約7割の女性がメンタルや仕事への悪影響を実感 夏の冷房ストレスの実態を徹底調査!

約7割の女性がメンタルや仕事への悪影響を実感
夏の冷房ストレスの実態を徹底調査!

2025.05.28

  • お悩み

観測史上1位の記録的な猛暑になった昨年同様、この夏も猛烈な暑さが予測されています。ジャケジョ研究所では、エアコンなしでは過ごせない季節を前に、20~50代の働く女性を対象に「夏の冷房ストレスに関する意識調査」を実施しました。女性たちには、冷えに対するどんな悩みがあるのでしょうか。さらに、「冷房による冷えがもたらす心と体への影響は見過ごされがち」と語る、産婦人科医・尾西芳子先生のアドバイスを軸に、多くの女性に起こり得る夏の"隠れリスク"に焦点を当て、冷え対策の実態と、日常生活に取り入れやすい対策方法をご紹介します!

夏の冷房による冷えは
「メンタルヘルスや仕事へのモチベーション」に悪影響?

#ジャケジョの皆さん、夏の間は冷房がしっかり効いたオフィスやご自宅で過ごすことも多いのではないでしょうか?
ジャケジョ研究所が「夏の冷房ストレスに関する意識」を調査したところ、じつに68.2%の働く女性が「夏の冷房による冷えが、メンタルヘルスに悪い影響を与える」と回答。「仕事へのモチベーション」に対しても75.3%の女性が、悪い影響を感じていることがわかりました。これを読んでくださる皆さんの中にも、これから始まる冷房の季節を前に不安を覚えている方もいらっしゃるかも知れませんね。

「メンタルヘルスや仕事へのモチベーション」に悪影響?

「メンタルヘルスや仕事へのモチベーション」に悪影響?

「冷房による冷え」は女性の体調やメンタル、仕事のパフォーマンスに大きな影響を及ぼしながら、これまで社会的に十分に可視化されてこなかった課題のひとつ。ジャケジョ研究所では、女性特有の健康課題が原因で、年間約3.4兆円もの経済的な損失が生じている深刻な社会問題として着目し、冷えがもたらす影響を可視化し、働く女性が"冷え切る前"から取り組める新たな対策の可能性を探ります!

「冷房が原因で体調を崩したことがある」女性が約7割も!

調査によると、夏の暑い時期に「冷房が原因で体調を崩した経験がある」と回答した人は、65.8%と全体の約7割にものぼります。冷房なしでは過ごせない外気温の高さゆえ、冷房が快適な室内環境をつくってくれる一方で、多くの人が健康への影響を実感、実際に体調への悪影響を及ぼしかねないことを示しています。

具体的に職場において冷房による冷えが与える影響を尋ねたところ、「肩こりやだるさなど体調不良につながる」が45.6%も。体調の不調に加え、「集中力が低下する」が 40.9%、「ストレスによるモチベーション低下」が31.5%とメンタルヘルスの不調が気になる人も多く、冷房による身体の冷えが仕事のパフォーマンス低下につながるリスクも読み取れますね。

「冷房が原因で体調を崩したことがある」女性が約7割も!

「冷房が原因で体調を崩したことがある」女性が約7割も!

オフィスでの冷房対策は?
「携帯性」「利便性」「軽さ」が、冷え対策アイテムのキーワード

冷房によって心身の体調を崩さないためにも対策が必要!ということで、職場の冷房による夏の冷え対策についても実態調査してみました!

