ふくさの上へ置きます。
ふくさとご祝儀袋を時計回りで相手の方向に向けて両手で渡す、というのが渡し方の流れです。
弔事の場合は相手側に向けるときに、反時計回りにするのが異なる点なので、間違わないように気を付けましょう。
渡すときには慶事ではお祝いの言葉を、弔事ではお悔やみの言葉を添えるとよいです。
包むタイプの渡し方
包むタイプはふくさの右側が開くように持ち、開いた右側の端を下へ折り返します。
右側だけを開いた状態で金封を引き出し、ふくさの上に置きます。
時計回りで相手の方向に向けて、お祝いと言葉とともに両手で渡しましょう。
また、挟むタイプと同じように、弔事の場合は逆時計回りで相手へ向けます。
包むタイプは慣れていないと扱いが難しく、ご祝儀袋をふくさの上にうまく載せられない場合は、ふくさを畳んで置いてから渡す方法もあります。
しかし、ふくさの上に載せたほうがスムーズで、立ち居振る舞いがスマートに見えるので、うまく渡せるよう事前に練習するのがおすすめです。
ふくさを使う時の服装
ふくさは冠婚葬祭で使いますが、冠婚葬祭の服装について簡単にご紹介します。
マナーを気にされることが多い冠婚葬祭の場では、ふくさを正しく使っていても、服装が間違っていては台無しです。
服装についても、しっかりとチェックしておきましょう。
慶事
慶事でふくさを使うのは、主に結婚式です。
親族の結婚式と友人の結婚式では、服装のマナーに違いがあるため、それぞれについて解説します。
親族の結婚式での服装マナー
結婚式で親族の立ち位置は、新郎新婦と一緒に列席するゲストをもてなす立場にあります。
そのため、服装もきちんとした印象のものを選ばなければなりません。
また、両家の親族で服装の格をそろえることが大切です。
格に違いが出ないよう、事前の打ち合わせが欠かせないでしょう。
間違えやすいですが、格式が同じであれば片方が和装でもう一方が洋装、という違いは問題ありません。
一般的に結婚式での親族の服装は、両親は正礼装、兄弟姉妹は両親よりも少し控えめな礼装または準礼装です。
特に注意が必要なのは、カジュアルウェディングなど、一般的な格よりも下の服装でそろえたい場合です。
会場の雰囲気に合わせて服装をカジュアルダウンした場合でも、どちらか一方の親族が「本当にカジュアルでよいのか」と不安に感じ、結局正礼装にしてしまうことがあります。
友人の結婚式での服装マナー
友人の結婚式では、女性は一般的にワンピースやドレスを着用します。
ドレスを購入・レンタルする際は、冠婚葬祭向けで露出が少ないタイプを選ぶことが大切です。
また、花嫁の色である白は避けるのはもちろん、ベージュも光の加減で白っぽく見えることがあるため、避けたほうが無難でしょう。
男性の場合は、スーツスタイルが基本です。
結婚式ではダークスーツ（黒・ネイビー・チャコールグレーなど）が無難で、シャツは白、ネクタイは華美すぎない柄や色を選びます。
派手な色や光沢の強いネクタイは避け、結婚式の場にふさわしい落ち着いたコーディネートを意識しましょう。
また、靴やベルトもスーツに合わせて黒や茶などのシンプルなものを選ぶと、全体の印象が整います。
弔事
弔事での服装は、3つの格に分かれています。
お通夜かお葬式か、親族か一般的な参列者なのかによっても、適した服装が異なるため、以下の表を参照してください。
| 正喪服 | 対象 | 服装 | シーン |
| 正喪服 | 喪主・三親等まで | 男性：モーニングコート 女性：和装 ブラックフォーマル |
通夜・葬式・三回忌までの法要 |
| 準喪服 | 喪主・親族・参列者 | 男性：ブラックスーツ 女性：ブラックフォーマル |
通夜・葬式・法要 |
| 略喪服 | 参列者・学生・子ども | 男性：ブラックスーツまたはダークスーツ 女性：スーツ・ワンピース 学生は制服 |
通夜・三回忌以降の法要・平服指定 |
「喪服」と聞いてイメージする服装は、準喪服とされているものです。
喪主から参列者まで、準喪服はどのシーンでも使えます。
制服がある学生は制服が正装となるため、赤などの華やかな色が入っていても喪服として使えます。
ネクタイやリボンなどの付属品も同じで、色や形に関係なく着用可能です。
乳幼児はダークな色の服が少ないため黒や濃紺にこだわる必要はなく、
ベージュなど、落ち着いた色のものを選ぶのがよいでしょう。
ふくさを購入できる場所
ふくさは日常的に買うものではないため、いざ購入しようと考えたときに、どこへ行けばいいのか迷ってしまいそうです。
ふくさは特別な場所でなく、普段の生活の中で買い物に訪れる場所にあるので、ご紹介します。
百貨店
