面接での正しいノックの回数は？他にも気をつけたい面接マナーを解説
面接では、話す内容や受け答えだけでなくマナーも重要です。
入室時のノックもその一つで、ノックする瞬間から面接が始まると言っても過言ではありません。一方で、普段からノックの回数やマナーを意識している学生は少ないかもしれません。
この記事では、面接官に好印象を与える正しいノックの回数や、ノック以外にも気をつけたい面接時のマナーをまとめているので、参考にしてみてください。
目次
面接でのノックの回数は3回が基本
面接でのノックの回数は、3回が基本です。ただし、業界や企業によってルールが異なることがあるので、事前のチェックが大切です。
日本では、ノックは3回が一般的
日本企業におけるノックは3回が一般的です。2回はトイレの空室確認など日常的な動作に用いられ、ビジネスの場には不相応とされるため、「ノックは3回がマナー」と覚えておきましょう。
外資系企業では、ノックは4回が一般的なことも
マナーの国際ルールを定めた「プロトコール・マナー」では、ノックの回数ごとに以下のように定義しています。
・2回：空室確認（トイレの入室確認など）
・3回：入室確認（家族や友人・恋人など親しい人や身近な人に対して）
・4回：入室確認（ビジネスシーン、礼儀が必要な場面、初訪問の場所）
国際的な基準においては、ビジネスシーンのノックは4回が正しいとされています。
立て続けに4回叩くのではなく、「コンコン、コンコン」と2回ずつ2度ノックするのがスマートです。
日本とはルールが異なる外資系企業などでは、ノックは4回が一般的なことがあるため、注意が必要です。
良い印象を与えるノックのコツ
入室時のノックで良い印象を与えるには、いくつかのコツがあります。事前に練習しておくと、本番でも焦らずスムーズな入室ができるでしょう。
適度な速さでノックする
面接の場では、ノックの「速さ」も第一印象を左右します。緊張時でもぶれにくいテンポの目安を押さえておきましょう。
目安は2秒で3～4回程度
ノックのスピードは、2秒で3～4回程度が理想です。
速すぎるノックは慌ただしさを感じさせ、反対に遅すぎると不自然な印象を与えることがあります。
適切な速度を意識しましょう。2秒程のテンポでノックすれば、相手の聞き取りやすさを心がける礼儀正しさや、落ち着いた人柄を印象付けやすくなります。
相手に聞こえる音量でノックする
ノックは、面接官に聞こえる音量を心がけることも大切です。
小さすぎるノック音は、面接官が気づかなかったり、ノックされたか不安に感じたりする可能性があります。一方で大きすぎるノック音は、驚かせたり威圧感を与えたりするリスクがあるため注意してください。
理想的な強さは、部屋の奥まで届きつつ、不快になるほど強くない音量とされています。適度な大きさで鳴らすコツは、手を軽く握り、中指の第二関節を使うことです。緊張する場でも適度な音でノックできるよう、あらかじめ練習しておきましょう。
ノックをした後、着席するまでの流れ
ここでは、面接でノックした後、着席するまでの流れを紹介します。自然にこなせるように事前に練習し、体になじませておきましょう。
【1】ドアを3回ノックする
入室前に3回軽くノックします。
面接官から「どうぞ」と声がかかったら「失礼いたします」と言い、ドアを開けて入室します。
【2】入室し、ドアを閉める
ドアを開けて入室したら、ドアに向き直って静かに閉めます。
後ろ手で閉めるのはマナー違反となるため、必ず体ごと、ドアに向き直るように意識しましょう。また、音を立てないように配慮しながら、ゆっくりと閉めることも大切です。
集団面接などの場合は、途中でドアを閉める必要はありません。閉めるのは、最後に入室した人に任せましょう。
【3】面接官の方を向き、お辞儀する
ドアを閉めたら面接官の方を向き、背筋を伸ばして30度の角度でお辞儀します。
このとき、明るい声で「よろしくお願いいたします」と一言添えましょう。指先をまっすぐ伸ばすことを意識すると、美しいお辞儀になります。
【4】椅子の横に立ち、挨拶をする
お辞儀をしたら姿勢を正して椅子の出入口側に立ち、挨拶をします。