対策として最も多かったのは「衣類や膝掛けで調整する」の55.9%と、半数以上の方がカーディガンを羽織るなど、身に着けるもので温度調整をしていることがわかります。続いて「温かい飲み物を飲む」が48.0%、「冷房の効いていない場所に移動する」が30.9%など、仕事中に労力をかけず、手軽にできる対策が上位にランクイン。「空調の設定温度を調整・相談する」(28.0%)、「ストレッチなどで体を動かす」(25.2%)といった工夫も見受けられますが、それができるか否かは正直、職場の規模や環境次第。多くの方は、衣類や温かい飲み物を飲むなど、周りを巻き込まず個人でできる対策を行っていることがわかります。

「携帯性」「利便性」「軽さ」が、冷え対策アイテムのキーワード

では、働く女性たちが実際にどんな対策アイテムを欲しているのか、調査結果を見てみましょう。最も求められている機能として、第1位は「持ち運びしやすいサイズ」の 19.3%で、次いで「利便性」16.6%、「軽さ」16.1%となりました。この結果から、日常的に持ち歩くことを前提に、"携帯性"や"手軽さ"を重視していることがわかります。また、「洗濯・お手入れが簡単」や「周囲の目が気にならないデザイン」といった回答からは、使い勝手の良さや見た目への配慮もされていることが読み取れます。これまでの調査結果でも、#ジャケジョたちは清潔感や周囲への心配りを重視する傾向がありましたが、冷え対策グッズにも共通した価値観と言えるかもしれません。

実際に、冷え対策として多くの女性が取り入れているアイテムを調査したところ、第1位は「カーディガン」で47.8%、続いて「膝掛け」が45.4%と、手軽にさっと体温調節ができるアイテムがランクイン。加えて、「靴下・スリッパ」が32.0%、「温調下着などのインナー」が24.5%と、インナー系アイテムも活用されている模様です。身体の冷えを根本から防ごうとする意識の高さがうかがえますね。

また、フォーマルな装いが求められるビジネスシーンでは、「ジャケット」も18.5%と支持を集めています。ジャケットは、どうしてもラフな服装になりがちな夏の間も、羽織るだけでビジネスに対応できるきちんと感を保ってくれる頼もしい存在。さらに、冷えやすい肩や腕まわりをカバーして体調管理にも役立つ、信頼感と機能性を備えたアイテムとして選ばれているようです。

「携帯性」「利便性」「軽さ」が、冷え対策アイテムのキーワード

「携帯性」「利便性」「軽さ」が、冷え対策アイテムのキーワード

多くの女性が自分なりの冷え対策を講じている一方で、「正しい対策方法がよくわからない」が30.6%、「自分に合った対策を提案してほしい」が28.1%、「自分に合う方法が見つかっていない」が27.3%と、対策の効果が感じられなかったり、「冷え対策の正解」を求め手探りの状態が続いていたりと、迷いがある女性が多いことがわかります。その迷いこそが、夏の冷房による冷えにまつわる大きな課題なのかもしれませんね。

「携帯性」「利便性」「軽さ」が、冷え対策アイテムのキーワード

産婦人科医・尾西芳子先生が解説!
夏の冷房による冷えリスクと今すぐ始められる対策

これまでの調査により、夏の冷房による冷えが働く女性の体調や仕事のパフォーマンスに見えない影響を及ぼしていることがわかったところで、専門家に見解をお伺いします。教えてくださるのは、女性の健康課題とライフスタイルに精通した産婦人科医であり、当ジャケジョ研究所特任研究員でもある尾西芳子先生。冷房ストレスが身体に与える影響、日常生活や職場でできる効果的な対策、そして働く女性の服装と冷えの関係について、専門的な視点から解説いただきます!

まずは尾西先生のご紹介から。

産婦人科医・尾西芳子先生が解説!

医師(産婦人科専門医)/神谷町WGレディースクリニック院長
女性のヘルスケアを専門とし、周産期やがんの治療、不妊治療など専門にとらわれずトータルで診察し、日々の女性の悩みに寄り添った診療をおこなっている。コメンテーター、雑誌・WEB記事の監修、医療ドラマの監修、デリケートゾーンケア商品の監修、企業向けの働く女性に向けた研修、管理職の男性に向けた研修など多岐にわたり活動。