上質なふくさを購入するなら、百貨店がおすすめです。
百貨店ではフォーマル服の売り場や小物コーナーで取り扱われており、品質の高い商品がそろっています。
種類も豊富にそろっているため、色や素材、デザインの中から自分の好みに合ったふくさを見つけやすいのが魅力です。
ショッピングモール
多くのショッピングモールには、ふくさを取り扱っている店舗が入っています。
フォーマル服のほか、紳士服やスーツ専門店などでも扱っている可能性が高いです。
雑貨店や文具店などでも、ふくさを取り扱う店舗があるため、探して回るか、館内にインフォメーションやサービスカウンターがあれば、問い合わせてみましょう。
スーツ専門店
フォーマルスーツを扱うスーツ専門店では、ふくさの取り扱いもあり、種類が豊富な店舗も多くあります。
礼服やネクタイと一緒にふくさを購入できるのはもちろん、ハンカチや靴下など、必要なアイテムを一式そろえたいときにも便利です。
AOKIでも、礼服と合わせて必要な小物をそろえることができます。
仏具店
仏具店も、ふくさを購入できる場所の一つです。
しかし、慶事と弔事では使える色が異なるため、慶事のふくさは仏具店では取り扱いがない可能性があり、注意しなければなりません。
間違えて弔事用のふくさを購入しないよう、慶事用の色をしっかりとチェックしておくとよいでしょう。
オンラインショップ
オンラインショップだと店舗へ行く必要がないので、自宅などどこにいても購入できる手軽さが魅力です。
しかし、発送から到着まで時間がかかるため、使いたい日に間に合わない可能性があるので、余裕を持って購入するようにしましょう。
また、手触りなど実際の状態を確認できないため、こだわりがある人は注意が必要です。
100円ショップ
意外かもしれませんが、ふくさは100円ショップでも購入可能です。
ただし、すべての店舗で取り扱いがあるわけではないため注意が必要です。
購入する場合は、ご祝儀袋コーナーや文具コーナーを探してみましょう。
なお、百貨店やスーツ専門店で扱うような上質なものではないため、使い続けるうちに買い替えが必要になるでしょう。
ふくさ使用時に気を付けたいポイントと代用法
ふくさを使うときに何か気を付けることはあるのか、日常的に使わないものだからこそ、不安に思う人も多いでしょう。
また、ふくさがない場合にはどうすればいいのかも気になるところではないでしょうか。
ふくさを使用する上で気を付けるポイントや、ふくさの代用となるものを紹介します。
スーツのポケットに入れる際の注意点
ご祝儀袋を直接スーツのポケットに入れるのはよくないですが、ふくさに包んでいる状態では問題ありません。
女性はバッグを持つことが多いため、ふくさもバッグに入れて持ち歩くのが一般的です。
しかし、男性はバッグを持たない人も多く、バッグを持たない場合にはふくさをスーツのポケットに入れます。
ポケットに入れているときに、ご祝儀袋が折れ曲がったり水引が傷んだりしないように気を付けましょう。
代用品として使えるアイテム
ふくさを準備できない場合、スカーフやハンカチを代用品として使えます。
しかし、正方形であれば代用が可能とは限らず、ふくさに適したものでなければ使えません。
急にふくさが必要になったために代用品で済ませるには問題ありませんが、その後も代用品をふくさとして使うことはおすすめできません。
金封を渡す際にはふくさに包むことがマナーなので、できるだけ早めに購入しておきましょう。
若い人はふくさを使う機会が少ないかもしれませんが、年齢とともに使用する機会は増えていきます。
結婚式やお葬式はもちろんのこと、出産祝いやお見舞いなどにも使い、郵送ではなく対面で渡す場合には必ず使うものです。
使う機会が少ない人も、長く使えるものを購入するのがおすすめです。
代用する際の注意点
ふくさの代用品としてスカーフやハンカチなどを使う場合、色や柄に注意しなければなりません。
代用であっても、使用できる色や柄はふくさと同じなので、暖色系であれば慶事に使え、寒色系のものは弔事に使います。
また、シワや折り目は伸ばして使うのがおすすめです。
使う前にアイロンがけをして、シワなどがないキレイな状態で使いましょう。
まとめ
ふくさについて、金封の入れ方や渡し方、注意点などを解説しました。
購入できる場所も紹介しているので、どのようなふくさが必要なのかを確認した上で、適したものを選びましょう。
普段の生活ではマナーについて意識する機会は少なくなってきていますが、冠婚葬祭の場ではマナーを守り、お祝いやお悔やみの気持ちを丁寧に伝えることが重要です。
正しいふくさを選び、正しく使うことで、相手への配慮や礼儀をしっかりと示しましょう。
