
書留とは?簡易書留と一般書留の違いや使い分け方、送り方を解説
就活では、履歴書やエントリーシートなど、重要な書類のやり取りは企業から「書留」の使用を指示されて郵送することがあります。オンラインでのやり取りが主流となった今、書留の送り方を知らない就活生は多いかもしれません。
この記事では、書留の種類や使い分け方、送り方などを解説しているので、ぜひ参考にしてください。
書留とは
「書留(かきとめ)」は、郵便物の配達状況を郵便局で記録しながら安全に届けるサービスです。
普通郵便とは異なり、受け取りにはサインや押印が必要なため、手渡しで配達されます。土日・祝日も配達可能で、送付日数は通常の郵便物よりもやや速い傾向にあり、速達にするとさらに早く届けられます。
また書留は、郵便物が紛失・破損した場合、一定の保証が受けられることも特徴です。
書留のメリット
書留を利用するメリットを紹介します。
郵便追跡システムを利用できる
書留は、差し出しから配達完了までの流れをインターネットで確認できます。
記録されるのは郵便物の引き受けから配達、受け取りまでの過程ですが、利用する書留の種類により記録内容は異なるので、事前に確認しておきましょう。
当日中の再配達や配送日時の指定も可能
書留は基本的に対面での受け渡しとなるため、受取人がいない場合は不在票が投函されます。
不在票から当日中の再配達や希望日時を指定でき、17時頃までに再配達を依頼すれば、当日21時頃と夜遅い時間まで対応してくれます。
また、土日・祝日も配達が可能です。大切な書類を確実に相手の手元に届けられるため、通常の郵送よりも安心できるシステムといえるでしょう。
履歴書を書留で送っても良い?
書留は信頼度の高い郵送方法ですが、受け取り側の受領印が必要なので、期日までの受け取りが困難になる可能性もあります。志望企業の担当者に負担をかけてしまうかもしれないため、書留は先方からの指示があったときだけ利用しましょう。
書留の種類と料金
書留にはいくつかの種類があります。送る内容や目的によって適した方法を選びましょう。
簡易書留
簡易書留は、書留のなかで最も安価で、一般的によく利用される方法です。
配達状況の確認は、引き受け時と配達時のみとなり、経由した郵便局は確認できません。簡易書留は、通常の郵便料金+350円で利用できます。
現金書留
現金書留は、その名の通り現金送付専用の書留で、一般書留のひとつです。専用封筒に梱包し、最大50万円まで損害が補償され、送金できます。簡易書留とは異なり、引き受けから配達までの送達過程を確認することができます。
利用料は基本料金+480円で、損害要償額の1万円を超える場合は、5千円超過ごとに11円加算されます。
(例)送金額5万円の場合:110+480+88=678円
●基本料金(50gまで)1通:110円
●書留基本料金:480円
●加算料金:88円
・超過額:送付額5万円-損害要償額1万円=4万円
・加算倍率:超過額4万円÷5千円=8
・加算額:11円×8=88円
一般書留
一般書留は、重要度の高い書類や貴重品を送る場合に適しています。現金書留と同様、引き受けから配達までの送達過程を確認できます。
金・銀・ダイヤモンドなどの貴重品は、郵便局の約定で一般書留にするよう定められているため、利用する際は注意しましょう。補償限度額は最大500万円まで指定可能ですが、内容品の時価を超える設定はできません。価格が曖昧な宝石や有価証券などは、時価や購入価格などから指定してください。
利用料は基本料金+480円で、損害要償額が10万円を超える場合は、5万円超過ごとに23円加算されます。
(例)損害要償額50万円を指定した場合:110+480+184=774円
●基本料金(50gまで)1通:110円
●書留基本料金:480円
●加算料金:184円
・超過額:送付額50万円-損害要償額10万円=40万円
・加算倍率:超過額40万円÷5万円=8
・加算額:23円×8=184円
簡易書留と一般書留の違い・使い分け方

ここでは、簡易書留と一般書留の違いや使い分け方を解説します。
簡易書留と一般書留の違い
下表に簡易書留と一般書留の違いをまとめました。
| 項目 | 簡易書留 | 一般書留 |
|---|---|---|
| 料金 | 通常郵便、ゆうメールともに 基本料金+350円 |
通常郵便:基本料金+480円 ゆうメール:基本料金+420円 |
| 専用封筒 | 不要 | 現金書留のみ必要 |
| 追跡範囲 | ・発送した郵便局と時間 ・最後に届いた郵便局と時間 ・送り先に届いた時間 |
・発送した郵便局と時間 ・経由した郵便局 ・最後に届いた郵便局と時間 ・送り先に届いた時間 |
| 補償額 | 5万円まで | 500万円まで |
| 用途 | ・重要な書類 ・チケット ・クレジットカードなど |