―なぜ、夏でも女性は冷えに悩まされやすいのでしょうか。

女性が冷えに悩まされやすい最大の要因は、男女の身体構造の違いです。筋肉は熱を生み出しますが、女性は筋肉量が少なく、脂肪が多い傾向にあるため、体内で熱がつくられにくく、冷えやすいのです。しかも脂肪は、一度冷えると温まりにくい性質があります。さらに女性ホルモンの影響で、むくみや自律神経の乱れが起こりやすく、生理中は体温が下がりやすいため、冷えを感じやすくなります。服装の影響も見逃せません。下着やストッキングの締めつけによる血行不良、首・手首・足首の露出傾向があることも、冷えの原因になっています。

―なるほど。では、冷えを放置するとどのようなリスクがあるのでしょうか。

夏の冷えは、いわゆる"冷房病"を引き起こします。原因は、屋外と屋内の極端な温度差による自律神経の乱れです。これが肩こりや頭痛、生理痛の悪化を引き起こし、慢性化すれば気分の落ち込みや集中力の低下にもつながります。「気づかぬうちに、冷えがメンタルを削っていく」これが冷えの怖さです。放っておくと、仕事のパフォーマンスにも確実に影響してしまいます。

―では、どんな対策が効果的でしょうか。

まず意識してほしいのが、"冷える前に温める"ということです。とくに"首・手首・足首"の"三首"は、太い血管が通る冷えの急所です。この"三首"を覆うだけでも大きな予防効果があります。また、手先や足先などの末端が冷えると血流が滞り、肩こりや頭痛などの不調につながることもあります。服装なら、夏でも薄手のタートルネックや、首の裏・手首を覆いやすいジャケット、足首まで隠せるパンツスーツなどを活用すると良いですね。

また、冷たい飲み物ばかりではなく、温かいお茶や味噌汁、生姜や根菜などの食材を取り入れる"内側からの温活"も有効です。

―オフィス環境ですぐに始められる工夫はありますか?

まずは、風が直接当たらないように空調の向きを調整したり、羽織りものや膝掛けを常備するなど、手の届くところから対策を始めてみてください。

中でも、ビジネスシーンでも着用するジャケットやカーディガンなどの羽織りものは、首や手首、腰まわりを冷えから守るのに役立ちます。特に、ジャケットは襟や裏地があるので、首・手首を守り、丈もあるので足元に掛けても温かさを保てるのでおすすめです。また、足を動かす軽い体操やストレッチも、血流を促して冷えにくい体づくりに繋がります。日々の小さな工夫が、心と体の健康を支えてくれます。

―働く女性や企業に向けてメッセージを

"夏の冷え"は見えにくく、つい我慢されがちです。しかし実際には、じわじわと心身を蝕む、深刻なリスクです。だからこそ、「冷え対策=自己責任」とせず、職場環境や制度の整備も含めて、社会全体で取り組むべき問題だと思います。

経済産業省が2024年2月に発表した試算によれば、女性特有の健康課題による経済損失は、年間でおよそ3.4兆円にものぼります。これは、もはや個人の工夫や努力だけで解決できる問題ではありません。冷えに向き合うには、服装・食生活・職場環境という"3つの方向"から整えていくことが大切です。 "冷える前に温める"予防意識を持つことが、健康で前向きにお仕事に取り組むための力になっていくはずです。

―尾西先生、ありがとうございました!

冷房による冷え対策は、女性個人だけの問題ではない!

今回の調査により、職場における冷房による体の冷えは、自律神経や血行不良を引き起こし、体調不良だけでなくメンタルヘルスや仕事のモチベーション低下にもつながることがわかりました。大事なのは、"体が冷える前に温める"こと。ジャケットや膝掛け、三首を温める、温かい飲み物を飲むなどの工夫の積み重ねが冷えから体を守ってくれます。とはいえ、冷房による冷え対策はもはや社会問題。個人の工夫に頼らず、企業や社会が真剣に取り組み、服装・食生活・職場環境の3つの方向から整えていく必要がありそうです。この夏、冷房による冷え対策に真剣に取り組んでみてはいかがでしょう。

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