「本日はお時間をいただき、ありがとうございます。〇〇と申します。よろしくお願いいたします」と自己紹介を交え、再度お辞儀をしましょう。このとき、面接官に目線を向けることを忘れないでください。
【5】面接官から「どうぞ」と言われたら着席する
着席は、面接官から促されてから行うのがマナーです。
自己紹介とお辞儀が終わったからといって、勝手に着席してはいけません。
面接官から「どうぞ」と促されたら、「失礼いたします」と一礼し、浅く椅子に腰かけましょう。
入退室以外に気をつけたい面接マナー
面接では、入退室以外にも気をつけるべきマナーがあります。話し方や仕草、身だしなみにも注意が必要なので、確認しておきましょう。
表情・話し方
面接時は明るく落ち着いた表情と、聞き取りやすい話し方を意識してください。
普段よりも少し大きめの声でハキハキ話しましょう。相手にしっかり声を届けることや、自信を持って受け答えすることを心がけると、熱意が伝わりやすくなります。
態度・仕草
面接中は、面接官に目線を向けることも大切です。
自分が話すときだけでなく、話を聞くときも相手の目をしっかり見ると、誠実な印象を与えられます。
腰かけるときは座面の半分くらいの位置で背筋を伸ばし、手は膝の上に置くのが基本です。
男性はこぶし一つ分くらい足を開き、女性は膝を揃えましょう。深く座りすぎると背もたれに体を預けた状態になりやすく、失礼にあたるため注意が必要です。
挨拶
ただ頭を下げるのではなく一言添えることも心がけ、入退室時、着席時なども挨拶することが重要です。
面接中のみならず、会場の外やエレベーター、受付などで社員とすれ違うときにも、欠かさず挨拶すると良いでしょう。
身だしなみ
面接では身だしなみも重要です。
まず髪型は清潔感を与えるため、顔や目にかからないスタイルを意識しましょう。
メイクはナチュラルに仕上げると好印象を与えられます。
スーツは黒やダークネイビー、ワイシャツは白が一般的です。シワや汚れがないか訪問前にチェックしてください。男性のネクタイは無地やレジメンタル、チェックなど派手すぎない柄を選び、女性は替えのストッキングを準備しておきましょう。
面接会場付近には時間に余裕をもって到着し、公共機関や立ち寄ったカフェなどの鏡で全身をチェックしておくと安心です。
ノックに関する気になる質問
ここでは、面接時のノックに関して浮かびやすい質問をまとめました。
Q1.ノックをしても応答がなかった場合は？
ノックをしても面接官から応答がない場合、数秒待って再度ノックしましょう。
2度目のノックにも応答がなければ、静かにドアを開け「失礼します」と挨拶して入室します。
覗くようにドアを開けたり、おずおずと入室したりすると、マイナスのイメージを持たれることもあります。応答がない場合も、動揺せずしっかり挨拶して入室してください。
Q2.面接室に誰もいない場合でもノックするべき？
面接室に誰もいないことが分かっていても、ドアは必ずノックし、礼儀を守る姿勢を示しましょう。
空室をノックしても問題はないため、心配はいりません。
Q3.面接室にドアがない場合は？
面接室にドアがない場合、ノックなしで入室しても構いません。
ただし、入室前に「失礼いたします」と声をかけ、入室する意思を面接官に伝えましょう。
Q4.ノックを忘れてしまったらどうすれば良い？
面接時、緊張からノックを忘れて入室した場合でも、入室後に改めてノックする必要はありません。
「ノックせずに入室してしまい、失礼しました」など、謝罪の言葉を添えて入室すると丁寧な印象を与えられます。
Q5.ノックをせずに入室するパターンはある？
以下のようなシーンでは、ノックをせずに入室する場合があります。
・面接官と一緒に入室する場合
・集団面接で、2人目以降に入室する場合（最初に入室する人以外のノックは不要）
・ドアがすでに開いていて、面接官から「どうぞ」と入室を促された場合
【記事まとめ】ノックの回数は3回が基本！ノック以外のマナーも押さえておこう
日本の面接におけるノックの回数は3回が一般的ですが、外資系企業などでは4回がマナーとなる場合もあります。
面接では、礼儀を意識した行動や態度など、好印象を抱かれる人柄を伝えることも大切です。マナーを押さえつつ、好印象を与えられる行動を意識して、面接を乗り切りましょう。