・現金(現金書留) ・有価証券 ・貴金属(高価なもの) |
簡易書留と一般書留の大きな違いは、追跡範囲と補償額です。
簡易書留と一般書留の使い分け方
簡易書留と一般書留は、送るものの価値と、追跡機能や補償金額の必要性によって使い分けられます。
料金が安い簡易書留は、実損額の補償が最大5万円までで、追跡記録は引き受けと配達に限定されます。
一方、一般書留は料金が高めではあるものの、最大500万円まで補償され、配達過程の詳しい記録も可能です。送るものの価値に応じて、最善となるものを選びましょう。
書留につけられるオプションの例
書留では、速達や日付指定などいくつかのオプションをつけられます。
速達
速達は、通常より1日程度早く郵便物を届けられるサービスです。期日が迫っているときなど、緊急性の高い書類を送る場合に便利です。
たとえば、福岡から東京への郵送では、速達にする場合としない場合の配達日数には以下の差が生じます。
●書留のみ
・午前差し出し:翌日
・午後差し出し:翌々日
●速達利用
・午前差し出し:翌日午前
・午後差し出し:翌日夜間
郵便物の場合は1通あたり書留料金+300~690円で、料金は重さにより変わります。ゆうメールであれば、1kgまで+330円で利用可能です。
配達日指定
配達日指定は、土日・祝日など差出人が指定した日に郵便物を配達できるサービスです。
郵便物の場合、平日は書留料金+42円、土日・祝日は書留料金+270円で利用可能です。ゆうメールの場合は、一律で書留料金+52円です。
返信依頼郵便
返信依頼郵便は、返信用はがきを添付した郵便物で、第一種郵便物(定形外)の書留のみで付帯可能なオプションです。
「料金後納」という毎月一定量の郵便物を送り続ける場合に利用できる後払い制度を使うため、事業者向けのサービスといえます。配達時に受取人の承諾があれば、その場で返信用はがきを回収してくれるため、ポスト投函する手間を省けます。
利用には、下表の定型外の基本料金に加え、書留料金480円、返信依頼郵便加算料金420円、返信用はがきの料金85円が必要です。
| 重量 | 料金(円) | |
|---|---|---|
| 規格内 | 規格外 | |
| 〜50g | 140 | 260 |
| 〜100g | 180 | 290 |
| 〜150g | 270 | 390 |
| 〜250g | 320 | 450 |
| 〜500g | 510 | 660 |
| 〜1kg | 750 | 920 |
| 〜2kg | 取り扱いなし | 1,350 |
| 〜4kg | 取り扱いなし | 1,750 |
※規格内は、長辺34cm以内、短辺25cm以内、厚さ3cm以内および重量1kg以内
書留の送り方

ここでは、書留での書類の送り方を具体的に紹介します。
【1】封筒などを準備し、梱包する
事前準備として、封筒などで郵便物を梱包しましょう。
簡易書留や一般書留は市販の封筒でも送れますが、現金書留は専用の封筒(1枚21円)を郵便局で購入する必要があります。切手や市販の封筒は郵便局でも購入可能なので、書類を持って直接郵便局に向かっても良いでしょう。
【2】郵便局の窓口で差出票と郵便物を渡し、料金を支払う
郵便局に備え付けの「書留・特定記録郵便物等差出票」に必要事項を記入し、郵便物と併せて窓口に提出します。
必要事項は、差出人および受取人の住所・氏名と、郵送物の内容などです。速達や配達日指定などのオプションもこのタイミングで指定するため、記載方法などのルールが不安な場合は、郵便局員に確認すると良いでしょう。
料金はオプションや書類のサイズ・重さによって異なり、窓口で郵便局員が算出します。現金のほか、クレジットカードやキャッシュレス決済が利用できる郵便局もあります。
郵便局の窓口の営業時間は平日9時~17時が一般的ですが、比較的大きな郵便局では平日19時までや、土日も午前中を中心に営業していることがあります。最寄りの郵便局を中心に、営業時間を事前にチェックしておくと安心です。
【3】受領証を受け取る
支払いや手続きが終わったら、郵便物の追跡番号が記載されている受領証を受け取ります。
受領証は、インターネットや電話での配達状況確認だけでなく、紛失などのトラブル時にも必要なため、相手方に到着するまで保管しておきましょう。
【記事まとめ】簡易書留と一般書留は、送るものや金額によって使い分けよう
書留には、簡易書留・一般書留・現金書留があります。
送るものや金額、追跡機能などから使い分けると良いでしょう。就活では、先方からの指示がない限り、書留は使わないのがベターです。ただし、あらかじめ書留の種類や送り方を覚えておくと、先方から書留で指示があったときに焦らずに済むでしょう。
※本記事は2025年9月現在の情報を掲載しています。最新情報は日本郵便の公式サイト (外部リンク)でご確認ください。